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浅川智恵子氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 IBMフェロー)を講師に迎え、第24回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2012年12月21日


 
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 講演の様子
 
 
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 スーパーリーダー塾の様子
 

12月13日に浅川智恵子氏(日本アイ・ビー・エム株式会社 IBMフェロー)を講師に迎え、第24回榊プロデュースプレステージレクチャーズと兼ねて、テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム、バトンゾーン特論第4講義、及びスーパーリーダー塾「トップと語る会」を開催しました。

 

今回の講義は、「だれもが能力を発揮できる社会を目指して」と題して講演いただきました。

 

浅川智恵子氏は、小学校時代のプールでの事故で怪我をし、視神経を痛め、視力が徐々に衰え、中学時代には視力を失いました。そうしたハンディにもかかわらず、健常者の何倍もの努力と志により大学の英文科を卒業した後、情報工学を学び、IBMに入社。障がいがあっても、普通にコンピュータが使える技術を創ることを自ら実践し、多くの障がい者に夢と希望を与える、誰もが、まさかと思う活躍をしてきた情報技術者です。


浅川氏は、視覚障がい者がパソコンの操作やインターネットの利用が不可能なことに注目し、日本アイ・ビー・エムの学生研究員として点字翻訳システム開発をしました。また、1985年、日本IBM東京基礎研究所入社後は、障がい者や高齢者を含むすべての人が、自由にIT機器を操作できるようにするアクセシビリテイ技術の開発に取り組みました。大変な困難やバリアを乗り越え、1997年には、表示画面もマウスも不要で、合成音声とキーボード操作のみで、視覚障害があっても情報技術を自由に使いこなすことができる世界初の実用的な音声ブラウザであるホームページ・リーダーを開発されました。この技術は、以来、世界11カ国語に対応して利用が可能になっており、視覚障がい者にとってIT技術の利用にはなくてはならない技術となっています。また、WEBページのビジュアル化やインタラクティブ化の進展にあわせ、様々な情報に容易にアクセスできる「Webサイト音声読み上げ技術」など、障がい者に優しい画期的な「ITのバリアフリー技術」を次々と開発してきた経緯などを判り易く話されました。こうした、浅川氏の業績に対して、IBMフェローの称号や文部科学大臣賞(開発部門)をはじめとして数々の賞が与えられています。


ご講演の最後に、21世紀、超高齢社会を迎え、障がい者に限定することなく、高齢者も含めた多くの人々の社会参加を支えるために、情報分野のみならず社会へのアクセス拡大をも見据えたアクセシビリテイ技術、「誰もが能力を発揮できる社会」をいかにして実現するのか、浅川氏は熱い思いと夢を語り、講演を結ばれました。

 

ご講演後には、15名のテーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム履修生が参加するスーパーリーダー塾「トップと語る会」が開催されました。講演の熱気が冷めないままにスタートした議論では、男性が多数を占める職場での女性の活躍や、職場は勿論、家事も含めて、男性が女性を「手伝う」のではなく、「分担する」という考え方の大切さを述べられ、女性進出を当然とするIBMの風土が仕事にプラスしたことなどが語られました。これからの高齢化社会では、IT技術に限らず、高齢者の社会参加が難しくなるなど大きな課題があり、その解決もこれからの大きな目標であると語られました。これからの時代を担う学生たちにとって大変有意義な会となりました。
 

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