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平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム「開発リーダー特論」第8講義を開催しました。

イベント報告 | 2012年10月10日


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 講演する近藤氏
 
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 講演の様子

10月4日にA2-201講義室にて、平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン講義「開発リーダー特論」第8講義を開催しました。

今回の講義では、独立行政法人日本原子力研究開発機構関西光科学研究所の近藤公伯研究主席を講師に迎え、「強いレーザー光線の技術が開く世界」と題して、太陽の中心温度をも上回るピーク電力を実現する極短パルスレーザー技術についての基本原理と、ほんの一瞬の間、しかも極めて小さな空間に創りだされる想像を絶する強さの光の場の特異な性質とその応用について語っていただきました。 


この超高強度光の場に電子が曝(さら)されると、電磁波としての光の一周期内に、ほぼ光速に達するような電子加速が起き、また、水素原子を含む薄いターゲットを晒(さら)すことで極めて高いエネルギーを持ったプロトン粒子線を発生させることができます。高エネルギーのプロトン粒子線を癌に照射することで外科手術不能な難治性癌の治療が可能となります。静電レンズによってこれだけのエネルギーを持った荷電粒子を得るためには100メートルを超す長さの加速管が必要であるものが、このレーザー加速技術を用いれば、それがわずか十数メートルに収まるということです。 


高強度レーザーを使った小型の重粒子線源が完成すれば、現在国内で9ヶ所しかない巨大な癌治療用装置に代わって、これがどこの病院にも設置されるようになることが決して夢ではなくなります。このほかにも、千兆分の一秒よりもっと短い時間で変化する超高速度の状態変化を追跡できるようになったり、将来にはレーザー慣性核融合をも可能にするなど、多くの革新的な応用が展開されるとのことです。


本講演では、このような高強度光科学の進展を可能とした革新的発明・発見の歴史と、日本および世界で行われている最先端の光科学技術の研究とその魅力をたっぷりと聞くことができ、学生はもちろん、教職員にとってもレーザーによる革新的未来を学ぶ良い機会となりました。

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