文字サイズ
検索

News & Topics

ホーム > News & Topics > 小泉英明氏(株式会社日立製作所役員待遇フェロー)を講師に迎え、第21回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

小泉英明氏(株式会社日立製作所役員待遇フェロー)を講師に迎え、第21回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2012年7月 3日


mr koizumi_s2.jpg講演する小泉氏

 

QA_s.jpg質疑応答の様子

 

6月29日に株式会社日立製作所役員待遇フェローの小泉英明氏を講師にお迎えして、A2-201講義室にて第21回榊プロデュースプレステージレクチャーズを平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『開発リーダー特論』との共催で開催しました。

今回の講義は、『応用脳科学の新展開』と題して、小泉氏ご自身により開発された光トポグラフィー法や核磁気共鳴法などを用いた非侵襲脳機能イメージングと言う新しい医学・生理学の分野の最新の研究成果、また、脳科学と教育・心理学・社会学との融合領域についての国際的な新展開の状況についてご講演いただきました。

1975年の偏光ゼーマン原子吸光の原理発見と装置化、1980年代に入っての光トポグラフィー法の開発など、小泉氏は画期的な脳計測・解析技術をご自身の手で開発され、機能性核磁気共鳴法との組み合わせも含め、それらを用いた非侵襲脳機能イメージングと言う新しい医学・生理学の分野を開拓し、数々の新発見をされてきました。


代表的な事例として、長期にわたる身体作業の中断は、それを司る脳の作業記憶領域そのものを退行させること(これを脳の廃用性退行と称する)、運動想起のみによる脳の該当機能部位の活性化、色つき残像と脳内カラーセンターの活性持続効果、筋萎縮性側索硬化症患者との間の意思疎通可能性などの発見は、文明と脳の関係論、スポーツ科学、認知科学、生命科学の進化に大きなインパクトを与えてきました。さらに、光トポグラフィー法の誕生によって、生まれてから人間の脳がどのように機能強化していくかについて直接観察できるようになりました。人間の場合、生後4か月で明瞭な脳機能分化が起きてくるといわれています。


最近では、これらの成果をさらに発展させ、脳科学研究を、教育、情動、社会的意思決定、精神疾患診断などの異分野と融合させることにより、これまで人間の主観と思われてきた精神活動や、究極には人間の倫理観の起源などに迫る高次脳機能の研究が強力に進められるまでに至っており、小泉氏がこの研究およびその応用を目指す国際プロジェクトリーダーとして活躍しておられます。


脳科学異分野融合研究など大変刺激的かつ挑戦的な研究の紹介を含め、脳科学の最先端についてご講演をいただき、真に独創的な分析・計測技術の開発こそが新領域開拓のカギになることを知り、学生はもとより、教職員にとってもよい勉強の機会となりました。
 

ページトップへ