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藤田誠 氏(東京大学大学院工学研究科教授)を講師に迎え、第20回榊プロデュースプレステージレクチャーズを開催しました。

イベント報告 | 2012年6月18日


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 講演をする藤田氏
 
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 講演の様子

6月14日に東京大学大学院工学研究科教授 藤田誠 氏を講師にお迎えして、A2-201講義室にて第20回榊プロデュースプレステージレクチャーズを平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『開発リーダー特論』との共催で開催しました。

 

今回の講義は、『自己組織化と分子技術』と題して、藤田氏自身が発見し、展開してきた自己組織化分子システムの考え方、これまでに実験的に得られた巨大分子の例と、それらが構成される根本メカニズムについて講演いただきました。


藤田氏が研究・推進してきた一連の分子技術においては、パラジウム金属を分子ジョイントとして巧みに活用し、自己組織化分子システムに基づいてカプセル構造、チューブ構造など、既存の化学合成では作れない様々な巨大高次構造体を、構造のバラツキ零の状態で作り上げることができます。この構造体の骨格内部につくられる孤立ナノ空間を活用して、不安定分子の安定化や特異的な物質変換などが可能となり、「孤立空間の化学」という新しい領域が展開されるに至っています。


藤田氏による一連の分子技術は、今日、ナノメートルスケール構造の「ボトムアップ構築」構築の最有力手法として着目され、21世紀物質科学の中核技術のひとつとして注目されています。同氏の研究から明らかにされたSelf Assembly(自己組織化)の原理に潜むEmergence in Chemistry (相変態過程として捉えることができる)が、これまで未知とされてきた「物質と生命との間の階層的不連続性」問題を解く重要なカギになるかも知れません。


『自己組織化と分子技術』の現在の到達点を学ぶとともに、講義を通じて、新しい発想がいかに生まれたか、新しい学問の世界がどのように構築されてきたのかについても直に学ぶことができた貴重な講義でした。

 

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