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「陰っても大丈夫、太陽電池を利用した簡易日射計を開発」(電気・電子工学系 桶真一郎助教・滝川浩史教授ら)

トピックス | 2009年4月14日


太陽電池利用新型日射計の動作
太陽電池利用新型日射計の動作

電気・電子工学系の桶真一郎助教は、滝川浩史教授および杉山智美さん(修士1年)と共に、陰っても大丈夫な簡易型日射計を開発しました。

 

従来の日射計は直径15 mmの熱電堆(ねつでんつい)型センサ一つで計測しており、そのセンサに影が落ちると、周囲には日光が降り注いでいても日射が変動したと判断してしまい、正しい日射が計測できない、という問題がありました。これに対し、今回開発した簡易日射計は、複数個の発電用太陽電池をセンサとして利用し、一部のセンサ表面に影が落ちた場合、バイパスダイオードによってそのセンサを自動的に短絡させ、全てのセンサに影が落ちない限り、残りのセンサによって正しい日射を計測できます。試作した日射計は、太陽電池6枚を縦横に配置してあり、幅100 mm程度の影が生じても正しい日射を計測できます。センサ自体が従来の熱電堆型センサよりも大きいこと、および複数センサを同時配置していることがポイントで、従来の熱電堆型日射計は安いものでも1台約15万円程度であるのに対し、新型はその数分の1の価格で市場投入できると見込んでいます。

 

桶助教・滝川教授らは、これまで、太陽光や風力などの自然エネルギーやコージェネレーションなどのエコエネルギーに関する研究を進める中、それらのエネルギーに影響する気象を安価に観測することを目的に、簡易型日射計の開発を進めてきました。今回、太陽電池の特性をセンサとして利用できることに着目し、影の影響を受けない日射計の開発に至りました。このような機能を備えた日射計は、例えば、温室農業などで利用可能です。近年、農業従事者の減少・高齢化に伴って、従来は手動に頼っていた温室内環境(気温や日射など)の制御を自動化・機械化する傾向にあり、そのためには温室内部の日射を正しく計測することが求められています。温室内部では、梁や支柱などの建材による影が常に多数発生しており、従来型日射計による計測が困難でしたが、新型日射計はこの問題を解決しました。なお、今回の開発は特許出願済みです。

 

試作日射計
試作日射計

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