足立 望(あだち のぞむ)
所属 | 機械工学系 |
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職名 | 准教授 |
専門分野 | 金属材料学 |
学位 | 工学博士(豊橋技術科学大学) |
所属学会 | 日本金属学会,日本鉄鋼協会,日本中性子科学会 |
n-adachi@me ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
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研究室web | http://martens.me.tut.ac.jp/ |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
鉄鋼材料を始めとして、チタンやアモルファス合金などの金属材料を対象として、それらの力学特性や機能を、塑性加工プロセスや熱処理を駆使した組織制御を通じて向上させる研究を行っています。また、新規に見出した優れた力学特性や機能の発現メカニズムを、変形/反応の時間・温度・応力依存性を詳細に解析(kinetics解析)することによって明らかにする研究にも取り組んでいます。
テーマ1:バルク金属ガラスの力学的高機能化
概要
「バルク金属ガラス」は、通常の金属材料とは異なり結晶構造を持たないアモルファス合金の一種です。バルク金属ガラスは、優れた強度の反面、特異な構造のために、通常金属の変形機構である転位運動による塑性変形が出来ず、延性を示さずに脆性的に破壊する大きな欠点があります。近年、バルク金属ガラスに対して巨大ひずみ加工を施すことによって、アモルファスでありながら延性を示すことが明らかになりました(業績1-1).本研究では,巨大ひずみ加工によりバルク金属ガラスに発現する延性のメカニズム解明を目指して、量子ビームや詳細な力学挙動解析に取り組んでいます。
主な業績
1-1) N. Adachi, Y. Todaka, Y. Yokoyama, and M. Umemoto, 'improving the mechanical properties of Zr-based bulk metallic glass by controlling the activation energy for β-relaxation through plastic deformation' Applied Physics Letters 105 (2014) 131910.
1-2) N. Adachi, Y. Todaka, Y. Yokoyama, M. Umemoto, 'Cause of hardening and softening in the bulk glassy alloy Zr50Cu40Al10 after High-pressure Torsion' Materials Science and Engineering A 627 (2015) 171-181.
キーワード
テーマ2:高圧相を利用した新規材料の開発
概要
鉄やチタンなど私たちの身の回りに良く使われている金属材料は、相変態を利用した組織制御によって、目的の力学特性を有する材料が創られている。相変態には主に熱を利用した熱誘起相変態と、圧力を利用した圧力誘起相変態の2つが挙げられるが、現在使用されているのは、熱誘起相変態のみである。これは、熱誘起相変態を生じさせるためには非常に高い圧力が必要なこと、圧力誘起相変態により生じた高圧相は、常圧に戻る過程で元の相に逆変態することが原因である。近年の研究で、圧力誘起相変態が生じる高い圧力下で巨大ひずみ加工を施すことによって、従来常圧では存在し得なかった高圧相が常圧でも残留することを明らかにした。本研究では、高圧相の実用部材への応用に向けて、高圧相の安定化のメカニズムや、力学特性などを詳細に調査しています。
主な業績
2-1) N. Adachi, Y. Todaka, H. Suzuki, M. Umemoto, 'Orientation relationship between α-phase and high-pressure ω-phase of pure group IV transition metals' Scripta Materialia 98 (2015) 1-4.
2-2) N. Adachi, Y. Todaka, K. Irie, M. Umemoto, 'Phase transformation kinetics of ω-phase in pure Ti formed by high-pressure torsion' Journal of Materials Science 52 (2016) 2608-2615.
キーワード
担当授業科目名(科目コード)
機械工学実験