宮本 弘之(みやもと ひろゆき)
所属 | 総合教育院 |
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職名 | 教授 |
専門分野 | 家計金融 |
学位 | 博士(経済学)(埼玉大学) |
所属学会 | 日本金融学会/日本ファイナンス学会/行動経済学会/日本オペレーションズ・リサーチ学会/生活経済学会/企業経営学会 |
miyamoto@las ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
研究紹介
家計の金融行動について、ミクロ経済学や行動ファイナンスの観点から実証的に研究しています。貯蓄・投資、借入、保険加入、決済、相続・贈与などの金融行動において、家計によって意思決定が大きく異なるのはなぜか。どのような要因が合理的な(賢明な)意思決定につながるのか。こうした問いのもと、家計の金融行動のメカニズムについて考えるとともに、統計調査やアンケートをもとにした実証的な分析を進めています。
テーマ1:金融リテラシーが金融アドバイス需要に与える影響
概要
金融知識の活用能力の多寡が、金融の専門家からのアドバイスの需要にどのような影響を与えるかを探求しています。本来、専門家のアドバイスは、金融リテラシーが低い人のリテラシーの代替として期待されますが、金融リテラシーが高い人の方がアドバイス需要が高いことも多くあります。金融リテラシーがどのような経路を通じて金融アドバイス需要に影響を与えているかを明らかにすることで、アドバイスを希望する人にアドバイスが行き渡るためには何をすべきかを考えることができるようになります。計画的行動理論を用いて、アドバイス需要を意図(アドバイスを受けたいという希望)と行動(アドバイスを実際に受けたか否か)のギャップを探るのが本研究です。
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テーマ2:富裕層の資産選択
概要
富裕層が、自身の保有する資産をどのような種類に分けて保有するかを探求します。富裕層は、保有する資産(金融資産、不動産、事業資産、その他の実物資産)の額が大きいため、家計金融資産全体に与える直接の影響が大きいだけでなく、金融機関のリテールビジネスを通じて間接的に家計全体の資産選択に影響を与えます。また、一般の家計が保有する資産は、預貯金、有価証券、自宅用不動産に限定されることが多いのに対し、富裕層が保有する資産は、金融派生商品、別荘・セカンドハウス、投資用不動産、事業資産、海外資産など多岐にわたります。富裕層の資産選択のメカニズムを明らかにすることで、富裕層向けの産業を振興していくための方策を考えることができます。企業のオーナー経営者を対象としたアンケートを用いて、富裕層の資産選択の特徴と要因を探るのが本研究です。
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テーマ3:金融リテラシーが金融行動に与える影響
概要
テーマ1を拡張して、金融知識の活用能力の多寡が、様々な金融行動にどのような影響を与えるかを探求しています。取り上げる金融行動は、株式保有(資産運用)、ポートフォリオ運用、税制優遇口座(NISAなど)の保有、積み立て貯蓄・投資の実施、給与天引き貯蓄の実施、住宅ローンの借り換え、ローンの繰上げ返済、保険契約における比較検討、相続対策の実施、マネープランやライフプランの作成などです。これらの金融行動は、金融リテラシーが高い人ほど活発であると予測されます。どのような金融リテラシーがどのような経路を通じて金融行動の活発化につながっているかを明らかにすることで、今後の金融経済教育のあり方を考えることができるようになります。
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担当授業科目名(科目コード)
経済学入門、マクロ経済学、ミクロ経済学、ファイナンス基礎、生産管理、産業技術政策