
Ryan Eugene(ライアン ユージン)
| 所属 | 総合教育院 |
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| 職名 | 准教授 |
| 専門分野 | 1: 神経多様性やその他の社会的課題を抱える若年層の社会的スキルとコミュニケーション能力の自信を育むためのテーブルトップ・ロールプレイングゲーム活用2: 自閉症スペクトラム障害(ASD)児の言語発達 |
| 学位 | MA in Advanced Japanese. Sheffield University. BA in History, Corpus Christi College, University of Cambridge |
| 所属学会 | JALT, JALT Bilingualism SIG, National Autistic Society (NAS) |
| ryan.eugene.desmond.so ※アドレスの末尾に「tut.jp」を補完してください |
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| 研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
自閉症スペクトラムの子どもたちは、言語発達が遅れていなくても、対人コミュニケーション、特に集団環境での交流に苦労することが一般的です。社会的合図の解釈が困難で、会話の暗黙のルール(発言の順番や合意形成など)に戸惑うことが多く、これが自信や社会的発達にさらなる悪影響を及ぼす可能性があります。
ロールプレイングゲームは、言語コミュニケーションが可能な自閉症スペクトラムの人々にとって、社会的スキルを育む効果的な方法となり得る。プレイヤーが演じるキャラクターという分身を通じて、安全で楽しいコミュニケーションの場を提供するためである。
本研究プロジェクトは、東京学芸大学大学院生である加藤康平氏の研究を発展させたものである。同氏はテーブルトップロールプレイングゲーム(TRPG)を開発し、私はその公式英語版翻訳『Challenge Dungeon』を作成した。
研究者は、神経多様性や社会性の課題を抱える若年層を対象としたゲームセッションを通じて、この手法の有効性を探求する計画である。これにより、こうした人々の社会的孤立が緩和または解消されることが期待される。
テーマ1:神経多様性を持つ若者やその他の社会的課題を抱える若者の社会的スキルとコミュニケーション能力の自信を育むためのテーブルトップ・ロールプレイングゲームの活用
概要
神経多様性を持つ子どもや青少年、あるいはその他の社会的課題に直面している人々は、社会的孤立のリスクが高く、孤独感や社会での機能不全といった問題を悪化させる恐れがあります。テーブルトップ・ロールプレイングゲーム(TTRPG)を活用することで、彼らが楽しく自己表現できる安全な場を提供し、社会的成果を向上させる自信を育むことが可能です。
主な業績
プレゼンテーション - 自閉症、コミュニケーション、ロールプレイングゲーム:つながりを創る 2022年「多様性への誇り」、名古屋インターナショナルスクール
プレゼンテーション - チャレンジダンジョン:共同ロールプレイを通じたポジティブな社会的体験の創出、日本学習支援ネットワーク会議、2022年11月、アオバ・ジャパン・インターナショナルスクール
キーワード
テーマ2:自閉症スペクトラム(ASD)児の言語発達、初等教育における英語教授法
概要
世界の2/3の子供たちがバイリンガル環境で育ち、その数は増える傾向にある。日本では他国と比較するとその数は少ないが、常に増加している状態である。そういった状況において、バイリンガル環境で育つ自閉症スペクトラム(ASD)児も世界中で自然に増えている。
日本においては、ASD児は、主となる言語が確立されるまではモノリンガル環境で育つべきであるという、伝統的なアプローチが正当とみなされ、児童に自閉症傾向が見られる場合には主となる言語が確立するまでは、モノリンガル環境におくべきであり、第2言語の導入は、主となる言語の確立まではするべきでないと考えられている。
しかし最近の研究結果は、バイリンガリズムがASD児の発達に悪影響を及ぼすという証拠がないこと、実際に概念形成などの分野においてはバイリンガリズムが好影響をもたらすことを指摘している。また、 言語発達、社会性の獲得に重要な役割を果たす、両親の話す言語に接する機会を奪われるという点において、モノリンガル環境を幼児に強いることの悪影響も示されている。
現時点では、研究事例の少ないバイリンガリズムがASD児の言語発達へ与える影響について、他の研究者との共同研究に従事している。また、日英をはじめ様々な国の自閉症児の教育事情等の調査研究と、バイリンガル自閉症児の事例調査にあたっている。
主な業績
- Ryan, E. (2020年5月4日). 子どもの自閉症診断を伝えること. Oasis: Bulletin of the Connections Forum, 1(1). 2020年6月11日取得, https://www.multiculturaljapan.com/oasis-bulletin-volume-1-issue-1.html
- Ryan, E. (2021) 自閉症を持つサードカルチャー・チャイルドのための日本の公教育の道筋. In Cook, M.L., & Kittaka, L.G. (編), 日本における異文化家族と学校教育:経験、課題、挑戦 (pp. 205~226). Candlin & Mynard ePublishing, Ltd.
- Ryan, E. (2021) 発達障害と診断された子どもたちのバイリンガル成功事例. In Beck, A., 世界中のバイリンガル成功事例:多言語の子育てをする親たちが経験と励ましを共有する (pp. 175~82). Bilingual Adventures.
- パネルディスカッション:日本における異文化家族と学校教育(モデレーター:メロディー・クック、新潟県立大学(英語))。『Living on the Edge 2021』JALT京都支部主催(Zoom)
4月24日(日)
キーワード
担当授業科目名(科目コード)
Culture and Communication 1
Culture and Communication 2
英語 Grammar 1
英語 Listening and Speaking 3
英語 Reading and Writing 2
英語 Reading and Writing 4
