小林 真佐大(こばやし まさひろ)
所属 | 情報メディア基盤センター |
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職名 | 助教 |
専門分野 | 統計的学習理論 / ロバスト統計 |
学位 | 博士(工学)(豊橋技術科学大学) |
所属学会 | 電子情報通信学会 / 日本統計学会 / IEEE |
kobayashi@imc ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
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研究室web | https://sites.google.com/view/kobayashi/ |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
統計学や機械学習における基本的なタスクは、与えられた学習データから、そのデータを生成した真の確率分布を推定することです。データの発生分布を適切に推定することにより、未知データの予測や潜在構造の抽出が可能になります。しかしながら、標準的に利用される尤度に基づく方法は、学習データへの外れ値の混入や仮定した確率分布と実際のデータとのズレに脆弱であることが知られています。私のこれまでの研究では、外れ値に頑健な学習アルゴリズムの構築や性能解析を行ってきました。
最近は、確率分布間の擬似的な距離尺度であるダイバージェンス関数の数理的な性質や推定への影響について関心を持ち、研究を進めています。
テーマ1:f分離可能ひずみ尺度に基づく学習法の研究
概要
情報理論の分野で提案されたf分離可能ひずみ尺度を損失関数として採用し、その最小化による学習法を考案した。この学習法では単調増加関数fの選択に対応して、外れ値に頑健な学習、最大学習損失最小化、最尤学習といったように振舞いを柔軟に変えることができる。この学習法に基づいて機械学習アルゴリズムの構築や統計的な性質の解析を行っている。
主な業績
Masahiro Kobayashi, Kazuho Watanabe, "Unbiased Estimating Equation on Inverse Divergence and Its Conditions," Proc. of the IEEE International Symposium on Information Theory (ISIT), Athens, Greece, July 2024, pp.3618-3623, July 2024.
Masahiro Kobayashi, Kazuho Watanabe, "Unbiased Estimating Equation and Latent Bias Under f-Separable Bregman Distortion Measures," IEEE Transactions on Information Theory, vol.70, no.8, pp.5763-5781, Aug. 2024.
Masahiro Kobayashi, Kazuho Watanabe, "Generalized Dirichlet-process-means for f-separable distortion measures," vol. 458, pp.667-689, Neurocomputing, Oct. 2021.
キーワード
テーマ2:情報理論に基づくクラスタリングアルゴリズムのパラメータ設定法の検討
概要
DP-means法は、クラスタリング手法の中で最もよく使われるK-means法の欠点を改善するアルゴリズムとして提案された。K-means法の利点である実行にかかる計算時間がデータ数の線形オーダーという高速に動作する点とアルゴリズムがシンプルという点を保持しつつ、課題であったクラスタ数の自動推定を可能とする。ただしDP-means法では、クラスタ数の代わりにクラスタ数を制御する罰則パラメータを与える必要があるため、どのように決めればよいかが問題となる。この問題に対し、情報理論の一分野であるレートひずみ理論の観点から、レートと最大ひずみがそれぞれクラスタ数と罰則パラメータとして解釈できることから、罰則パラメータを決定する方法の考察を行った。
主な業績
小林真佐大,渡辺一帆, "ディリクレ過程平均法のレートひずみ理論による解釈," 電子情報通信学会論文誌A, vol.J100-A, no.12, pp.475-486, 2017年12月.
キーワード
その他(受賞、学会役員等)
SITA若手研究者論文賞,2020年8月6日.
電子情報通信学会東海支部,学生研究奨励賞,2018年6月18日.