有吉 誠一郎(ありよし せいいちろう)
所属 | 次世代半導体・センサ科学研究所 |
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兼務 | 応用化学・生命工学系 |
職名 | 准教授 |
専門分野 | テラヘルツ工学、超伝導デバイス |
学位 | 博士(工学)(総合研究大学院大学) |
所属学会 | 応用物理学会、低温工学・超電導学会、IEEE Microwave Theory and Techniques Society (MTT-S) |
ariyoshi@ens ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
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研究室web | http://ens.tut.ac.jp/terahertz/ |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
テラヘルツ光(周波数0.1~10THz、波長3mm~30um)は、電波と可視光それぞれの技術的進展とは対照的に"光のフロンティア"と呼ばれています。この光領域は人間の目では見えないものを透視することができたり、X線やγ線に比べて被ばくの危険性が無いなどの優れた特長をもっているため、これを活かしたセキュリティー応用やメディカル診断、天文観測や物性研究など、様々な分野でのテラヘル ツ光応用の可能性を秘めています。
本研究室では、超伝導体を用いた高感度テラヘルツ波検出デバイスの開発やテラヘルツ2次元分光技術の研究、およびこれらを駆使した新たな応用分野の開拓を目指しています。
テーマ1:超伝導テラヘルツ光センサの開発
概要
テラヘルツ光領域における2次元分光技術はソフトマテリアルなどの物性研究や応用開拓のために有効な可能性を秘めています。本研究室では、2次元フーリエ分光システムへの適用を念頭に置き、従来の半導体ボロメータに比べて1桁以上の優れた検出感度と高速応答を併せもつHe4冷凍機動作の力学インダクタンス検出器(MKID)アレイの開発を進めています。
主な業績
S. Ariyoshi, K. Nakajima, A. Saito, T. Taino, H. Tanoue, K. Koga, N. Furukawa, H. Yamada, S. Ohshima, C. Otani, J. Bae, “NbN-Based Microwave Kinetic Inductance Detector with a Rewound Spiral Resonator for Broadband Terahertz Detection”, Applied Physics Express, Vol.6, pp.064103_1-3 (2013).
キーワード
テーマ2:汎用プラスチックのテラヘルツ分光研究
概要
プラスチック素材の堅さやもろさ、加工性や粘性、生分解性といった機能性は、(素材の化学組成だけではなく)密度や分子量、分子構造や結晶化度などの高次構造によって決定付けられます。しかしこれまでのプラスチック診断では、目視による劣化度合い(変色や透明度)の観測、引張り強度や曲がり強度・せん断性などの機械強度を直接計測(破壊)するといった手法が中心で、「プラスチックの高次構造をどのように変えれば目的の機能が得られるのか?」という問いに応える非破壊・非侵襲の分析技術の確立が強く望まれています。この分光学的手法が確立すると、これまで出来なかった非破壊でのプラスチックの劣化解析や高次構造の解析への展開が期待されます。
主な業績
S. Ariyoshi, N. Hiroshiba, Y. Tanzawa, Y. Ichikawa, J. Bae, “Broadband terahertz spectroscopy of polypropylenes with different tacticities”, Materials Research Express, Vol.1, pp.045303_1-6 (2014).
キーワード
担当授業科目名(科目コード)
[学部]
・数理情報工学 (B14620160)
・技術科学英語Ⅱ (B1460007c)
・環境・生命工学実験 (B14600020)
[大学院]
・環境センサ工学特論 (M24630040)
・先端環境技術特論Ⅰ (D34030010)
その他(受賞、学会役員等)
2009年5月 2009年度低温工学協会褒賞(低温工学・超電導学会)
2009年4月 平成21年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・若手科学者賞(文部科学省)
2007年9月 第29回JJAP論文奨励賞(応用物理学会)
2007年6月 第20回安藤博記念学術奨励賞(安藤研究所)
2007年3月 第4回フロンティア研究システム奨励賞(理化学研究所)