鯉田 孝和(こいだ こうわ)
所属 | 次世代半導体・センサ科学研究所 |
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兼務 | 情報・知能工学系 |
職名 | 准教授 |
専門分野 | 神経科学 |
学位 | 博士(工学) (東京工業大学) |
所属学会 | Society for Neuroscience、 日本神経科学学会、 日本視覚学会、 日本光学会、 日本感性工学会、 視覚科学フォーラム |
koida@eiiris ※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください |
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研究室web | http://www.eiiris.tut.ac.jp/koida/ |
研究者情報(researchmap) | 研究者情報 |
研究紹介
視覚認知、特に色と明るさに関する脳と心の働きを理解するために、ヒトを対象とした知覚心理物理実験、ならびにモデル動物(マカクザル)の脳からのニューロン活動記録実験を行なっています。視覚情報が神経情報に変換され、知識によってラベリングされるまでの広い現象を、色覚を手がかりに解き明かしていくことを目的としています。
実験はエレクトロニクス先端融合研究所のライフサイエンスラボにて集中的に行われています。工学系単科大学では珍しい本格的な動物実験区域です。豊橋技科大で発明された超微細電極「豊橋プローブ」の開発・実証実験や、新規計測技術の探索を学科をまたいたチームとして融合研究を進めています。
テーマ1:覚醒ザルからのニューロン活動記録
概要
私たち人間は極めて優れた視覚機能を持っています。対象物をチラリと見ただけでそれが美味しい食べ物なのか、好きな異性なのか、それが太陽下でも物陰であっても瞬時に分かります。その精巧な情報処理を知るためには、脳のニューロン活動を記録することが最も直接的で確実な手法です。脳のどこで色や明るさの情報が表現されているのか。神経活動は判断や行動を起こすときにどのように変わるのか。電気刺激でニューロン活動を強制的に起こすと知覚や判断はどう影響されるか。以上を実験的に確かめるために、ヒトと相同な視覚を持つサルを対象として、視覚認知課題を行っているときの脳に微小電極を刺入することで神経応答を記録する電気生理実験を行っています。
主な業績
Nat Neurosci (2007)10, p108-116.
J. Neurosci. (2010)30, p14955-63.
キーワード
テーマ2:神経生理測定手法の開発
概要

生きている生体から神経細胞の形や働きをより良く知るためには、イメージング技術や電位記録プローブの開発が必要です。生体に応用可能なイメージング技術として、微小プローブ型イメージングファイバーの開発を行なっています(画像)。また、本学で開発された多点電極「豊橋プローブ」の実証実験を、脳スライスからの記録、急性記録実験、慢性埋め込み記録実験を行なっています。これらの革新的な計測技術を用いることで、これままで観測されなかった生体信号の可視化、長期安定記録を実現します。
http://www.eiiris.tut.ac.jp/probe/
主な業績
http://www.eiiris.tut.ac.jp/probe/
キーワード
テーマ3:色覚異常モデル動物の行動実験
概要
ヒトは3色性の色覚を有していますが、成人男性の数%は少し異なる色覚特性を持っています。本来3種類ある色受容体が二種類しかなく、世界を2原色で見ているのです。これら2色覚者(色覚異常、色盲、とも)の視覚特性は色覚の理解の基盤となっています。また2色覚者が実生活ではあまり困っていないことから、脳が色情報を補完していると予測されています。2色覚と脳の関係を明らかにするためには動物モデルが必要ですが、我々の研究グループは2色覚のマカクザルを発見しこれを維持繁殖させています。動物は、遺伝子検査、網膜電位測定、知覚行動実験によりL錐体欠損であることが証明されています。(京都大学霊長類研究所、生理学研究所との共同研究)
主な業績
J Vis 13(13): 1.(2013)
キーワード
担当授業科目名(科目コード)
先端融合特論III
認知科学序論
知能情報学概論
微分方程式