豊橋技術科学大学

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崔 容俊(ちぇ よんじゅん)

所属 電気・電子情報工学系
兼務 次世代半導体・センサ科学研究所
社会連携推進センター
職名 准教授
専門分野 半導体工学,バイオセンサ
学位 博士(工学)豊橋技術科学大学
所属学会 電気学会,応用物理学会
E-mail choi@ee
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://int.ee.tut.ac.jp/bio/
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

近年,バイオセンシングの技術はIT(Information Technology),NT(Nanotechnology),BT(Biotechnology)技術の発展およびそれらの融合によって,バイオセンサの検出限界が克服され,医療や生化学分野の研究に応用されています.特に,人体の特定病原体と生理学的解析を高感度(Sensitivity)かつ選択的(Selectivity)に検出するセンシング技術は、病気の早期診断や治療に重要な技術として注目されています.本研究室では,豊橋技術科学大学の半導体施設のCMOS/MEMS製造技術を用いて,高感度かつ高選択性を有するバイオセンサの実現を目指して研究を進めています.

テーマ1:光学部品が必要としないフィルタフリー波長検出センサ

概要

体内・脳内の細胞活動を解明するためにさまざまな研究が行われています.細胞活動の観測にはpH,活動電位,質量分析,蛍光などの手法が用いられています.特に,蛍光検出法は得られる情報量が多く取り扱いが容易であるため,最も有用な方法の1つとして注目されています. そこで,リアルタイムでの検出に向けた小型で安価な蛍光検出装置の開発が進められています.現在,蛍光顕微鏡で使用される干渉フィルタや吸収フィルタなどが搭載されたオンチップイメージセンサが報告されています.光学フィルタを搭載したイメージセンサは,蛍光検出能力に優れる反面,複数種類の蛍光の同時検出や蛍光試薬の変更への対応ができないなどの問題がありました.本研究では,励起光と蛍光の波長が変更された場合でも同一デバイスで,光強度を検出可能なフォトゲート構造のフィルタフリー蛍光センサに関する研究を行っています.シリコンの光吸収深さの波長依存性を基に,センシングエリアの直下に位置するpn接合とフォトゲートの電圧によって形成される電位の鞍の深さを調整して,表面側からある分岐点まで吸収された光電流を検出し,それぞれの光強度を算出します.このデバイスを用いて光学フィルタなどを使用せずに,混合試薬からの3波長分離,神経細胞の定量化,蛍光イメージング,レジオネラ菌の識別,DNAの検出などを実現しています.

主な業績

・Yong-Joon Choi, and Kazuaki Sawada, Encyclopedia of Sensors and Biosensors, vol.1, pp.1-19 (2023)
・Yong-Joon Choi et al., Biosensors, vol. 12, no. 11, p.1033 (2022)
・Tomoya Ide et al., Sensors and Actuators B: Chemical, vol.350, p.130896 (2022)

キーワード

フィルタフリー,波長,蛍光,イメージセンサ,バイオセンサ

テーマ2:次世代のポータブルウイルス検出システム

概要

現在,生体内における微量な被検物質を高感度で検出するために多様な手法を用いたバイオセンサが開発されています.近年,コロナウイルスの感染拡大が深刻な問題となっており,その場診断で迅速かつ高感度で検出可能な小型分析システムが要求され,簡易迅速検査として,イムノクロマト法を用いた抗原・抗体検査法があります.イムノクロマト法は,検体を滴下することで疾病の有無を見つけることができ,数十分程度で診断結果を判定することが可能だが,デメリットとして検体の複数同時検出や定量測定などが困難なことや,検査結果の偽陽性疑いの例があるという問題が挙げられます.生体内における微量な被検物質を高感度で検出するために多様な手法を用いたバイオセンサが開発されている。その中で,局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を応用したバイオセンサは,分子吸着による透過波長の変化を計測することでナノ金属構造の表面における分子吸着をリアルタイムで検出が可能であります.しかし,透過波長の計測には光学部品が集積された分光装置を用いるため,小型化かつ多項目の同時検出は困難である課題がありました.本研究では,光学部品を使用せずにLSPRバイオセンサによる透過スペクトルを計測可能な小型ウイルス検出システムを開発しており,コロナウィルスのスパイクタンパク質であるS-protein RBD (SARS-CoV-2)の定量測定が可能であり,今後迅速かつ小型化されたウイルス検出システムの実現が期待されます.

主な業績

・Yong-Joon Choi et al., Appl. Phys. Express, vol.16, p.012012 (2023)
・Yuto Honda et al., Jpn. J. Appl. Phys. vol.61, p.SD1010 (2022)
・Yong-Joon Choi et al., Biosensors & Bioelectronics., vol. 172, p.112778 (2021)

キーワード

ポータブル,ウィルス検出,バイオセンサ

テーマ3:農業用の植物クロロフィルa/b計測システム

概要

人口増加の激化に伴い食用作物の需要が増加しており,農業現場では施設内で植物の栽培を行う植物工場の導入が盛んになっています.植物工場では,様々な環境要因の高度な制御が可能であるが,その生産性を最大化させるためには,植物の生育状態に応じて適切に環境制御を更新し続ける必要があります.植物の生育状態のひとつに主に光合成を行う成分であるクロロフィル(Chl)を計測する方法があります.陸上植物は主にChl a, Chl bの2種類が存在し,Chl含量及びChl a/b比を把握することで植物の生育状態や光環境に関する情報が得られ, 栽培条件の最適化に役立ちます.しかし,農業現場において,植物の光環境をリアルタイムで計測できるシステムはまだ報告されていない状況です.現在,分光装置よるChl aとChl bの吸収波長の違いに着目して,Chl a/b比を計測する吸光度測定が一般的である.しかし,吸収波長を選択的に検出するには,光学部品などが集積された大規模な分光装置を用いるため,農業現場での簡易測定が困難であるという欠点がある. そこで,本研究グループでは葉のChlを非破壊方式で計測可能な小型クロロフィル計測システムの開発を行っており,農業現場での応用に向けて研究を行っています。

主な業績

・Yong-Joon Choi et al., Jpn. J. Appl. Phys. vol.61, p.SD1041 (2022)

キーワード

葉緑素,クロロフィル,小型計測システム,農業

担当授業科目名(科目コード)

解析電磁気学Ⅰ(B12610200)
電子デバイス論(M22623020)
物理学Ⅱ(B1013006)
電気・電子情報工学プロジェクト実験 (B12610130)


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