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加藤 亮(かとう りょう)

所属 教育研究基盤センター
兼務 電気・電子情報工学系
職名 助教
専門分野 分析化学
学位 博士(理学) (東北大学)
所属学会 日本化学会 / 日本分析化学会
E-mail ryo_kato@crfc
※アドレスの末尾に「.tut.ac.jp」を補完してください
研究室web http://www.tutms.tut.ac.jp/~thattori/top.html

テーマ1:水素結合を利用するアニオン認識試薬の開発

概要

生体、環境中には数多くの陰イオン(アニオン)が存在し、重要な役割を果たしています。そのため、これらアニオンの存在量を把握しておくことは生命現象、自然現象の解明には欠かせません。従来のアニオン分析法はイオンクロマトグラフィーを始めとする機器分析法が主で、費用、時間がかかり、特にその場分析が事実上不可能です。本テーマはこのようなアニオン分析法における問題点を改善する簡便、迅速、安価な新規分析法としてアニオン認識比色試薬によるアニオンの比色分析法の開発を目的としています。開発の手順としては、
1、水素結合により認識・結合し、その情報を色の変化により検出する新規アニオン認識比色試薬の分子設計及び新規合成、
2、水系、非水系それぞれにおいて合成したアニオン認識比色試薬のアニオン認識機能評価です。
現在、アニオンを認識する部位としてのチオ尿素基、イソチオ尿素基にパラニトロフェニル基、ジエチルアミノ基などを結合したアニオン認識試薬が有機溶媒中において酢酸イオンに対し選択的に認識し、溶液の色調が変化することを見出しています。図1は本テーマにおいて新規合成したアニオン認識試薬1が有機溶媒中において酢酸イオン、塩化物イオンの各アニオンに対し選択的に吸収スペクトルが、酢酸イオン、リン酸イオンに対し選択的に溶液の色調、濁度が変化した様子を示しています。
今後は有機溶媒中のみならず、有機溶媒-水混合溶媒系、ミセル、シクロデキストリンなど水中疎水場を用いた水系においても有機溶媒中と遜色ない性能を持つアニオン認識の開発を目指すとともに、フローインジェクション分析法など他の分析法との連携も考えています。

主な業績
R.Kato, A. Kawai, T. Hattori, New J. Chem., 2013, 37 (3), 717 - 721
R. Kato, A. Sato, D. Yoshino, T. Hattori, Anal. Sci., 2011, 27, 61-66.
R. Kato, E. Tubouchi, T. Hattori, Anal. Sci. 2006, 22, 465-467.

キーワード

水素結合、アニオン認識、比色分析

テーマ2:化学センサー分子を用いた油中水分分析法の開発

概要

我々が普段使用する機械(自動車など)にはほぼ必ずと言っていいほど潤滑油を使っています。潤滑油は摩擦,磨耗を少なくし,機械の動きを滑らかにするために用いられる油です。この潤滑油中に最も代表的な不純物の一つである水が混入すると機械内にさびが発生して潤滑性が低下し,結果として機械の損傷を引き起こします。また,金属加工の現場において切削時に発生する熱を除き材料と切削工具との間の潤滑性を高めるためにクーラントと呼ばれる切削液を用います。最近では油性クーラントに替わり水溶性クーラントの使用が広まってきています。水溶性クーラントは多いもので90%以上水分ですが,吸湿,蒸発に伴う水分量の変化が潤滑性,冷却性の低下を伴う品質の低下を引き起こし,工作機器の損傷を引き起こします。そのため潤滑油及び潤滑剤中の水分量を把握し,このような事故を未然に防ぐ必要があります。潤滑油や有機溶媒中の水分を測定する方法は滴定法であるカールフィッシャー法が主です。本研究では現場で使え、短時間で結果の出る水分分析システムの開発を目指しています。現在、水分と直接相互作用し光の吸収波長が変化する金属化合物、水分量変化を潤滑剤の極性、誘電率変化として捉え蛍光波長が変化する有機化合物を化学センサー分子として用い、水分量を光により検知するデバイスの開発を行なっております。

主な業績
・R. Kato, K. Kide, T. Hattori, A. Wakahara, and M. Yamaguchi; Anal. Lett., 2011, 44, 577?584.
・加藤亮,長坂隆広,周紅波,孫尚鉉,服部敏明,山田幸司,分析化学, 2011, 60, 521-526.

キーワード

水分分析

テーマ3:有害化学物質を検出するための化学センサー分子の開発

概要

私たちの身の回りには農薬や重金属イオンなど、人体や動植物に有害な化学物質が存在しています。本研究ではこれら有害化学物質を低コストで迅速に検出するための手法として化学センサー分子を用いた吸光光度法、蛍光分析法を開発しています。化学センサー分子は目的の化学物質と特異的に結合する部位と発色団ないし蛍光団を併せ持つ分子であり、目的の化学物質と結合を形成することで発色団、蛍光団の電子状態が変化し、吸収スペクトルないし蛍光スペクトルが変化するよう設計されています。本研究では重金属イオンや農薬成分と配位結合、水素結合により錯形成し吸収、蛍光が変化する新規化学センサー分子を合成し、その応答挙動を評価しています。


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