佐藤 裕久(さとう ひろひさ)
研究紹介
ペロブスカイトやその関連構造をもつ化合物は、触媒的、磁気的や電気的特性について古くから研究されている。それら化合物の中で希土類マンガナイトは、電極材料の候補としてや近年巨大磁気抵抗効果について注目されている。
テーマ1:セラミックス新物質の合成
概要
希土類マンガナイトを基本として、希土類をアルカリ土類金属に置換したり、マンガンの位置を他の遷移金属などに置換したりした新規の複合酸化物の合成を行っています。希土類マンガナイトはペロブスカイト構造を有しており、この構造の化合物は数多くの組み合わせが可能な事で知られています。そのため置換する遷移金属は、今まで報告のない元素について行っており、これまでにいくつかの新しい化合物の合成に成功しています。現在は卑金属元素などで置換した化合物が合成できないか試みています。
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テーマ2:新物質の構造解析
概要
合成に成功した新物質や構造解析がされていない化合物について、粉末X線回折測定したデータを基にRietveld法によって構造解析を行っています。これら化合物の構造は、ペロブスカイト構造を基本として、その関連構造を含めていくつか見出しており、低温X線回折や高温X線回折測定も行っており、これによって相転移の存在の発見や温度変化に伴う原子位置の動きなどを解明しています。
構造解析のその他の方法としては電子線回折や単結晶が育成できた場合は4軸X線回折による解析も行ってます。
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テーマ3:新規物質の物性測定
概要
報告された事のない新規物質が合成できた際には物性測定を行っています。主に測定している物性はDSCを用いた熱力学特性、SQUIDを用いた磁気特性、電気伝導度です。
例えば図3に、La2Mn1.8Sn0.4O6の4Kで測定されたM-H曲線に幅が見られた事から、この化合物は強磁性的性質を持つ事が分かります。
その他には試料の生成エネルギーが分かっていれば、DSCを用いた熱容量測定を行って、すべての熱力学量を算出しています。