Park, Minjeong(パクミンジョン)
研究紹介
どんな建物も建設当初は新築ですが、時が経てば古い建物になります。中には時代を超えて受け継がれるものがある一方、担った役割を終え解体されてしまうものもあります。老朽化が進む近代建築の多くはまだその評価が定まらず、その岐路にあると言えます。残されるものと壊されるものの違いは何か、建築の価値は誰によって決まるのか、そもそも建築の価値とは何か、現代とは異なる歴史的背景の中で建設された建物を対象に、建物だけでなく社会の認識の変遷を追う研究をしています。
テーマ1:ハンセン病療養所の歴史的変遷と価値形成に関する研究
概要
国内に14か所ある国立及び私立のハンセン病療養所を対象にその歴史的変遷を調査しています。収容施設から医療施設、介護施設へと役割を変えながら今もなお存続している例は世界的にも珍しく、その過程で施設をめぐる社会的認識にも大きな変化が見られることから、今後の活用を踏まえた基礎的研究が必要な分野であると捉えています。
テーマ2:歴史資料の継承と活用に関する研究
概要
紙媒体で残る歴史資料を次世代に継承し、活用するために必要な基盤づくりを目的としています。新たに発掘された資料を収集し、目録化、解題、分類、活用につなげる流れの中で起こりうる課題を検討するとともに、資料の劣化を最小限にとどめる方法としてのデジタルアーカイブの構築と活用方法を模索しています。学際的な研究として、建築学だけでなく歴史学や博物館学、考古学、教育学の研究者らとともに資料の特性を考慮した記録の継承方法について取り組んでいます。