豊橋技術科学大学

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松田 達也(まつだ たつや)

所属 建築・都市システム学系
兼務 安全安心地域共創リサーチセンター
職名 准教授
専門分野 地盤工学/応用力学
学位 博士(工学)(名古屋工業大学)
所属学会 地盤工学会(JGS)/土木学会(JSCE)/米国土木学会(ASCE)/
E-mail matsuda.tatsuya.mp
※アドレスの末尾に「tut.jp」を補完してください
研究室web https://www.geomech-lab-tut.org/
研究者情報(researchmap) 研究者情報

研究紹介

研究室(GeoMechanics Laboratory)では,土構造物や構造物基礎の安定性と地盤環境について研究しています。道路や橋,港湾,河川堤防などの公共施設や防災施設が,地震時の衝撃力や津波力作用時,荒天時の豪雨や波浪の下でも安定性を維持して十分な機能を発揮できることは,市民生活の安全性と持続性を向上させるために重要です。また,大気や海洋と同様に,地盤の環境も重要です。地下水や熱の流動の現象の解析や,建設工事の影響評価も研究しています。

取り組んでいる課題
・大津波から人命と国土を守るために:津波-地盤-海岸構造物の相互作用
・海洋・海底環境の保全のために:海底窪地への土砂投入施工
・集中豪雨から都市を守るために:河川堤防の強化
・斜面災害から山岳地域を守るために;豪雨と斜面災害
・液状化を制する:地盤動力学

テーマ1:津波力を受ける海岸構造物の安定性その対策に関する研究

概要
SPH法による津波ー地盤ー構造物連成解析

東日本大震災では,近代観測史上最大となるマグニチュード(Mw)9.0の地震が発生しました.地震動および津波により甚大な被害が発生し,我が国の経済や産業に与える影響が極めて大きいことを認識するに至りました.今後発生が予想される東海・東南海・南海地震では,太平洋ベルト地帯の重要港湾が多数あり,被害を最小限に抑える対策は急務となります.そこで,本研究では,湾内への津波侵入を抑制するための防波堤を対象とし,何度も迫りくる津波や引き波に対して堅固でかつ粘り強く構造を維持するために,構造体の被災メカニズムを解明して,抜本的な対策および設計法について確立することを目指します.本研究は,(株)東洋建設鳴尾研究所との共同研究を通じて,遠心模型実験およびSPH法による数値解析から,津波による浸透問題や支持力破壊等の地盤工学の視点から捉えた構造物の安定性検討を行い,対策法の提案を行っております.

キーワード

海岸構造物,海底地盤,津波,遠心模型実験,SPH法,耐津波化対策

テーマ2:掃流力と透水力を考慮した地盤洗掘プロセスの解明に関する研究

概要
越流による地盤洗掘に関する移動床実験の様子

津波流による地盤の洗掘現象は,大規模な地形変化や構造物の支持力低下をもたらし,甚大な被害が発生させます.例えば,東日本大震災では,海岸構造物周辺の地盤が洗掘されたことで構造物が弱体化し,耐波機能を喪失することにより被害が発生・拡大したケースが考えられています.これまで,洗掘の評価は地盤表層流により生じるせん断力と地盤最表層の土粒子の有効重量との釣り合い条件に着目したミクロな視点による掃流力を用いた評価が一般的です.しかし,構造物周辺の洗掘現象や越流に伴う洗掘現象については,発生する洗掘の規模などを踏まえると,単純に掃流力という観点のみでは現象を説明することができないと考えます.そこで,本研究では従来から考慮されてきた掃流力に加え,新たに地盤内の応力変化に着目し,移動床水路実験および数値解析による洗掘メカニズムの解明を試みています.これまでに,移動床水路実験により,砂質土では越流水の主流のせん断力による洗掘に加え,乱流や渦に伴う乱れにより地盤内に発生した過剰間隙水圧が土粒子を浮遊させることで洗掘を進行させることを明らかにしました.

キーワード

洗掘,掃流力,透水力,液状化,移動床水路実験,DEM-CFD

テーマ3:海底窪地への鉛直管土砂投入時の流動と堆積および周辺環境への影響に関する研究

概要
遠心模型実験による鉛直管を用いた土砂投入時の様子

我が国における主要港湾では高度経済成長期以来,埋立用材やコンクリート骨材の土砂採取が行われ,深堀跡地が多数存在しています.深堀跡地では海水交換の悪化と有機物の分解などにより,貧酸素水塊及び青潮が発生し,水質環境等の悪化が懸念されています.また,生物の生息・生育環境に対しても影響が懸念されることから,窪地を埋め戻す必要性が検討されています.一方,海底の埋め戻し工は様々であるが,代表的な工法として鉛直管を用いた土砂投入があります.この工法に関しては,管内流動に伴う施工性について多く検討されているが,その後の堆積および濁りの影響評価に関しては未だ十分な検討が行われていません.そこで,本研究では土砂を投入した際の管内流動および堆積形状に関する施工性と濁りの拡散や土砂投入による窪地内およびその周辺に与える影響について一連の検討を行うことを目的とし,遠心模型実験および粒子法を用いた数値解析を行っています.

キーワード

海底窪地,土砂投入,トレミー管施工,貧酸素水塊,遠心模型実験,SPH法

担当授業科目名(科目コード)

学部(座学):基礎地盤力学,地盤力学

学部(実験・演習):構造実験,測量学Ⅱ演習,土木数理演習Ⅰ,都市空間デザイン演習

博士前期課程:Geohazards, Geotechnical Analysis

博士後期課程:地盤・防災特論,Advanced Geologic Hazard Mitigation Planning


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