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事例集
1.大学の概要
2.本取組の内容
3.本取組への組織的対応
4.取組の実績
4.取組の実績
(1)成績の評価システム
実務訓練は既に述べたように必修科目であり,全学生が受講している。実務訓練の成績評価については,事前・期間中・終了後の段階を通して行っている。事前評価は,指導教官と受入機関の指導責任者との実務訓練テーマの打合せ及び派遣学生の選定を通して行い,期間中には,学生からの開始通知・中間報告,教員による視察,終了後は,受入機関指導責任者による評定書及び学生の最終報告書の提出とともに,実務訓練報告会を実施している。実務訓練報告会では,訓練内容の報告に加えて,大学における卒業研究と比較して,企業等における実務への取組み方の違いなどについて学んだことも報告内容の重要なポイントとしている。事前の指導,二回の報告書,評定書,実務訓練報告会での発表の結果を総合して,各課程において全教官が参加する判定会議により成績評価を行っている。なお実務訓練後の大学院生には,研究目的の把握能力や自主性、社会性に成長が見られることは実務訓練実施委員会において確認している。
(2)実務訓練制度の評価
学生に対する実務訓練アンケートを実施し,訓練内容(テーマと内容の相違・レベル),学生の取組み(態度・達成状況),受入体制(取組みのスムーズさ・宿舎・交通費など)等について質問を行っている。例年の回収率は,83〜94%と高いレベルを維持している。
 アンケート結果から,例年90%の学生がスムーズに仕事に取り組めたと回答している。計画したテーマと実際の内容とは,60%以上は一致しており,相違があったと回答した割合は10%程度であった(図5)。
また,実務訓練内容のレベルについては,「普通」または「高いレベルであっても習熟できた」との回答が90%であり, 事前の準備及び受入態勢は概ね適切であると考えている(図6)。
学生の達成状況に関する自己評価では,図7に示すように「非常に満足」・「満足」と回答した者は60〜70%である。一方,否定的な評価は概ね10%前後である。自由記述欄には,「満足」と回答した者の中にも,仕事の成果に対する反省とともに基礎的な知識の重要性を記した例が多く見られる。さらに,大学院進学時の勉学,研究に生かしたい旨の抱負,規律やルールに対する認識,挨拶やコミュニケーションの必要性についてもかなり触れられている。また,学内広報誌等に寄稿してもらった実務訓練の体験記や研究室における大学院在籍の先輩からの助言も次年度以降実務訓練を受ける学生の参考になっている。
この他,建設工学専攻が行った卒業生に対する本学の教育に対するアンケートでは,非常に幅広い年次の卒業生からの回答を得ており,実務訓練について,将来の進路を考える上での役割として,また実務で要求される技術について学ぶ機会として肯定的に評価する意見が多く,本学の教育プログラムの特長と評価されている。一方,基礎的知識の大切さを改めて指摘する意見もあり,この点は卒業研究を終了した後,実務訓練の経験を経て大学院で学ぶことの重要性を指摘しているものといえる。また,本学における外部評価(平成13年4月)において,本学の教育目標及び特色は社会の多様な要請を反映したものとなっているとの評価頂いた上で,特に実務訓練に関しては教育関係の中で最も高い評価(5段階評価の4.7)を得ている。さらに,博士学位取得者に対するアンケート(平成14年5月)においても,本学の教育システムは高く評価されている。
(3)企業との連携と社会的役割
本学では実務訓練を就職のための予備活動と規定していないが,平成10年までは受入企業(民間企業に限定)の約1/3に当該年度の学部・修士の学生が就職している。このことは,実務訓練が大学と学生を企業に認知してもらう良い機会であることを示している。そして,不況にもかかわらず大学全体として,求人率・就職率とも高い水準を維持していることからも本取組に対する社会的評価は高いといえる。なお,受入機関の意見は,事前のテーマ設定・派遣学生の選定及び教官の視察時や,評定書に記載された意見・要望などから得ている。その中で実務訓練学生を直接指導する社員にとって,指導者としての資質向上に有意義であるとの指摘もある。また,実務訓練は企業などとの共同研究の契機になっていることも重要な点として指摘できる。さらに実務訓練シンポジウムを全学的取組として開催し,受入機関側の実務訓練に対する考え方,取組み方,実施上の要望などについて意見交換を行っている。初期には毎年実施していたが,その後は適宜実施している。全国的なインターンシップ制度の導入開始時期に当たる平成9年度には,,他大学の参加も得て規模を拡大して実施した。その後,東海地区におけるインターンシップ導入・推進のためのシンポジウムや組織運営に,本学は指導的な役割を果たしてきている。
以上述べたごとく,本取組は実務訓練の機能をらせん型教育に一体化させることにより未来社会の変化に柔軟かつロバストに対応できる教育システムであり,広く他の教育機関の参考となるものである。
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