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平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン教育プログラム 『開発リーダー特論』第9講義を開催しました。

イベント報告 | 2012年10月15日


  講演する鈴木氏
 
 質疑応答の様子
 
  講演の様子
 

10月11日にA2-201講義室にて、平成24年度テーラーメイド・バトンゾーン講義『開発リーダー特論』第9講義を開催しました。

今回の講義では、国立大学法人筑波大学大学院・生命環境系教授の鈴木石根氏を講師にお迎えし、「微細藻類を用いたバイオ燃料の生産技術」と題して、微細藻類からのオイル生産技術の研究の現状と今後に向けた問題点、その解決に向けた取り組みについてお話いただきました。

実験室規模でのデータによれば、食糧と競合しない利点を持つ微細藻類は、トウモロコシやパームヤシなどの陸生油脂植物の数十~数百倍のオイル生産能力を持っていることが確認されています。オイル生産の基本的な生化学プロセスもほぼ明らかとなり、2011年から、筑波大学では屋外での100トンスケールの微細藻類大量培養プラントによるオイル生産実証実験が進んでいるとのことです。 


藻類バイオ燃料生産システム全体を考えるとき、CO2吸収と光合成を基本とするボトリオコッカス類によるオイル生産システムと、その絞り粕などの有機物を分解してオイルを生産する従属栄養型藻類のオーランチオキトリウム類とを組み合わせたコンプリメンタル・ハイブリッド生産システムが有効です。 仙台市、東北大学、筑波大学の3者が共同して立ち上げた生活排水を吸収してオイルを生産するオーランチオキトリウム実証施設では、2012年から5か年計画で屋外プラントの最適化研究を進めていくとのことです。 また、つくば国際戦略総合特区に国内初の開放系大規模生産実証施設が建設され、2015年に年間14トン、2020年には年間14,000トンのオイル生産を目標に実証研究が進められるとのことです。


気象条件も含めた立地の制約、藻類の品種改良、大規模プラントのトータルエネルギー収支の精査など、大規模実用化までには課題は多いようですが、国内にて液体燃料を生産できる夢のある技術の最先端の研究とその魅力をたっぷりと聞くことができ、学生はもちろん、教員にとってもエネルギーに関する革新的選択肢を学ぶ良い機会となりました。   

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