国立大学法人 豊橋技術科学大学 未来ビークルリサーチセンター
未来ビークルリサーチセンター連携融合プロジェクト
本学における学術研究の発展に資するため,自動車など先端輸送機器およびその製造業に係る未来志向の先端技術の研究と開発を目指すプロジェクトに対して,未来ビークルリサーチセンターの予算による研究助成措置を講じ,その研究の一層の進展を図ることを目的とします。なお,豊橋市および田原市を念頭に置いた地方自治体との連携,ないしは未来ビークルリサーチセンターに設置された5つのリサーチコアの研究領域を横断するような学際的研究を期待します。
※プロジェクト責任者となれるのは,学内教職員のみです。
2007年度は,8件のプロジェクトが採択されました。
成果報告会のポスター公開を始めました(2008/11/29)。
[2007年度採択プロジェクトについて]
安井利明(生産コア・環境コア:代表者),椿正巳(生産コア),福本昌宏(生産コア・環境コア),戸田裕之(生産コア),竹中俊英(2系),太田昭男(3系),稲田亮史(3系)
アルミと鉄のハイブリッド車体は、自動車に適用することにより、低燃費化によってCO2排出量を低減し、地球温暖化防止に寄与する。その実現には、アルミと鉄の接合が必要であり、その接合法として摩擦攪拌作用による非溶融の固相接合が最も有望である。本プロジェクトではこの接合技術を実用化するために,1)接合技術の確立,2)接合体の分離技術の確立,3)接合体の耐食性評価,4)接合体の信頼性評価技術の開発,以上の4テーマに分かれて研究を実施する。
田中三郎(環境コア:代表者),廿日出好(エコロジー工学系),竹中俊英(環境コア)
本プロジェクトでは最先端の高感度磁気センシング技術を用いて、環境負荷低減を目指して軽量化のために自動車に導入されつつあるアルミ-鉄平板異種金属接合(FSW)の界面の評価や、燃料電池自動車に使用される水素燃料貯蔵タンクの劣化診断技術の開発を行う。これらの技術開発にはSQUID磁気センサを用い、これまで培ってきた非破壊検査技術の蓄積を大いに活用していく。我々の提案する技術は未来ビークル軽量化自動車に安全・安心を付加する基幹技術である。
滝川浩史(環境コア:代表者),桶真一郎(3系)
次世代の電気ビークルに搭載を目指すエネルギーサプライである直接メタノール型燃料電池およびスーパーキャパシタの試作,次世代の電気ビークルを中心とした交通システムを支える電気ビークル向けエネルギーステーションのシステム構築,およびエネルギーステーション内部の電池挙動の解析を実施する。また,低燃費を実現するスーパートライボコートおよび車体部品の接着強度を改善するプラズマドライクリーナを開発する。
藤原孝男(経営コア:代表者)渋澤博幸(経営コア),近藤邦治(中部経済連合会ベンチャービジネス支援センター),山口誠(9系),宮田譲(9系)
問題意識は、中部地域の自動車への一極集中による産業の脆弱性にある。研究目標は、脆弱性を回避しうるMOT手法の開発で、特に、技術系ベンチャーの存続、大企業との提携の各戦略・手法を考案することである。昨年度の主要成果は、バイオベンチャーによるデスバレー克服へのROA応用、ゲーム理論との統合化である。今年度の目標は、ROAの拡張、オプションゲームの深化、及び開発初期の成長オプションのモデル化である。
章 忠(安全コア:代表者),三宅哲夫(生産システム工学系),中川聖一(情報コア),廣畠康裕(安全コア),新田恒雄(7系),安田好文(体育、保健センター),今村 孝(2系)
本プロジェクトは,カーナビを中心とした音声・画像・生体情報を統合する適応運転支援システムを提案し,ドライバ状態計測や推定・支援システムの開発,車内音環境制御や音声入力システム開発,そして交通環境の解析・シミュレーションと安全評価を含む5つのサブシステム開発を行っている.本年度は,特に,ドライバの注視行動計測と覚醒手段の検討,交通流シミュレーションモデルの構築,交通安全対策の評価方法の確立を目指す。
金 煕濬(環境コア:代表者),小口達夫(8系),南 亘(8系)
現代の自動車にはエアコンの冷媒として代替フロン(HFC-134a)が用いられており、それは地球温暖化係数が高く、廃棄するには高度な処理が必須である。本プロジェクトは次世代自動車の廃棄対策として、代替フロンの高度処理方法の開発を目的とする。具体的には当研究で開発した特定フロンの処理方法を元に、自動車から排出される代替フロンの高効率処理方法の開発とフロンに含まれる有価物であるフッ素を再利用化する方法を開発する。
福本昌宏(生産コア:代表者),山田基宏(2系),安部洋平(研究基盤センター)
自動車用エンジンの特性拡大は,多くの場合,周辺部材に対する負荷の増大に繋がることから,効率的に冷却する高性能ヒートシンク材の開発が求められている。本研究では,機械的混合法(MA)法や造粒法を用いAlN分散Cu複合粉末を作製し,加熱の影響を抑制可能なコールドスプレー法による成膜,粒子変形挙動調査による条件の最適化,作成皮膜の熱的特性評価を通じ,最終的に実用的な高熱伝導・低熱膨張皮膜作製技術の確立を目指す。
上原秀幸(情報コア:代表者),大平 孝(4系),宮脇治雄(4系)
本研究は,可変指向性アンテナであるエスパアンテナと本研究室で開発した車々間通信用の方向指定ルーティングを融合した新しい車々間および路車間の通信ネットワークを構築し,快適で安全な交通システムの実現を目指すものである。転送方向の適切な推定とビーム形成により、より正確な方向指定と空間多重が可能となる。また,路側機との協調制御や地理情報の活用により,警報などを必要なエリアにのみ通知するといった予防安全への効用が期待できる。
[2006年度連携融合プロジェクト](終了)
[2005年度連携融合プロジェクト](終了)