国立大学法人 豊橋技術科学大学 未来ビークルリサーチセンター
未来ビークルリサーチセンター連携融合プロジェクト
本学における学術研究の発展に資するため,自動車など先端輸送機器およびその製造業に係る未来志向の先端技術の研究と開発を目指すプロジェクトに対して,未来ビークルリサーチセンターの予算による研究助成措置を講じ,その研究の一層の進展を図ることを目的とします。なお,豊橋市および田原市を念頭に置いた地方自治体との連携,ないしは未来ビークルリサーチセンターに設置された5つのリサーチコアの研究領域を横断するような学際的研究を期待します。
※プロジェクト責任者となれるのは,学内教職員のみです。
2005年度は,6件のプロジェクトが採択されました。
[2005年度採択プロジェクトについて]
安井利明(生産コア・環境コア:代表者),椿正巳(生産コア),福本昌宏(生産コア・環境コア),戸田裕之(生産コア),川上正博(環境コア)
自動車の軽量化とリサイクル性を考慮した環境にやさしいハイブリッド車体の作製のために,摩擦攪拌接合によるアルミ材と鋼材の接合プロセスの開発を目指す。本法は,非溶融の固相接合であるため,低コストで接合を行えると共に,熱処理によって接合体が分離できることから,リサイクル性のよい接合体の作製が可能である。作製された接合体について各種評価を行うと共に,接合体の分離法,接合体のリサイクル性について研究を行う。
田中三郎(環境コア:代表者),廿日出好(エコロジー工学系),西宮伸幸(環境コア),竹中俊英(環境コア)
本プロジェクトでは,最先端の高感度磁気センシング技術を用いて,燃料電池自動車に必須の水素燃料貯蔵タンクの劣化モニタリング技術の開発を行う。また,環境負荷低減実現のため自動車に導入されるアルミ・鉄溶接部材などの評価や,軽量化に必要な複合構造部材の微小欠陥検出技術を開発を行う。我々の提案する技術は未来ビークルである水素燃料自動車に安全・安心を付加する根幹技術である。
金 熙(環境コア:代表者),野田進(環境コア),横山誠二(環境コア),水島生智(環境コア),小口達夫(環境コア),南 亘(環境コア)
自動車解体に伴う環境負荷低減のため,解体方法の改善及びリサイクルの促進,自動車から発生する難処理廃棄物であるフロン類の高効率処理を行う。具体的には,自動車解体用工具の開発,ワイヤーハーネスからの銅の回収,自動車用フロンガスの高効率処理と廃棄物の再利用化方法の開発を行なう。プロジェクトから得られた結果から,豊橋市又は田原市に自動車用廃フロンの分解拠点設置を行うことを目指す。また,自動車の高効率解体再資源化の情報発信を行う。
藤原孝男(経営コア:代表者)渋澤博幸(経営コア),近藤邦治(中部経済連合会ベンチャービジネス支援センター),王建国(中京大学),山口誠(9系),宮田譲(9系)
地元経済の自動車産業への特化による脆弱性の緩和を目的に,開発プロセスでのリスクヘッジ,戦略提携でのゲーム論的意思決定・IP経済的評価手法などについてリアルオプションの観点から研究する。
山田聖志(安全コア:代表者),関東康祐(安全コア),穂積直裕(安全コア)
高度成長期に集中整備された道路橋などの交通関連インフラは更新時期にきている一方で,可能な限りの延命化することが要望されている。管理者である地方自治体は,その対応が緊急課題となっている。本プロジェクトでは豊橋市や田原市を対象として,道路橋のデータベースの整備,道路橋のアセット保全状態の類型化,光ファイバセンサによる実道路橋での状態モニタリング,道路橋に即した維持管理モデルの構築などを行う。
章 忠(安全コア:代表者),三宅哲夫(生産システム工学系),中川聖一(情報コア),新田恒雄(情報コア),北崎充晃(情報コア),安田好文(体育,保健センター)
交通事故の多くは認知と判断のミスによるものである。また,そのようなミスは年齢によっても異なり,高齢者ほどミスを犯す可能性が高い。一方,自動車は移動の道具として設計,生産されるため,すべての年齢層に最適に対応することはほとんど不可能である。よって,個々のドライバの個性に合うような人間に優しい自動車の実現が求められる。そこで本研究では,自動車を運転するドライバ自身の安全運転に対する適正を客観的に評価してデータベース化することで,状況に応じた危険回避プロセスを自動的に作動する安全運転支援システムの開発を行う。
[2005年度募集要項](募集は5/2にて終了しました。)