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ノーベル化学賞を受賞された鈴木章 氏(北海道大学名誉教授)を講師に迎え、豊橋技術科学大学プレステージレクチャーズを開催します。

2016年6月30日


プレステージレクチャーズ

ノーベル化学賞を受賞された鈴木章 氏(北海道大学名誉教授)を講師に迎え、豊橋技術科学大学プレステージレクチャーズを開催します。

本講演会は博士課程教育リーディングプログラムのバトンゾーン特論の一環として開催するもので、学生自らが企画したものです。本企画は、リーディングプログラム履修生の環境・生命工学専攻 北原一利さんらによるものです。

詳細はこちらをご覧ください。

聴講自由となっておりますので、関心のある方はぜひお越しください。

日時: 平成28年6月30日(木)15:00~16:10

場所: 本学講義棟 A-101(メイン会場)、A2-101(サテライト会場)

テーマ: 有機ホウ素化合物を用いるクロス・カップリング反応: C-C結合の容易な合成法

講師: 鈴木章 氏(北海道大学名誉教授)

講演概要:
私は1963~1965年まで2年間、米国Purdue大学のHerbert C. Brown先生(1979年ノーベル化学賞受賞者)の研究室に留学し、同先生が発見されたHydroboration (ヒドロホウ素化)反応の研究に従事した。当時Brown研には多くの研究者が世界中から参加して同反応の研究をしていたが、彼等の多くはHydroborationは面白い反応ではあるが、それによって合成される有機ホウ素化合物は反応性が低く、有機合成の有用な中間体とはならないであろうと考えていた。 
しかし有機ホウ素化合物の安定性は短所であるばかりでなく、長所と考えることも出来る。
例えば、多くの有機金属化合物は活性ではあるが、水に対する反応性が強く、そのため使用する溶媒中に水が存在すると、直ちに分解してしまうため水の完全な除去が必要であるが、有機ホウ素化合物は水に対して安定であり、反応しないので水の存在に留意する必要は全くない。この点は長所と考えることもできる。
1965年帰国後、有機ホウ素化合物を用いる有機合成に関する研究に従事し、有機ホウ素化合物が有用な合成中間体であることを明らかにした。これらの研究成果の一つが有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化物をPd触媒と塩基の存在下で反応させるクロス・カップリングである。この反応はたいへん有用であり、多くの医薬や農薬の製造のためばかりでなく、液晶や発光ダイオード等の製造にも最近数多く用いられている。それらの成果が高く評価され、2010年のノーベル化学賞受賞の対象となった。 
本講演ではノーベル賞受賞にいたる経緯を説明する。

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