令和 8 年度からは、学部から博士後期課程までのキャリア教育の一環として、博士後期課程 1 年次必修科目「高度技 術科学者育成特論」が開講されるほか、「高専教員養成プログラム」が連携教育プログラムとして高度化され実施され る予定である。 この10年間で本学は「大学院に重点を置いた教育体系」を深化させ、個別最適化、産学連携、社会課題貢献、国際 性強化を柱とする教育改革を着実に推進してきた。博士前期・後期一貫教育や SDGs 対応、DX 導入などの取り組みは、 大学院教育の質保証と社会実装力強化に大きく貢献している。 3.3.1.4 グローバル教育 本学のグローバル教育は、平成26年に文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」においてグローバル牽 引型(タイプ B)として採択されたことを契機に、全学的な国際化およびグローバル教育戦略として本格的に始動した。 翌平成27年には国際化戦略の一環として日本語および英語のバイリンガルで授業を行うための計画が策定され、専門 科目の一部が英語で開講することで、国内外の学生が共に学べる教育環境の設計が行われた。さらに平成28年から、 多文化共修を支える生活・学習空間として日本人と留学生が混住するシェアハウス型の「グローバル学生宿舎(Global House)」の整備が開始された。 教育プログラムの実践として、平成29年に「グローバル技術科学アーキテクト養成コース(GAC)」の3年次編入 が開始された。一般科目および専門科目の授業は日本語と英語を併用したバイリンガル形式を基本とし、専門科目や実 験、プロジェクト型学習を通じて国際コミュニケーション能力の育成が図られた。平成30年にはGACの1年次新規 受入も始まり、バイリンガル授業によって国内外の学生が同じカリキュラムで学ぶ教育体系が確立したほか、グローバ ルハウスでは単に日本人学生と留学生が居住するだけでなく、GACコースでの生活を通じて英語での討論や共同作業 を行う「生活・学習プログラム」が実施され、日常生活においてもグローバル教育が行われてきた。大学院博士前期課 程においてGACコースのまとめとなる授業である「グローバル・リーダーズ演習」が行われており、スーパーグロー バル事業が終了後も全学の学生を対象とした授業とすることとなっている。 令和元年になると、バイリンガル授業が GAC コアカリキュラムの中心として定着し、講義、演習、セミナー、グルー ププロジェクトの全てにおいて英語の使用が徹底されるとともに、教員側も国際化を意識した指導法を導入している。 令和 2 年は COVID-19 の影響によりオンライン授業への切り替えを余儀なくされたが、英語・日本語を併用した授 業配信および授業資料の配布が実施され、途切れることなくバイリンガル教育を継続した。その結果、令和 3 年には初 のGAC修了生を輩出し、バイリンガル授業の学修成果として英語での研究発表や国際共同プロジェクトへの参加が増 加した。また、グローバルハウスとの相乗効果により、学生の日常的な多言語コミュニケーション能力の向上も確認さ れた。 これらの成果を受け、令和 4 年には全学的なバイリンガル授業の拡大が検討され、専門科目の英語開講率を引き上げ ることで、国内学生と留学生が同じ環境で学べる授業モデルの整備が進められた。同年からは新たな取り組みとして、 海外協定校との緊密な教育連携を基盤とした「国際連携授業」の試行が開始された。これは同時双方向型のオンライン 授業を通じて、学生がキャンパスにいながら世界の第一線の海外の専門家の講義を受けられるものであり、まずは 3 か 国4機関5科目からスタートした。この国際連携授業は令和8年度も9科目の開講が決定しており、「渡航なき留学」 として実践的でグローバルな人材育成に大きく寄与している。 99 II 転換の10年
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