豊橋技術科学大学五十年史

3.3.1.3 大学院に重みを置いた教育体系 本学は、設立以来「大学院に重点を置いた教育体系」を掲げ、実践的かつ創造的で指導的な技術者・研究者の育成を 使命としている。本学は社会要請に応えるべく、学部・大学院一貫教育を深め、産学連携や国際化を推進する多角的な 教育改革を実行してきた。 平成27年には、文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」への採択が継続され、5年一貫教育として 世界基準の博士人材育成が推進された。翌平成28年には、同プログラムを大学院教育の核として整備し、国際化およ び産学連携教育の構築が図られるとともに、修了要件の明確化を通じて優秀な大学院生の確保・育成に寄与した。 平成30年からは大学院教育においてSDGs(持続可能な開発目標)との関連推進が進み、研究テーマの関連性調査 を通じて社会課題解決重視の方針が全学的に提示された。令和元年には将来ビジョンの策定が進み、教育プログラムの 個別最適化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した教育の構築が伴の戦略として位置付けられた。同年、 EU の 3 大学と共同で国際修士課程「IMLEX(光イメージング情報学)」を開始し、先端クロスリアリティ技術を担う 専門人材の育成をスタートさせた。令和 2 年には、リーディングプログラムが大学の独自予算による継続実施へと移行 し、外部資金依存から脱却した自律的運営による長期的な体制安定化が図られた。 令和 7 年度現在、博士前期課程において、シュトゥットガルト大学(ドイツ)、東フィンランド大学(フィンランド) バンドン工科大学(インドネシア)とダブルディグリー・プログラムを実施しており、本学の学生だけでなく、相手国 から多くの学生が本学で学修している。 令和3年には、全学的にDXやCPS(サイバーフィジカルシステム)教育の導入が進み、先端技術教育と連携した 講義体系が整備された。同年「、ASEAN・アフリカを架橋する建築・都市システム学教育のグローバル循環プログラム」 が採択され、国費外国人留学生の受け入れ体制が強化されたほか、「TUT-DC フェローシップ事業」を通じて博士後期 課程学生への経済・研究費支援やキャリア教育が強化された。令和 4 年、全学的な SDGs 推進方針の策定に伴い、大学 院生の研究活動を社会課題と結び付ける教育環境が整備された。また、海外協定校との「国際連携授業」の試行が開始 されるとともに、企業等へのアンケート調査では能力修得について極めて高い評価を得た。令和 4 年の将来ビジョンで は、「多様な学修者に応じた個別化教育」や「社会実装能力強化教育」が重点項目に掲げられ、実践・課題解決能力育 成の強化が示された。 令和6年、修了予定者や企業アンケートに基づく教育活動の改善サイクルが体系化され、評価と改善のPDCAが制 度的に回る体制が整いつつある。また、欧州5大学と連携し次世代半導体開発リーダーを育成する「GISプログラム」 が新たに採択されたほか、「実践的イノベーティブ博士人材育成プログラム(TUT-DC)」が SPRING 事業に採択され 支援が拡充された。 大学・高専機能強化支援事業「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援」(令和 6 ~ 15 年度)に事業計 画名「実践的高度情報・半導体専門人材の育成を目的とした豊橋技術科学大学大学院博士前期課程の定員増による大学 機能強化」として申請し、採択された。本学の強みでもある AI、センサ、ロボット、半導体分野の教育研究を分野融合、 複合領域の課題に対応できるよう、大学院博士前期課程 電気・電子情報工学専攻および情報・知能工学専攻の募集定 員を合計27名増員し、学部において工学の基礎を学び素養を身に付けた学生に対し、数理データサイエンス、半導体 センサ関連技術を農業、エネルギー、化学、健康、環境などの社会要請に応じた課題を解決する実践的高度情報・半導 体専門人材を、実務家教員の採用や産業界との連携による産学共創教育により輩出する体制を強化している。 98 豊橋技術科学大学五十年史

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