3.3 教育と入試 3.3.1 教育の概要 3.3.1.1 高度技術科学者の育成 本学は、技術科学の教育・研究を使命とし、高等専門学校卒業生を主な受入対象としながら高等学校卒業生(普通科、 工業科、総合学科)も 1 年次に受け入れ、学部から大学院まで一貫した教育体系を通じて、実践的かつ創造的な高度技 術者や先導的人材を育成することを基本理念としている。その中核となるのが、低学年や高専で学んだ基礎・専門分野 を 3 年次以降でさらに高度に繰り返して積み上げていく「らせん型教育」である。加えて、学部 4 年次(大学院進学前) には必修科目として 7 週間の「実務訓練」が課され、企業や研究機関での実習を通じて、指導的技術者に不可欠なアプ ローチ手法、実践的技術感覚、そして人間性を養う産学連携した共創教育が定着している。大学院教育に重点を置くこ の教育体系を基盤とし、過去10年間において、本学は新たな社会要請に応えるべく多面的な教育改革と人材育成を展 開してきた。 直近10年の前半においては、グローバル化への対応と大学院教育のさらなる重点化が推進された。文部科学省の「スー パーグローバル大学創成支援事業」への採択を契機に、国際的に通用する高度技術者の養成に向けた施策が本格化した。 英語による授業の導入やマレーシアのペナン校といった海外教育拠点の活用、国際共同教育・研究プログラムを通じ、 多文化適応力と国際性を備えた技術者の育成が進められた。同時期には博士課程教育リーディングプログラム等も展開 され、その代表例である「ブレイン情報アーキテクト育成プログラム」では、博士前期・後期課程を一貫した 5 年間プ ログラムを通じて、学際融合型の高度な専門性と創造性を持つ研究者・技術者の育成が図られた。 社会の急速な変化に対応するための全学的な教育改革とカリキュラムの充実も進められた。ICT や AI、SDGs といっ た新たな社会課題に対応する教育カリキュラムが構築・導入され、学生の創造力や問題解決力を伸ばすプログラムが強 化された。さらに、専門知識の習得にとどまらず、学生の自主的な挑戦を促す課題解決型の授業や共同プロジェクト型 学習が充実し、実践力と社会実装力を総合的に育成する取り組みが拡大した。 近年においては、実社会との接点強化を目的とした産学連携の深化と、社会人教育の拡充が急速に進展している。産 業界と協働した実務訓練やインターンシップ型教育に加え、地域企業との共同研究機会を学生に提供することで、より 即戦力となる技術者の育成が図られている。文部科学省の「半導体人材育成拠点形成事業」への参加など、地域や産業 のニーズに直結した実践的教育プログラムも拡大している。また、企業技術者や社会人を対象にデータサイエンスや加 工技術などの高度技術講座・研修を開講し、社会人の技術力向上とキャリア形成を支援する体制、すなわち生涯学習支 援機能も整備し、多くの受講生を得ている。 さらに大学・高専機能強化支援事業「高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援」(令和 6 ~ 15 年度)に 採択され、本学の強みでもあるAI、センサ、ロボット、半導体分野の教育研究を分野融合、複合領域の課題に対応で きるよう、大学院博士前期課程 電気・電子情報工学専攻および情報・知能工学専攻の募集定員を合計27名増員し、学 部において工学の基礎を学び素養を身に付けた学生に対し、社会要請に応じた課題を解決する実践的高度情報・半導体 専門人材を輩出している。 本学の高度技術者育成は、教育カリキュラムの高度化および国際化から始まり、大学院教育の重点化、産学連携の深 96 豊橋技術科学大学五十年史
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