3.2.8 事務改革プロジェクト 1.改革の精神 - 法人化から50周年へ 豊橋技術科学大学(以下、本学)の事務改革は、単なる業務の効率化にとどまらない。それは、教育研究の高度化を 支えるための「基盤の再構築」であり、時代の変化に即応できる「組織文化の醸成」そのものである。本学は、2006 年 3 月に「豊橋技術科学大学事務改革大綱」を制定した。以後、国立大学法人の中期目標・中期計画期間と連動させる 形で、第 2 次(2010 ~ 2015 年度)、40 周年を迎えた 2016 年度以降は、第 3 次(2016 ~ 2021 年度)、そして現在進行 中の第 4 次(2022 年度~)と、歩みを止めることなく改革の礎を築いてきた。改革が本格化した最大の契機は、2004 年 4 月の国立大学法人化である。法人化は、教育研究の国際化や産学連携の加速、社会的説明責任(アカウンタビリティ) の増大など、事務局に求められる業務量と質の劇的な変化をもたらした。これを受け、本学は 2005 年度末に当時の西 永学長を本部長、法月事務局長を副本部長とする「事務改革推進本部」を設置し、全学的かつ戦略的な改革へと舵を切っ た。 2.第3次事務改革の始動 -「個」と「組織」の基盤強化(2016~2019年度) 2016 年度、本学は第 3 期中期目標期間の開始とともに、大西隆学長、鈴木理事・事務局長のもと「第 3 次事務改革」 を始動させた。策定した「事務改革大綱(第 3 次)」では、「効率化・合理化・適正化」「大学職員の資質向上」「事務組 織の見直し」「専門的職員の配置」の4つの観点を掲げた。これは、単なる業務削減にとどまらず、大学の機能強化を 支えるための「アウトリーチ型」の事務改革を目指した。 ○ PDCA サイクルの徹底 第 3 次改革の特筆すべき点は、毎年度策定する「事務改革アクションプラン」による徹底した進捗管理であり、実行 計画に対し、事務改革推進本部の教員と事務局長による検証を行った。 計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のサイクルを組織に定着させることで、改革を一連の標 準的な業務プロセスとして確立させた。 ○人材育成と雇用制度の抜本的改革 この時期、特筆すべき成果として挙げられるのが人事制度の改革である。組織を支えるのは「人」であるという信念 のもと、人事制度の改革が断行された。職員が自らの将来像を描けるよう、職務内容や給与、キャリアステップを明示 した「事務職員キャリアパス」を策定した。 また、優秀な人材の定着を図るため、勤続 3 年以上の非常勤職員を対象とした「本学独自の無期雇用転換制度」を新 設。2017 年度には 21 名の職員が無期雇用へと転換され、雇用の安定化を図った。さらに、マレーシア海外拠点での研 修やオンライン英会話を含む「グローバル SD(Staff Development)」を導入し、国際化に対応できる職員の育成にも 注力した。 92 豊橋技術科学大学五十年史
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