同方針を踏まえ、文部科学省が第 5 期中期目標期間(令和 10(2028)- 令和 15(2033)年度)に向けた組織業務や運 営費交付金等の見直しの具体化をはじめ、国立大学法人等の改革を進めていくにあたっての基本方針として「国立大学 法人等改革基本方針」を策定した。 国立大学が激動の時代において「社会変革のエンジン」として機能し続けるための中長期的な行動指針であり、主な 概要は次の通りである。 (1)改革の「三本の柱」 ①経営体としての確立(ガバナンスと財務) ・自律的経営:国からの「実施機関」ではなく、自ら戦略を立てる「経営体」へ転換。 ・財源の多角化:運営費交付金だけに依存せず、外部資金(産学連携、寄附金)や資産運用による自己収入の拡大。 ・ガバナンス改革:学長のリーダーシップの下、迅速な意思決定を行う体制の構築。 ②教育研究の質の向上と機能強化 ・大学院教育の強化:博士人材の輩出を抜本的に増やす(現在の 3 倍目標)。 ・「世界トップ」「特定分野の強み」「地域貢献」の 3 つの重点支援枠組みに基づく機能分化。 ・成長分野への再編:デジタル、グリーン、半導体など、社会ニーズが高い分野への定員シフト。 ③人事・給与システムの抜本的改革 ・年俸制の全面導入:優秀な若手や海外研究者を獲得するため、柔軟で業績に連動した給与体系へ移行。 ・クロスアポイントメント:企業や海外大学と兼職しやすくし、知の循環を促進。 (2)少子化対応と「規模の最適化」 「知の総和」答申と連動し、18 歳人口の急減に対応するための具体的な以下の戦略が示されている。 ・大学間連携・統合:一法人複数大学制の活用により、経営資源を効率化すること。 ・事務組織の共通化:複数の大学で事務機能をシェアし、教育研究へのリソースを確保すること。 ・地域プラットフォームの主導:地域の国立・公立・私立大学間の役割分担を調整する中心的な役割を果たすこと。 (3)「成果重視」の評価と予算配分 基本方針では、以下に記すように、改革の進捗を客観的指標(KPI)で評価し、それを予算(運営費交付金)に反映 させる仕組みを強化している。 ・共通指標:外部資金獲得額、博士号取得者数、若手教員比率など。 ・重点支援の成果配分:設定したミッションの達成度に応じて、交付金を傾斜配分する(「成果を中心とする実績状況 に基づく配分」)。 文部科学省は「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直し等に関する WG」を設置し、上記「改革基本方針」に基 づく各国立大学法人等の考え方について令和 8(2026)年 2 月以降ヒアリング・意見交換を行い、これを踏まえて第 5 期の組織及び業務全般の見直し等に関する指針を取りまとめていく予定としている。 29 II 転換の10年
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