3.4.2 学生相談状況について 1.はじめに 本学の 50 年にわたる歴史の中で、学生を取り巻く社会情勢や価値観は大きく変容した。特に直近の 10 年間は、学生 の相談・支援ニーズの多様化・複雑化に加え、未曾有のパンデミックという大きな転換期を経験した期間であった。本 学ではこれに対し、多職種連携による体制強化を図り、学生が安心して学生生活を送ることができる環境整備に努めて きた。その過程で、学生相談の在り方も多面的に進化を遂げてきた。本稿では、現学生支援統括センター学生相談部門 における日本人学生対応を対象とした活動を中心に、この10年間の相談状況の推移を、データに基づく利用状況の変 化と支援の質の変容という観点から振り返る。なお、留学生相談やメンタルヘルス相談、キャリア相談などについては 他項に譲る。 2.学生相談件数の推移と背景 2.1 利用形態の変化とコロナ禍の影響 学生相談における過去10年間の日本人学生相談実人数(棒グラフ)および対応延べ件数(折れ線グラフ)を図1に 示す。その推移をみると、2つの顕著な傾向が読み取れる。第一に、コロナ禍以前の推移である。学生相談体制の拡充 と学内周知が進むにつれ、相談実人数は右肩上がりに増加した。特に2019年度には381名へと大幅に増加している。 これは、早期対応を目的として設置した「何でも相談窓口」が、学生にとっての心理的ハードルを下げ、気軽に足を運 べる場として機能していたことが大きな要因と考えられる。第二は、2020年度以降の大きな変容である。感染症拡大 に伴う大学活動基準の変更により、対面形式の窓口活動は縮小を余儀なくされた。その結果、前年度に 381 名に達して いた実人数は、2020 年度には 244 名へと急減し、その後 2023 年度にかけて 250 名前後で推移している。しかし特筆す べきは、コロナ禍で実人数が減少した一方で、対応延べ件数は増加傾向をたどり、2022 年度には過去最高の 4,501 件を 記録した点である。これは、対応可能な相談スタッフの充実もさることながら外出制限や対面機会の喪失により学生の 孤立や経験不足が深刻化したことで、一件あたりの相談内容が重層化・長期化したことを示唆している。早期介入が困 図 1:学生相談件数(日本人学生対象)の推移 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 ┦ㄯᐇேᩘ 219 231 255 258 381 244 250 250 245 280 ᑐᛂᘏ䜉௳ᩘ 3593 3659 2723 3520 3796 3933 4221 4501 3826 4081 2000 2500 3000 3500 4000 4500 5000 100 150 200 250 300 350 400 ┦ㄯᐇேᩘ ᑐᛂᘏ䜉௳ᩘ 258 豊橋技術科学大学五十年史
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