に明仁天皇が退位の意向を表明、令和元(2019)年 5 月 1 日に徳仁天皇が即位し、平成から令和へ改元され、即位の礼 が執り行われた。 パンデミックと日本 令和 2(2020)年は新型コロナウイルスの感染が世界規模で拡大し、日本政府も緊急事態宣言を発令した。人々の外 出が厳しく制限されるなど、社会・経済活動が甚大な影響を受け、医療体制の逼迫が深刻な状況に陥った。マスクや消 毒液が不足する中、コロナワクチンの開発・生産が急がれ、令和 3(2021)年には全国規模でワクチン接種が行われる ようになった。生活の中では密閉・密集・密接の「3密」を避けて、消毒の徹底、ソーシャルディスタンスや仕切り設 置などによる飛沫感染を防ぐことが徹底されながら、次第に移動や活動の制限が緩和されていった。このパンデミック は日本経済にも大きな打撃を与え、観光業や飲食業を中心に深刻な影響を受け、その支援策として政府は給付金や協力 金などの大規模な財政支援策を実施した。また、活動が厳しく制限された期間に、働き方・教育方法などの生活様式が 変容し、企業ではテレワーク・在宅勤務が、教育ではオンライン・遠隔教育が一気に社会に浸透した。ちょうどこの時 期の令和 2(2020)年に東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定であったが、コロナの感染拡大により延 期され、開催方式が模索された結果、翌年に競技の多くが無観客の環境下で行われる形で開催が実現した。 社会・政治・経済の動向 コロナの感染拡大が落ち着き、社会的な活動が戻りつつあった令和 4(2022)年に、安倍晋三元首相が選挙演説中に 銃撃されて死亡する事件が発生し、国内外に大きな衝撃を与えた。このころ、円安が急速に進行し、国際情勢の不安定 さやエネルギー価格の高騰なども相まって、物価高が進み、国民生活にも影響を及ぼした。平成 28(2016)年に運用 が始まったマイナンバーカードは「マイナポイント事業」の展開により普及が促進されたが、令和 5(2023)年ごろに は登録情報の紐づけミスなどのトラブルが社会問題化した。令和 6(2024)年には「マイナ保険証」としても本格的な 運用が始まるなどカードの機能性が高まっている。 令和 7(2025)年 4 月 13 日にはパビリオン建設の遅れなど準備の進捗が心配された大阪・関西万博が開幕し、184 日 間にわたって開催された。電子マネーやコード決済などの普及が進む中、会場内では原則現金が使えず全面的なキャッ シュレス決済が導入された。 経済分野では人口減少、少子・高齢化の問題を抱え、企業は労働力不足を補うために機械化・自動化で省人化を図る と同時に、外国人労働者の受け入れも拡大させていった。 今後の方向性 この10年は政治・経済・技術・安全保障など様々な分野において転換期となり、以前とは異なる新たな様相が生ま れはじめた。従来から課題となっている少子・高齢化問題や気候変化・自然災害などの対策に取り組む一方で、生成 AIの適切な活用、国際情勢の緊張の高まりなど新たな課題にも直面している。今後どのような方向性を選択していく のか、そしてどのように適応していくのかが問われている。 25 II 転換の10年
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