豊橋技術科学大学五十年史

りのことについては、担当教員による詳細な報告があるのでそちらも参照してほしい3。 3.3 第2外国語の縮小 明るい話題もあれば、暗い話題もある。大学における第2外国語教育は、単なるツールとしての言語教育ではなく、 言葉の本質、文化の本質、異言語・異文化間の共通点と差異、多様な価値観や視点などを学ぶ非常に重要な教育である。 しかし GAC 開始による新カリキュラムの余波を受けて、第 2 外国語教育が縮小された。具体的には、ドイツ語が 2017 年度末で廃止され、中国語とフランス語だけになってしまったのである。さらに、3年次編入生向けの初級授業「フラ ンス語(中国語)III・IV」が、3年生前・後期から、3年生後期・4年生前期という学年を跨いだ開講に変更された。 それにもかかわらず、多少減少したものの今に至るまで一定の受講生が存在することを、ここに明記しておきたい。幸 い 2027 年度以降はもとの開講時期に戻せる見込みである。 4 2018年度 本年度は、ある意味で総合教育院が自立した記念すべき年度である。誕生以来、総合教育院長は担当の理事副学長が 兼務していたが、本年度から、総合教育院所属教員の中から院長を選出することになったからである。 5 2019年度 本年度は、本稿の前半最後の年度であるが、ここから後半に向けて総合教育院は大きく動き出すことになる。 5.1 社会学担当教員の着任 後で詳しく述べるように、計画・経営分野の拡張が図られ、本年度に社会学担当教員が採用された(授業担当は 2020 年度から)。 5.2 リベラルアーツ教育改革検討チームの結成 生成 AI などの技術の急速な進歩、持続可能社会が求められている(Society5.0)中で、学生が求められる能力が変 化してきた。具体的には、学際的知見、広い視野、多様な価値観がより求められ、これまで以上に異分野融合(文理融 合)の必要性が増してきた。また、「人間中心」という視点が重視されるようにもなった。他方、Z世代といわれる学 生が入学しはじめ、学生の気質も変化してきた。 さらに、大型の外部資金獲得のために計画された教育内容に、リベラルアーツを大きく取り込んだ案が作成された。 残念ながら不採択だったが、その検討の中で、本学のリベラルアーツ教育の重要性と問題点が浮き彫りとなった。最大 の問題点は、個々の実践には優れたものが多くあるにもかかわらず、全体のカリキュラムは、旧帝大型のまま開学当初 から大きく変わっておらず、外部から見たときに、その魅力が伝わりにくくなっていたことであった(後述するように、 実際に授業を受けた卒業生へのアンケートでは継続して非常に高い評価を得ている)。つまり、総合教育院が誕生して 3 村松由起子・石毛順子「豊橋技術科学大学における日本語教育の変遷̶ 学部を中心に̶ 」(『雲雀野』47号 2025年3月)https:// repo.lib.tut.ac.jp/records/2000244 175 II 転換の10年

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