2.1 「自然科学特論」「数理と哲学」「比較文化論」の新設 総合教育院の誕生によって新たに加わった自然科学・基礎工学分野において、専門性に特化することなくあらゆる専 門分野を横断的に俯瞰できるような理科系リベラルアーツ科目の必要性が議論され、「自然科学特論」が新設された(博 士前期課程対象、学部生も先取り可)。この科目は当該分野の複数の教員が担当し、「自然界に見られる様々な現象、事 象を、それぞれの専門知識を生かしながら多面的に考察ができるような話題を取り扱い、多様な思考能力を養える構成」2 となっており、「理科に興味を持った幼い時期の記憶を、専門教育を受けた学生が再度、現時点で持ち得る知識と経験 を駆使して考えることのできる講義を提供して、豊かな発想ができる技術者の涵養」2 を目指したものである。 また、同様の趣旨のもと「数理と哲学」(対象同じ)も新設された。こちらは、人文科学分野(哲学)と自然科学・ 基礎工学分野(数学)の教員が合同で担当する授業である。 さらに「文化的な存在」としての人間理解を深めるための「比較文化論」(学部、博士前期課程対象)も新設された。 この科目は「人はなぜ文化を作るのか」、「宗教とは何か」など、人間の生活様式の総体としての多様な文化を学ぶこと により、本学で養成する優れた技術者が備えるべき人間とその文化に対する深い理解を涵養しようとするものである。 3 2017年度 本年度は、GACの3年生の受け入れが開始された年度である。特に英語と日本語で、それに対応した新カリキュラ ムによる教育が開始された。 3.1 英語新カリキュラム開始 新カリキュラムでは、英語の 4 技能を技能別に習得できる授業デザインがなされた。これにより、比較的不得意とし てきたスピーキング能力をはじめ、本学学生の英語力が大幅にアップするなど、大きな成果が得られた。 また、「GAC英語」の授業では、ニューヨーク市立大学クィーンズ校のオンライン英語カリキュラム(QC English) を導入し、豊橋にいながら現地の英語教育を受けられる環境を整えた。さらに、英語教員がGAC学生のメンターとなり、 GAC 学生は個別の英語学習支援が受けられるようになった。 3.2 日本語新カリキュラム開始 GAC日本語には、英語とは別の困難があった。まずGACは、1 年次入学生には日本語学習歴がまったくない学生と、 すでに日本語能力試験(JLPT)N1 相当の資格を有している学生が混在した。その中で、日本語学習歴がない学生も 博士前期課程修了までにN1 相当の資格取得が必要な設計となっていた。学生の研究活動との兼ね合いを考えると、実 質、学部4 年次前期までにN1 相当レベルの学習を終えるようにカリキュラムを設計する必要があった。このGACカ リキュラムは、従来本学で行われてきたアカデミックな視点からの日本語教育とは異なる教育内容であったため、本学 の日本語教育は、目的の異なる二つのコースが併存することとなった。 学習支援としては、入学前教育、日本語学習アドバイザー制度、メンター制度の 3 つの支援策を用意した。このあた 2 武藤浩行・岡田浩「自然科学特論~専門領域を超えた豊かな発想の涵養のために~」(「国立大学56工学系学部ホームページ」授 業紹介 https://www.mirai-kougaku.jp/lesson/pages/90.php) 174 豊橋技術科学大学五十年史
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