豊橋技術科学大学五十年史

おり、実施審査における指摘事項についても対応を行い、質の高い教育に改善するように心がけている。 ハラスメントに対する考え方が、ここ 10 年で大きく変わってきており、学生との距離感をどのようにすればよいか、 教員それぞれが悩んでいる。成長を促すには、過負荷をかけてそれを乗り越えさせるような指導も必要であると考えて いるが、一方、学生によってはそれをパワーハラスメントと受け取る場合もある。学生一人一人の考えを見極めて、そ れに沿った指導が必要ではあるが、教員の負担は増すばかりである。技術者・研究者として、社会に送り出す前の教育 をどのようにするか、今後も問われ続けると感じている。また、学生だけでなく、年々保護者への対応も求められるよ うになってきており、この面でも教員の負担が増えてきている。 3年次編入生に関しては、建築、土木とも受験者数は多く、あまり変化はなく、毎年優秀な学生が数多く入学してき ている。ただし、学力試験合格者の入学率が低い年が多く、総合大学や地元の大学のすべり止めになってきている面も ある。1年次の工業に関する学科等の学校推薦型選抜では、毎年一定数の受験者がおり、優秀な学生が入学してきている。 普通科・理数に関する学科等の学校推薦型選抜と一般選抜は、一括募集しており、1年後期から原則学生の希望通りに 各課程に配属になる。建築・都市システム学課程の定員は 10 名であるが、毎年 10 名以上が建築・都市システム学系の 学生になっており、今年度は22名と過去最多となった。昨今の社会情勢を受けて建築・土木を目指す学生が増えてい ることは喜ばしいことである。後で詳述するが、就職は超売り手市場であることから、学部卒業で就職する学生が一定 数おり、博士前期課程が定員割れする年もあった。このため、博士前期課程に進学するメリットを早いうちから学生に 説明することで、ここ数年は定員割れすることもなくなってきた。4 年生の 1 月と 2 月の 2 か月間の実務訓練と博士前 期課程での研究を中心とした教育により、より高度な技術を身に着けて社会に貢献できる人材を育てられていると考え ている。実務訓練に関しては、企業の就職に直結したインターンシップが実施されるようになってきたことから、実務 訓練生を受け入れてもらえる企業が全学的に減少してきている。幸いにも本系では、企業や自治体などの協力を得られ て、毎年学生数以上の受け入れ数を確保できており、今後ともよろしくお願いしたい。 4)就職について 就職に関しては、ここ10年大きく様変わりした。人手不足が深刻化していることもあり、企業や自治体からの求人 は非常に多くなってきている。学生も以前は採用されない企業や職種にチャレンジするなど、求人で訪問してくださる 企業の期待に応えられない状況が続いている。働き方改革により、土曜と日曜の週休 2 日は当たり前になり、残業も少 なく福利厚生が充実し、初任給も高額になり、氷河期と言われた時代には想像できないような状況である。就職活動の 時期も年々早まり、学部 3 年、博士前期課程 1 年の夏のインターンシップから就職活動が始まるようになってきた。幸 いにも本系の学生は希望する企業のインターンシップにほぼ参加することができており、そこから内々定につながる学 生も増えてきている。以前は 1 学科から 1 名と決めている企業も多かったが、今は、良い学生がいれば何名でも受け入 れる企業も増え、同じ学年から複数名が就職する企業も増えてきている。国や地方自治体などの公務員の建築職、土木 職では、受験者数が募集人員に達しないところが多くなってきている。今までのような教養と専門の試験による選抜も あるが、その前に小論文と面接のみで早期に採用試験を実施する自治体も増えてきている。社会基盤コースの学生では、 一定数公務員志望の学生がいるが、以前に比べて非常に入りやすくなってきている。 170 豊橋技術科学大学五十年史

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