3.5.5 建築・都市システム学系について 1)この 10 年を振り返って この十年を振り返ると、やはり最も大きなトピックはCOVID-19である。他でも触れられていると思うが、大学が 閉鎖になり、研究教育にも多大な影響が及んだ。特に、学生とのコミュニケーション手段が限られ、パソコン上や対面 であってもマスクをした顔しか見ることができなかった。そのため、その当時在籍した学生は、就職後に尋ねてきても らっても、顔が分からないこともある。講義のスタイルも大きく変わり、紙を配布しての講義はほぼなくなった。資料 は web 上にアップロードし、学生はそれをダウンロードするようになっている。 また、生成AIの利用が進んだことも学生の勉強スタイルに大きく影響している。コンピュータに聞けば回答が得ら れる時代になり、その正誤を判断が重要になってきている。教員側もレポートの課題を出すのに工夫が必要になってい る。教員の出した課題を入力し、字数を指定すれば、レポートの作成が自動でできる。本人が考えた文章か生成AIの 回答文章をそのまま使用しているかを見極める必要があり、なかなか難しい。工学系であるため、大学のスタンスはう まく使いこなすようにとのことである。一から自分で作成するのではなく、生成AIの回答を参考にしながら、自分の 視点を入れてレポートを完成させていくような能力が求められてきている。AIに関しては、進歩も速くその利用に関 しては、教員側もまだまだ暗中模索の状態である。 建築・土木の分野に目を向けると、東京夏季オリンピック、大阪・関西万博と大きなイベントがあった。国立競技場 の設計変更、万博の大屋根リングや各パビリオンの建設など、設計や施工について世間の認識も深まったのではと考え ている。一方、災害は、2016 年の熊本地震、2024 年の能登半島地震とその後の豪雨などの自然災害、八潮の道路陥没 などの人為災害も頻発しており、建築、土木分野の重要性が増してきている。 2)教員の異動 この 10 年で教員は大きく入れ替わった。少々見づらくなっているが、2015 年 4 月現在の教員と、2026 年 4 月現在の 教員を研究分野別に示した。教員の下の数字は 2015 年 4 月以降に異動や昇任した年月である。また、2015 年 4 月以降 に新たに教員になり、2026 年 4 月までに転出した教員は中ほどにその期間も含めて示している。2026 年 4 月現在の教 員 23 名中、2015 年 4 月から役職も含めて変更のない教員は、たった 5 名であり、昇任した教員 5 名を含めても 10 名で、 半数以上がこの10年で入れ替わった。2015年4月以降に採用になって転出した教員も7名おり、入れ替わりが激しかっ た。特に助教は昇任した 2 名を除いて全員が入れ替わった。助教については任期付きでの採用が大学で義務付けられて おり、最近は任期なし教員になる審査も通りやすくなっているが、上位のポストも限られていることから、他大学への 転出するケースが増えている。5系に割り当てられている教員数は、この10年で4系から環境系が移ってきたことに より 3 名増員になったが、現在は 10% 削減(3 名)がかかっており、同数になっている。5 系では建築と社会基盤の 2 分野の講義を行っており、教員一人当たりの講義数が多いため、削減を助教で行っている。このため、助教の人数が6 名から 4 名に減少し、活力が損なわれているのではと危惧している。教員が流動化することは活性化にもつながり良い 面もあるが、異動時に博士前期・後期課程の学生の指導教員が変更になったり、次の採用までの期間その研究分野の教 員が少なくなったりする弊害も生じている。そのため、なるべく転出した教員を本学の客員教員になってもらい引き続 き学生の指導をしてもらうなど、学生の研究環境を維持し、負担が増えないようには配慮している。今後 10 年間では、 168 豊橋技術科学大学五十年史
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