豊橋技術科学大学五十年史

高分子固定化有機分子触媒の開発や官能基化高分子微粒子の創製、炭酸を原料とする新材料の開拓や廃棄プラスチック の燃料化などに関する研究を展開している。 分子機能化学分野では、環境浄化のための固体触媒および触媒反応システムの開発、燃焼反応機構の解明と制御や化 学反応理論に基づいた反応メカニズムの予測、新規な機能性液晶分子の創製、含フッ素有機分子の効率合成や高機能光 学活性触媒の設計・合成などに関する研究が推進されている。 分子生物化学分野では、高電圧や放電プラズマを用いた環境浄化技術の開発、人工細胞膜モデルを用いた生体膜ダイ ナミクスと分子挙動の解明、遺伝子操作技術の開発・応用や酵素基質認識機構の解明、大気圧低温プラズマの生物応用 や高電圧による外来物質導入技術の開発、分子機構・多様性と進化・生態分布解析による生物と光の関わりの統合的解 明など、生命現象の解明とその工学的応用に関する研究を展開している。 また、IRES2 等の学内機関との共同研究も盛んに行われており、分野の枠を超えた学際的な研究が本系の強みとなっ ている。 この10年間における教育研究環境の大きな変化として、B棟(旧物質工学系棟)の全面改修が挙げられる。令和2(2020) 年 10 月から令和 4(2022)年 3 月にかけて、開学以来 40 年以上が経過し老朽化していた建物の西側および東側の改修 工事が行われた。改修工事の期間中は、B 棟の教職員や学生が学内各所への引越しを余儀なくされ、実験室と離れたこ とや、COVID-19 対策による登学制限も重なり、教育・研究活動には少なからず影響が生じた。しかし、2022 年 3 月 にすべての工程が完了したことで、教員室、学生居室が一新され、明るく機能的な教育・研究環境へと劇的な改善を遂 げた。一方で実験室の改修は依然として行われておらず、研究の最前線となる施設のさらなる高度化・近代化が次なる 課題として残されている。 6.今後の展望 本学は令和 8(2026)年 10 月に開学 50 周年を迎える。この半世紀、本系は物質工学系およびエコロジー工学系の伝 統を引き継ぎ、時代の要請に応じた組織再編や名称変更を経て、応用化学と生命工学を二つの柱とする現在の体制へと 進化を遂げてきた。教育面においては、JABEE 認定の継続に象徴される質の高い教育プログラムを堅持し、さらなる 改善を継続し、高度技術者の輩出を通じて社会貢献を推進する。特に、2019年の名称変更の目的でもあった「応用化 学および生命科学」としてのプレゼンスを産業界や受験生に対してさらに明確にし、次代を担う有為な人材を輩出し続 けることが本系の使命である。研究面では、原子・分子レベルの基礎研究から社会実装を見据えた応用研究まで、活発 な活動を展開していく。また、IRES2 等の学内機関との連携をさらに深め、分野の枠を超えた学際的・融合的な研究成 果を創出することで、持続可能な社会の実現と科学技術の発展に寄与していく。 167 II 転換の10年

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