3.4.5.4 未来ビークルシティリサーチセンター 1.設立の経緯と経過 本リサーチセンターは、2004 年 12 月に概算要求特別研究経費により本学に設立され、2009 年度に第 1 フェーズを終 了した「未来ビークルリサーチセンター」を前身とする。2010 年度から、「サスティナブルな社会における未来ビーク ルシティ事業:低炭素社会における安全・安心なビークルシティ」を課題とする第 2 フェーズに移行するのを機に、名 称を未来ビークルシティリサーチセンターに改めた。その後、「産業育成」「安全・安心」「先端省エネルギー」の3領 域を研究の柱として定め、角田範義(2010 ~ 2014 年度)、大平孝(2015 ~ 2021 年度)、三浦純(2022 ~ 2024 年度) の各センター長の下で活動を継続してきた。2023 年 4 月に本学の次世代半導体・センサ科学研究所(IRES2)が設立さ れ、リサーチセンターの位置づけが変更されたことを受け、2024 年度末をもって活動を終了した 2.事業内容と成果 「低炭素社会と産業育成コア」では、低炭素社会において重要な役割を担う電気自動車を対象に、無線給電技術およ び新世代電池技術の研究開発を進めてきた。「第4世代ビークル」に関する研究では、バッテリーレス小型電気自動車 や工場内搬送用 AGV に対し、走行中給電を可能とした。これらの成果を基に、内閣府 SIP 事業(2018 ~ 2024 年度)、 国土交通省 新道路技術会議「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」(2020~2023年度)などの国プロジェクト に加え、愛知県の産学官連携プロジェクトである知の拠点あいち重点研究プロジェクト(Ⅱ期~Ⅳ期、2016~2024年度)、 本学独自のマッチングファンド形式によるイノベーション協働研究プロジェクト(2016 ~ 2024 年度)を中心に研究開 発を推進した。さらに、山梨県、本学、企業との連携の下で無線給電技術の実証実験を進めた。また、2020年度には 大学発ベンチャーである株式会社パワーウェーブを設立し、「電界結合方式による走行中ワイヤレス給電」を活用した 電気自動車、パーソナルモビリティ、サービスロボット向けワイヤレス給電インフラの社会実装を推進した。加えて、 無線給電技術の産業応用として、産業用ロボット向けロータリジョイント用の非接触電力伝送機構を開発している。電 池技術については、ポスト・リチウムイオン電池として期待されるカルシウムイオン電池の材料開発に加え、次世代高 容量リチウムイオン電池や全固体電池など、新規電池の実現に向けた研究開発に取り組んだ。 「低炭素社会と安全安心コア」では、幅広い世代の交通弱者に配慮した安全・安心な交通環境の実現を目指し、道路 交通ビッグデータを活用した交通マネジメント、予防安全および自動運転に向けた環境認識、交通弱者のための危険検 知、安全運転支援を目的としたドライバ行動の計測・認識、車両間無線通信技術の開発などの研究を推進した。道路交 通ビッグデータに関しては、国土交通省 新道路技術会議「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」(2017~2019 年度)における道路交通政策評価モデルの開発、ならびに知の拠点あいち重点研究プロジェクト(Ⅲ期、2019 ~ 2021 年度)およびイノベーション協働研究プロジェクト(2019 ~ 2024 年度)において、先進プローブデータを活用した交 通安全システムの開発を行った。さらに、豊橋市や湖西市などの近隣自治体と連携し、交通安全政策への提言や移動サー ビスの実証実験を実施した。また、JST-SICORP e-ASIA共同研究プログラム(2023~2025年度)では、臨空スマー トシティの QOL 評価モデルの開発にも取り組んだ。 「低炭素社会と先端省エネルギーコア」では、低炭素社会を支える省エネルギー技術および新たな社会システムに関 する研究開発を行った。省エネルギー技術分野では、株式会社デンソーの支援による寄附講座「先端省エネルギー技術 開発講座」(2014 ~ 2019 年度)を開設し、二相流エジェクタを用いた冷凍・空調サイクルの高効率化に関する研究を 135 II 転換の10年
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