豊橋技術科学大学五十年史

3.4.5.3 安全安心地域共創リサーチセンター この10年の活動と今後の展望 1.センターの変遷 安全安心地域共創リサーチセンター(CARM)は、東三河地域の防災調査研究業務を担うために本学が設置した「地 域防災リサーチコア」を発端とし、その後設立された「地域協働まちづくりセンター」(センター長:大貝彰)の後継 組織として 2011 年 4 月に設立され、建築・都市システム学系の教員を中心として、自然災害のリスクに関する研究と 実践活動の他、人間生活に関わる様々なリスクの低減化に向けた活動を行ってきた。歴代のセンター長は、青木伸一(初 代:2011 年度)、山田聖志(二代目:2012 年度)、斎藤大樹(三代目:2013 ~ 2024 年度)が務めており、現在は杉木 直(四代目:2025年度~)がその任を引き継いでいる。南海トラフ巨大地震や豪雨災害等のリスクにさらされている 東三河地域において、当リサーチセンターに対する周囲の期待は大きく、現在は「防災」に主眼をおいた活動を行って いる。「東海圏減災研究コンソーシアム」に参画する東海圏6国立大学の防災センターの一員として、防災・減災研究 の強力な推進のための重要な役割を担うとともに、企業団体、自治体との連携組織である「東三河防災・減災連絡会」 を設立し、定期的な会合を開いて防災に関する様々な意見交換を行っている。 2.人材育成 2013 年度に企業等の防災担当者を対象とした人材育成プログラムとして開講した「地域地震防災コース」を、カリキュ ラムの拡充に伴い 2016 年度よりプログラム名称を「東三河防災カレッジ」に変更した。さらに文部科学省が設置する職 業実践力養成プログラム(BP)に認定されたことに伴い、2018年からは豊橋技術科学大学の教員の下で、課題に対す る解決のあり方を「特別研究」として探究する【長期コース】と、防災について基礎から応用までを学べる【短期コース】 の 2 つのコースを開設した。この期間に、3 名の長期履修コース受講生が修了し、履修証明書と「穂のくに防災エキスパー ト」の称号が授与された。また、コロナ禍以降はオンライン受講を併用、また現場見学や避難所開設訓練などの体験型 授業を取り入れるなど、継続的に内容のブラッシュアップを図り、地域の防災リーダーとなりうる人材を輩出してきた。 3.社会貢献 リサーチセンターでは、穂の国とよはし芸術劇場等を会場として、一般市民向けの公開シンポジウムを開催している。 防災分野の最先端で活躍する実務者や研究者を招いて、熊本地震、能登半島地震等で得られた最新の知見に関する講演 を行うとともに、企業・自治体の防災担当者を含めて東三河地域において災害リスクに対して今何ができるかを繰り返 し議論することで、市民への啓発を行なっている。 4.今後の展望 センターの設置期間更新を契機に、2025 年度からは自然災害リスクに対する地域防災力の向上を主目的とするセンター として活動方針や体制を再構築して活動を行っている。「自然災害リスク研究コア」、「構造物研究コア」、「政策研究コア」 の3つのコアを設置し、本学教員による分野を超えた横断的連携の下での防災分野の学術・技術の研究開発を推進して いる。また、「東三河防災・減災連絡会」を国・県・自治体の防災担当部局を含む組織へと拡充し、本学が有する防災研 究に関するシーズと、地域の行政機関や企業のニーズのマッチングによる産官学共同研究の創出を図る。これらの活動を 継続的に行い、迫りくる巨大災害に向けた地域防災力の向上のための役割を担うことが本センターの使命である。 134 豊橋技術科学大学五十年史

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