豊橋技術科学大学五十年史

な取組みが全学のグローバル化に貢献し、COVID-19 の直前には本学の留学生比率が 17.6% となり、さらに海外で実務 訓練を行った学生比率が27.3%に到達した。COVID-19 により急激に減少したものの現在、回復傾向にある。 平成30年に実施されたSGU事業の中間評価において、本学は最高評価である「S評価」を獲得した。この評価は、 国際人材育成方針の明確さや、英日バイリンガル授業の拡大と前倒し展開、グローバルハウスの整備、ダブルおよびジョ イント・ディグリーの実施などが高く評価された結果である。同年には学内外を巻き込んだシンポジウムや国際教育担 当者ネットワーク会議も開催され、教育や国際化に関する外部評価および議論が活性化した。 令和元年から令和 2 年にかけては教育実装がさらに進み、GAC 第一期生が修了して修了生に「グローバルリーダー賞」 が授与されるなど、具体的な成果が現れ始めた。同時期に発生したCOVID-19パンデミックにより世界的に国際交流 が制限されたものの、本学はオンライン海外研修や奨学金支援を実施し、グローバル人材育成の歩みを止めることなく 方策を展開した。 令和 3 年から令和 4 年にかけて、COVID-19 の収束に伴い海外実務訓練や交換留学派遣が再開され、欧米やアジアの 提携校との二国間・多国間プログラムが推進された。また、博士前期・後期におけるダブルディグリー・プログラムや 複数国で学位取得が可能な共同教育プログラムが整備され、国際競争力のある学位体系の構築が進展した。文部科学省 の SGU コアサイトで本学の研究者や学生の取り組みが紹介されるなど、国際的なプレゼンスも強化された。 事業最終年度となる令和5年度には、事後評価に向けた準備が進行した。この時期までに、GACコース修了者、共 同学位プログラム、バイリンガル教育、海外協定校との連携、国際交流イベントなどが教育・国際化基盤として定常化 し、コース修了生や留学生の活躍事例がメディア等で紹介され、成果が可視化される段階へと移行した。 令和 6 年度の事後評価において、本学は総括評価「A(十分な取組と成果)」を獲得した。「多文化共生グローバルキャ ンパスの実現」や「理工系大学にふさわしい国際化推進」、「海外拠点・バイリンガル教育の成果」などが評価コメント として高く評価された。全学的な推進体制の構築、外国人教員数の増加、英語のみで卒業可能なコースの拡充、国際共 著論文率の向上など、教育と研究の両面での成果が評価された。一方で、日本人学生の海外派遣や留学生受け入れのさ らなる強化、英語力向上施策、就職・進学支援といった課題も整理され、ポストSGU期に向けた戦略的な改善点が明 確となった。 SGU事業は、国際人材育成と大学改革の両輪で本学の教育制度や体制に大規模な変革をもたらした。教育改革の面 では、全学生を対象としたバイリンガル教育体系の構築とGACコースを通じた高度グローバル技術者の育成が進み、 多様な海外研修およびインターンシップ制度が定着した。加えて、海外大学との共同学位や交換プログラムの大幅な拡 大も実現した。国際化インフラの整備においては、グローバルハウスなどの多文化共生キャンパス環境が整えられ、ペ ナンの海外教育拠点を活用した常設型の国際教育体制が確立された。また、全学的な推進体制の構築により、組織横断 的な国際化戦略の制度化と意思決定の迅速化が図られ、評価体系の整備と外部評価への積極的な対応が可能となった。 事後評価での「A 評価」は、これらの取組が国際化・大学改革のモデルとして評価された証左といえる。 SGU事業終了後も、これまでの成果を持続的に発展させ、国際競争力の強化とグローバル教育の質的深化を図る戦 略が進行している。事後評価の課題を受け、語学力基盤の強化や留学率向上といった日本人学生の海外展開強化が進め られるとともに、留学生比率を向上させる取組みも行われている。また、複数大学との共同学位や国際共同研究を通じ たグローバル連携プログラムの拡大、さらには地域や産業界との協働によるインターンシップの拡充も図られている。 103 II 転換の10年

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