今後、連続講演会などの課外活動と、正課の科目としてのリベラルアーツ教育が相互補完的に機能する体制が整えら れつつある。さらに、「リベラルアーツ入門」で培われた対話や探究のエッセンスを、多く配置されている3年次開講 科目にも展開し、本学の教養教育全体を再構築する構想が進められている。 この10年間の本学におけるリベラルアーツ教育の歩みは、制度的基盤の整備から始まり、教育理念の再検討、対話 型実践の導入、そして「リベラルアーツ入門」に代表される体系的かつ実践的なカリキュラム改革へと段階的に深化さ れてきている。専門性と教養を対立的に捉えるのではなく、地域社会との共創や社会実装教育とも接続させながら、両 者を統合した「粘り強くてやさしい技術者」の育成へと向かう確かなプロセスであると言える。 3.3.2.2 キャリア教育 令和 6 年度には、学部から博士後期課程まで一貫した体系的な産学共創キャリア教育を推進するため、「産学共創キャ リア教育センター」が設立された。これを軸として、学部2年生が専門を超えて実課題に取り組むPBL型授業とし必 修科目「産学共修ものづくり研究」の開講を決定した。この授業では、産業界のテーマをもとに異分野混成チームが製 品試作や課題解決を行い、博士後期課程学生のプロジェクトマネジメント指導を受けながら進化版PBLを実践する。 一方、博士後期課程学生は必修科目「高度技術科学者育成特論」において、プロジェクトマネージャーとして学部生を 指導しつつ実務家教員から専門スキルを磨くことで、高度な実践力を身につける仕組みとなっている。また、本学にお いてこれまで実施されてきた「実務訓練」をさらに充実させる教育方法について引き続き検討されている。また学部1 年次における「工学概論」におけるキャリア教育の実施、学部 3 年次においてもキャリア教育を実施することとし、さ らに正課外におけるキャリア教育を企画して、学生の将来像を形成するための方策についても実施にむけて検討されて いる。このような継続した教育により、学生のキャリア形成・専門的深化・社会実装力育成を繋ぐ総合的な教育設計の 軸とする。今後は、学修成果を可視化するマイクロクレデンシャル(オープンバッジ)制度の運用を本格化させ、令和 9 年度に予定されている組織再編・教育改革を支える体制を整備する予定である。 3.3.2.3 スーパーグローバル 文部科学省が日本の大学の国際化強化を目的として創設した「スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)」にお いて、本学は平成 26 年度にタイプ B(グローバル化牽引型)として採択された。採択構想名は「『グローバル技術科学 アーキテクト』養成キャンパスの創成」であり、技術科学を先導するグローバル人材の育成および国際通用性の高い大 学改革を主目的とした。この年より、全学的な国際化、教育システム改革、海外拠点や共同教育の強化を計画し、事業 が開始された。 平成27年から平成29年にかけては、基盤整備と教育プログラムの構築が強力に推進された。「グローバル技術科学アー キテクト(GAC)」養成コースの全課程設置が開始されるとともに、大学の全課程・専攻において英語と日本語のバイ リンガル教育が導入され、英日両言語での講義、資料配布、評価体系が整備された。また、日本人学生と留学生が共生 し異文化理解を深める場として、GAC コースの日本人学生と留学生が混住するシェアハウス型の「多文化共生・グロー バル宿舎(TUTグローバルハウス)」が新設され、単に学生が居住するだけでなく、「生活・学習プログラム」が実施 され、生活の中でもグローバル教育が実施されてきた。さらに、マレーシア・ペナンの海外教育拠点の活用や交換協定 大学との連携強化が進められ、海外授業やインターンシップ、実務訓練プログラムも順次整備されていった。このよう 102 豊橋技術科学大学五十年史
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=