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Chapter01

オープンキャンパスの楽しみ方/広報部会
受付
受 付
A棟学生ホール・相談コーナー
A棟学生ホール・相談コーナー
研究室公開
研究室公開
図書館
図書館
人間・ロボット共生リサーチセンター
学生課外活動
学生課外活動
オープンキャンパスは、高校生・高専生に、入試・教育・研究情報を知っていただくと同時に、広く小・中学生・一般市民に対して「見える技科大」となるために、本学の役割や地域・社会活動を知っていただくイベントです。来て・見て・体験して・楽しめる企画も準備しています。そこで今回は、オープンキャンパスの楽しみ方を、紹介させていただこうと思います。

まず、大学に到着したら、「受付」へ向かい、パンフレットやちょっとした大学グッズをゲットしてください。そして、まずはパンフレットをよく見てみましょう。スケジュールや地図、そして、企画の説明と実施場所、研究室公開・体験学習については、研究室の場所が載っています。

最初はどこに行きますか?入試案内や大学生活について知りたいときは、「相談コーナー」に行きましょう。受付のそばの「A棟」という建物のホールにあります。各課程・専攻の説明ブースもありますので、もし、お目当ての課程・専攻があれば、真っ先にブースを目指してくださいね。何が特長で、何が学べるのか、大学の先生方が丁寧に説明してくれます。

研究室公開に行きたいときは、パンフレットの研究室公開一覧を見てみましょう。気になるテーマ、最近聞いたあの言葉、聞いたことも無い新しい言葉、不思議な写真・・・何でもいいので、興味を持った研究室に飛び込んでみましょう。時間の許す限りいっぱい訪ねてください。そこでは、「技術を極め×技術を創る」を実践している先生方や学生達が、最先端の技術をわかりやすく説明してくれます。さらに、見学だけではなく体験実習を行っている研究室もあり、実際に体験できます。そこで、新しい未来を感じたり、自分のやりたいことが見つかったりするかもしれません。また、見学ツアーも準備しています。見学先が決まらなかったら、受付でツアー参加の申し込みをしてください。

研究室だけではなくて、大学の施設も公開しています。一般市民も利用できる図書館や、日本の大学の中で唯一といってよい、「半導体LSI工場」、先端的な野菜栽培現場や珍しい野菜など見学できる「先端農業・バイオリサーチセンター」、最先端ロボット技術を見学できる「人間・ロボット共生リサーチセンター」を見ることもできます。「人間・ロボット共生リサーチセンター」は受付から遠いですが、今年度に新しく設置したセンターですから一見の価値ありです。

歩き回って疲れたら、「学生交流会館・食堂」へ行ってみましょう。学生課外活動団体が、日ごろの成果をみなさんに披露しています。実際に体験することもできます。昨年は、お茶会体験、演奏会などのイベントが実施されました。少し、大学生気分を味わうこともできるかもしれません。

もう一つ、今年のオープンキャンパスでは、豊田工業高等専門学校がブースを出展します。A棟2階で学校案内や高専ロボコンで活躍したロボットの実演を行います。A棟1階では本学のロボコンの実演もしていますので、高専と大学のロボットを一緒に見られる滅多にない機会ですので足を運んでみて下さい。

オープンキャンパスの雰囲気を感じてもらえましたでしょうか?「大学ってどんなとこ?」、「何が楽しい?」、「なんだかわからない。」と疑問を持たれたのであれば、ぜひ実際に本学のオープンキャンパスを覗いてください。意外に楽しめると思いますよ。またそうなるように、頑張って準備を進めたいと思います。
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Chapter02

日本のロボコンチーム ロシアへ/総合教育院・機械工学系 教授 鈴木新一(すずき しんいち)
ロボットコンテスト2010
去る6月3日(日)、NHKロボットコンテスト2010大学部門が、東京の国立オリンピック記念青少年センターで開かれました。豊橋技術科学大学(TUT)のロボコン同好会は、昨年と一昨年にこの大会で優勝しており、今年は3連覇を目指して出場しました。

今年のテーマは、「ロボファラオ ピラミッドを築け」です。エジプトの3大ピラミッドをモチーフに、ロボットが3つのピラミッドを築き、その速さと得点を競います。競技時間は3分であり、赤チームと青チームによる対戦形式で試合が進みます。

TUTチームは、予選リーグにおいて最高得点を獲得し、1位で決勝トーナメントに進みました。準々決勝では宿敵東京大学を下し、決勝戦まで駒を進めましたが、残念ながら準優勝に終わりました。優勝は金沢工業大学でした。

金沢工業大学とは昨年の決勝戦でも顔を合わせており、その時は本学が勝ちました。今年は仇を取られた格好です。

TUTvs.東大
最近、TUTと東京大学は、宿敵同士と言われています。TUTと東大は、一昨年の大会において、準々決勝で対戦しました。双方とも優勝候補の筆頭に挙げられていたため、事実上の決勝戦となりました。双方ともスピードと正確さに優れたロボットを持っていました。また、採用した戦術もほぼ同じであったため、わずかな性能の優劣が勝敗を決めるスリリングな試合になりました。勝敗を分けたのはロボットの耐久性でした。試合の途中で東大のロボットの一台が煙を出し、動けなくなってしまったのです。そのため試合終盤に、本学が逆転し、優勝することができました。もしあの故障がなければ、東大が優勝していたでしょう。

優勝した本学は、インドで開かれたアジア太平洋ロボットコンテスト(ABUロボコン)に出場し、3位に入賞しました。

TUTvs.金沢工業大学
金沢工業大学とは東大よりも長い対戦の歴史があり、過去2度決勝戦で対戦しています。2002年の対戦では、双方が全く異なる戦術を用いました。金沢工業大学は、スピードはないものの3分の競技時間の最後まで得点できる自動ロボットを開発してきました。それに対して本学は、スピードのある自動ロボットを作り、試合開始直後に一気に大勢を決する戦術を用いました。結果は本学の勝ちでしたが、このとき以来、異なる戦術を用いるチームとして、互いに意識するようになりました。

金沢工大とは昨年も決勝戦で対戦し、再度本学が勝ちました。昨年はアジア太平洋ロボットコンテストが東京で開催され、開催国からは2チーム出場できることから、TUTと金沢工大は一緒に参加することが出来ました。

日本チーム、モスクワへ
昨年7月、外務省所掌の日露青年交流センターからロボコン同好会のモスクワ訪問の話を頂きました。ロシアは今、「イノベーション(革新)」を掲げ、新しい発展を目指しています。その中で、ロシア青年問題局がロボット分野における日露学生交流を企画し、本学のロボコン同好会がその交流相手に選ばれたのです。

日露の学生交流という観点から見ると、本学単独よりも、日本の幾つかの大学が参加した方が面白いだろうと思い、東大と金沢工大に参加を呼びかけました。そして、豊橋9名、東大2名、金沢工大2名の学生と、本学から3名の教職員が参加し、11月にモスクワを訪問しました。

主な訪問先はモスクワ大学の力学研究所です。日本からは本学と東大のロボットを持ってゆき、実演を行いました。ロシア側からは、紙に字を書くロボット等、幾つかの自動走行ロボットの実演がありました。

日本のロボットもロシアのロボットも、用いている基礎技術はほぼ同じです。しかし、出来上がったロボットを見ていると、日露の間で、設計思想に違いがあることが分かります。これは、両国におけるロボットの歴史やロボットを取り巻く社会環境の違いから来るものなのでしょう。異なる社会環境が、設計思想の多様性を生み出していることは、興味深いことでした。



ロボットとは何か?
モスクワ大学訪問の最終日に、交流パーティーが開かれました。その席で、「ロボットとは何か?」が話題になりました。

日本では、ロボットは大きく2つに分類されます。ひとつは「鉄腕アトム」です。人工知能を持ち、自分で見聞きし、自分で判断して行動します。もうひとつは「鉄人28号」や「ガンダム」です。ロボットそのものに知能はなく、人間の操縦で動きます。

ロシアでお会いした先生方の何人かは、「鉄腕アトムはロボットだが、鉄人28号やガンダムはロボットではない」との意見をお持ちでした。「人工知能を持つことがロボットの条件」だという見解です。

ところが、人工知能の本を読んでみると、「人工知能の歴史は、失敗の歴史だ」という記述があります。「あるとき人工知能だといわれたものが、2、3年もすると、誰も人工知能だとは言わなくなる」のです。「現在の人工知能はプログラムの塊であり、プログラムの中身を知ってしまえば唯の機械的反応であって、人工知能ではない」というのがその理由です。

もし「ロボットは人工知能を持たなくてはならない」とし、かつ「人工知能の歴史は失敗の歴史だ」とするならば、今現在、ロボットは一台も実現していないことになってしまいます。これでは、多くの人々の認識からかけ離れた結論になってしまいます。

上記の議論から、「ロボットとは何か?」という問は、「人工知能とはなにか?」に密接に関連していることが分かります。そして、「人工知能とはなにか?」を考えると、私たちは、まだ「知能とはなにか?」を理解していないことに気付きます。ロボットの問題に関わっていると、時々、「知能とはなにか?」、「生物とはなにか?」、「人間とはなにか?」という根本的な問題に突き当たることがあります。このことは、ロボット研究の魅力のひとつです。この様なことを話し合いながら、モスクワ大学での最後の夜は、とても楽しく過ぎて行きました。



追伸
日露青年交流センターを通して、現在、ロシアの学生や先生が本学を訪問する計画が進んでいます。時期は今年11月の予定です。昨年のモスクワの続きを豊橋で開催できたら、きっと楽しいことでしょう。
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