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Chapter01

松本幸大(まつもと ゆきひろ)/建設工学系 助教
平成21年10月より建設工学系の助教に着任しました松本幸大です。私は本学のOBで3年半ぶりに戻ってまいりました。専門分野は建築や土木の構造に関する分野で、研究はそれらの振動や座屈問題、健全性モニタリングについてシミュレーション解析や構造実験を通して行っています。近年では、新たな構造物を作るだけでなく、既存構造物の維持管理も重要な課題になっていることから、新素材を使った構造物の高性能化や健全性評価のための手法やデバイスに関する研究も進めており、安全・安心な建設構造物の発展に向けて研究を進めています。
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Chapter02

岩ア泰永(いわさき やすなが)/先端農業・バイオリサーチセンター 准教授
昨年11月に着任いたしました。これまで宮城県農業・園芸総合研究所に勤務し、ハウスを利用したトマトやイチゴの栽培方法の開発や、新しい品種の育成、農家さんのところに出向いて技術指導や問題解決の仕事をしてきました。本学の位置する渥美半島は全国屈指のトマト、メロン、キクの大産地で、農家さんの技術レベルも非常に高い地域です。これまでに身につけた経験や知識を活かし、本学の工学的な技術と農学的な技術を結びつけ、技術革新とよぶにふさわしい技術開発を行って行きたいと思っております。
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Chapter03

井佐原均(いさはら ひとし)/情報メディア基盤センター 教授
平成22年1月1日に情報メディア基盤センターに着任いたしました。

着任までは、ずっと国の研究機関にいました。非常勤で講義をすることはありましたが、フルタイムの教育職は初めての経験です。

専門は情報学の一分野である自然言語処理です。人間が言葉を理解する過程を研究することにより、言葉をコンピュータで処理する手法を開発しています。機械翻訳や情報検索をはじめ、人間の知能に関わる多くの分野の基盤となる技術です。
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Chapter04

石井 仁(いしい ひろむ)/テーラーメイド・バトンゾーン教育推進本部 特任教授
このたびテーラーメイド・バトンゾーン教育推進本部に着任いたしました。これまではNTTの研究所で、半導体やマイクロマシンといわれる細菌レベルのサイズの極微小な電子機械の研究開発を行って来ました。自分たちの開発したとても小さな通信用部品が、社会に大きく期待され役に立つ充実感あふれる研究です。こうした最先端技術の研究を通して、高度の専門性を基に、社会のさまざまな分野で活躍できる人材を育て、豊橋技術科学大学の発展に貢献していきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。
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Chapter05

X線結晶構造解析とともに/物質工学系 教授 青木克之(あおき かつゆき)
平成元年に本学に赴任以来21年間、物質工学系において生命化学の教育・研究に携わり、本年度定年を迎えました。この間、研究面では生体分子の働きを特にその立体構造から理解しようとする立場からX線回折法を用いた研究を行ってきました。X線回折法は、分子の三次元構造をあたかも顕微鏡で拡大して見ているかのように得ることができるので、「百聞は一見にしかず」で直ちに次のインスピレーションへと繋がる、強力な構造解析法です。赴任当時、本学には単結晶自動X線回折計がまだ設置されておらず、当時の高山雄二系長から「「実験機器が無いから研究できない」では困ります」と赴任当日に念を押され、しばらくの間、友人の韓国の教授にデータ測定を頼んだり、岡崎の分子研の共同機器を利用しました。その後、平成4年度に本学共同利用機器として設置が成り、以後これまで17年間利用させていただきました。このことは、現在、全国の各大学でこの種の大型実験機器の新規の導入はもとより既設機器の更新・維持も困難な状況下では、大変有難いことでした。平成14年に本学分析計測センターが当番校として「第6回全国国立大学機器・分析センター会議」を開催し、各大学の研究を支える基盤としての大型実験機器の充実を国に対して要請しました。この要求は現在、分子研を中心とした「化学系研究設備有効活用ネットワーク構築共同事業」により行われていますが、実情は未だに極めて不十分なものであり、引き続き全国規模での強力な活動が望まれます。

研究では、「山椒は小粒でもピリリと辛い」ような研究を心がけました。X線回折法による研究を一つ紹介します。抗生物質バンコマイシンは現在その克服が社会的問題になっている院内感染菌に有効な唯一の薬でしたが、最近、バンコマイシンが効かない細菌の出現により、新たな抗菌薬の開発が緊急の課題となっています。バンコマイシンは細菌細胞壁合成前駆体ペプチド末端のD-Ala-D-Alaを認識して結合し、細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌活性を発現しますが、バンコマイシンが効かない細菌ではこのペプチド末端がD-Ala-D-lactateに変化しています。私たちはX線回折法により、バンコマイシンがD-Ala-D-Ala末端をどのように認識するのか、また、D-Ala-D-lactateとどのように結合するのかを明らかにし、新たな抗菌薬開発のヒントを得ることができました。このような研究を通して、こうした生物の生存をかけた戦略の巧みさに驚かされます。昨年度のノーベル化学賞に、X線回折法によるリボソーム(生物の細胞内にあるタンパク質合成「工場」)の構造と機能の解明の研究が授与されました。私が大学生の頃、リボソームは巨大で複雑な分子のため、結晶化するのは不可能と考えられていましたが、A.E. Yonath博士(イスラエル)が1980年にその結晶化に成功、2000年–2001年にV. Ramakrishnan博士(英国)とT.A. Steitz博士(米国)が構造解析に成功しました。このような生命の仕組みの本質に迫る息の長い研究は、研究者自身の卓越した能力は勿論ですが、腰を落ち着けてこのような基礎研究ができる環境が不可欠と思われます。我が国においても基礎研究の充実が叫ばれて久しいのですが、その重要性を改めて感じます。退職後も好奇心を旺盛にして、X線解析による生命の本質に迫る新発見を楽しみにしたいと思います。
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Chapter06

邂逅と開眼/物質工学系 教授 逆井基次(さかい もとつぐ)
現在あまり使われていない「邂逅(カイコウと読み、意味は巡り会い)」と言う言葉は、私の青春時代(18歳〜25歳)には、特に、大学生の間で好んで使われていたように記憶しています。これは、函館出身の思想家・文芸評論家であった亀井勝一郎の言葉、「人生邂逅し開眼し瞑目す」、の影響でしょう。

本学の創設と共に豊橋に着任して、星霜ここに32年、良き師、良き友、良き後輩・学生に恵まれた悔いの残らない半生を送ることが出来ました。大学人としての使命である「教育」と「研究」については、「真の大学教育は研究を通じて行なわれる」を言い訳に、研究志向で邁進した32年間だったようにも感じております。

退職を機に、「2人の恩師との邂逅なくして現在の私は存在しえなかった」、そんな思いを綴っておきます。

大学入学直後、将来に対する可能性、希望そして夢が無限に広がる中で、それらを実現するためには、何から手をつけ始めたらよいか分からない苦悶の日々の中でのS先生との邂逅が私の学問に対する姿勢を形成してくれました。キャンパスに近いご自宅まで押しかけると、S先生は私の日々の苦悶に熱心に耳を傾けてくれました。そして、傍らの書棚か1冊の本(化学量子論の初歩)を取り出し、先ずはこれを完読すること、そして理解度を整理するために、各章を読み終えたらその要約をノートに箇条書きにすること、の二点を指示されました。完読後更に2度ほど新たに書籍をお借りし同様な勉強(訓練?)を繰り返したある日、「今後は自分の将来をイメージする中で好みの書籍を自ら探し独学をしなさい」と指示されました。教わることから自ら学ぶことへの私の転換点となり、この独学姿勢は今に至るまで続いております。私は10年を一区切りとして研究の方向を大きく変えてきましたが、その都度、「世界的名書籍(名著)」が常に私の師となって、これら新たな研究分野への参入に不可欠となる学問の基礎形成を助けてくれています。

大学院修士課程・博士課程における研究指導教官、N先生、との邂逅が私に研究者としての「自覚と自信」を与えてくれました。自然科学に対し研究者は謙虚でなければならない、科学の前に老若男女全て平等でなければならない、本物の研究とは何か、一流国際誌に論文を投稿することの重要性、等々、N先生との邂逅なくして研究者としての私の今は無いと思っています。過去の研究と決別して新たな研究分野に参入する際の勇気、新規参入研究分野の国際舞台で他に伍し、そして先導する研究能力・自信、等々、多くの宝物をN先生から授かりました。そして更に、論文投稿の都度、厳しくも本質的な指摘、示唆、激励を与えてくれた一流国際誌の論文査読者達が、新規研究分野で私が成長していくための、かけがえの無い「師」となっています。

A君とB君が石ころ道を歩いているとしましょう。A君は石ころの中に、あちらこちらにダイヤモンドが散在していても、全く気付くことなく通り過ぎてしまいます。一方、B君はダイヤモンドに気付いても、それらには目もくれず、誰が見ても見栄えのしない石ころを見つけ出し(石ころと邂逅し)、大事に大事に磨き上げ、やがて、ダイヤモンドよりも貴重な宝物へと変えてしまいました。この例え話のように、その後の人生を変えてしまう素晴らしい邂逅は皆さんの身の回りに沢山あると思います。つまるところ、素晴らしい邂逅と開眼は己の「心のあり方」次第のようです。
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Chapter07

在職32年間の思い出/建設工学系 教授 加藤史郎(かとう しろう)
定年退職に当たり与えられました機会に、本学・建設工学系に勤務した32年間、学生とともに学び、また、そのなかで得た喜びなどを記したいと思います。

本学に33歳で赴任して数年は、授業内容や実験室の設計・整備などで時間が過ぎ、開学後初めての学生が修士に進学したころから本格的な研究が開始できました。テーマは、発電所の冷却塔の耐震設計、鉄骨ドームの座屈・耐震設計、RCシェル構造の耐荷力などで、主に科研と重なる内容でした。冷却塔と単層ドーム研究は、国際会議時に見たドイツの発電所とチェコのレーデラー・ドームが潜在的契機です。ヨーロッパの内陸に建設される発電所では河川の温排水問題の解決策として冷却塔が建設されはじめており、ルール大学のゼーナー教授を中心に設計法が研究されていましたが、1970代の日本では興味の対象にならない状況でした。一方、当時は、工業用水の不足、発電所による海洋温排水汚染が危惧される社会状況にあり、この解決策として土木と機械の混血構造物である冷却塔に興味を持った次第です。開始後数年で研究室の学生の成果が実り、冷却塔の座屈や耐震性に関する成果が出始めました。一方、鉄骨ドームは日本でも既に実現していましたが、レーデラー・ドーム(平面直径93.5m)に対比できる軽量のものは無く、理論と技術面で挑戦的なテーマでした。恩師の横尾、松岡、松下先生のテーマとも関連していたので、これを研究の柱の一つに据えた。本学開学前後の20年間は、社会基盤整備が日本でも高度に進行した時代であったこともあり、当時の若輩の私に取っては、理論の推進、成果の実現に向けた研究のできる恵まれた状況にあり、多くの優秀な仲間とともに研究に取り組むことができたのは幸運といえます。順次、知識処理、膜構造、グリッド処理、地震リスク評価にも展開し、これらすべてが学生あるいは民間の技術者との共同研究として楽しく実施しできましたが、これは無比の喜びであり、大学はじめ皆様のお陰と感謝しています。

開学時、修士学生を迎え研究室を立ち上げた30年前の心境は、「熟田津に船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな」の船出の歌がぴったりですが、この気持ちを思い出しつつ、22年度から新装船出するT.U.Tを心より祝福いたします。
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Chapter08

フィンランド・ヘルシンキ ヴァンター(Vanter)空港/エコロジー工学系 准教授 田中照通(たなか てるみち)
何かの折りに誰かに役に立つ知識を目指してお送りしています。

豊橋からヨーロッパへ出張あるいは旅行に行くには幾つかの選択肢があります。日本を出る際の空港選びと、目的地までの経路、そして航空会社です。近頃はヨーロッパ各国への直行便も多くなり選択肢も増えました。

日本からEU圏へ行く場合、ちょっとした注意が必要なことがあります。直行便で目的地へ到着できる場合は問題ありませんが、EU圏内で乗り換えをする場合には国によってパスポート・コントロールの受け方が異なるので注意すべきでしょう。

例えば、ヘルシンキ経由の場合です。日本→ヘルシンキ→ストックホルムの場合では、ヘルシンキにおいてパスポート・コントロールを受けます。実際の例では手荷物検査場に長い長い行列ができ、1時間以上も待たされた経験があります。この時は次の飛行機までの時間が2時間あった筈なのですが、空港内を駆け抜けて飛行機の離陸に何とか間に合い、冷や汗をかきました。もちろん免税店なんて覗いている暇はありませんでした。

参考までに、ヴァンター空港では免税店の中心は日本から見るとパスポート・コントロールの向こう側にあります。往路で経由する場合には十分な乗り換え時間を見ておかないと免税店を覗く時間がありません。また復路で経由する場合には、パスポート・コントロールを通る前に免税店に寄っておかないとお土産を買い損ねます。

日本からヨーロッパに行く場合、多くの便がフィンランドの上空を通過します。そのため短時間・格安での選択を行うと直行便を除く場合はヘルシンキ乗り換えが選択肢に入るようです。ご参考まで。
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