トップページ特集ぴっくあっぷ大学活動情報大学探訪キャンパスライフ

もくじ
クリックすると各記事の先頭に移動できます
line

Chapter01

卓越した技術科学者養成プログラムについて/理事・副学長(教育担当) 神野清勝(じんの きよかつ)
国立大学法人化が実施されてから5年近くが経過し、学内において法人化による変化がいろいろな面で起こってきています。その中で、最も顕著なものが大学の学生に対する姿勢の変化であります。授業評価やFD活動に見られる学生の立場に立った教育内容や教育環境の向上は法人化のもたらした利点の一つですが、それにも増して多くの大学での、学生への経済的な支援体制を強化する努力には目を見張るものがあります。

本学は、豊かな人間性と国際的視野および自然と共生する心を持った技術科学者の育成を、教育目標に掲げています。この実現に向けて、法人化後学生に対していろいろな施策を行ってきています。その代表的なものが、学生への経済的支援・表彰プログラム"卓越した技術科学者養成プログラム"であります。以下に、その概要を示します。

1.新入生向けプログラム
 (1)学部1年次生
第1年次入学者選抜試験(推薦入学、一般選抜等)で成績優秀な合格者に対し、入学料を全額免除します。(平成21年度入学者より適用)
本年度は推薦入学対象者8名が候補者となっています。 また、学力入学対象者は2月の入学試験後決定されます。
(2)学部3年次編入生
第3年次入学者選抜試験(推薦入学、学力選抜、外国人留学生特別選抜)で成績優秀な合格者に対し、入学料を全額免除します。(平成21年度編入学者より適用)
昨年夏の入試により、推薦入学対象者95名、学力入学対象者75名の学生が免除候補者となっております。

2.在学生向けプログラム
(1)学部および修士課程の在学生
成績優秀者を表彰すると共に、授業料を半額免除します。本学における成績等により対象学生を決定します。(平成20年度後期より適用)
20年度は、40名の学生が選出されました。
(2)博士後期課程の在学生
優秀な研究成果が期待できる学生に対し、経済事情により進学できない優秀な学生の進学を促し、良好な学修環境を確保させて、学生の研究力向上を目指すために、経済的に支援します。

@大学特別支援
毎年8名を大学特別支援学生として表彰し、年額100万円を上限(授業料を含む)として最短修業年限まで支援します。(平成19年度より適用)
これまでに、平成19年度6名、20年度3名(前年度6名のうち4名が継続で合計7名)がこの援助を受けております。
A教員特別支援
年額150万円を上限(授業料を含む)として単年度支援(平成18年度より適用)します。
これまでに、平成18年度3名、19年度18名、20年度6名がこの援助を受けております。

以上のような積極的な経済的支援に加えて、現在新しい学生宿舎を建設中です。
よりいっそう充実した学生への生活支援体制を確立するための施策を実施していく予定です。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line

Chapter02

語学学習にe-Learningをどう活用するか?/エコロジー工学系 准教授 田中照通(たなか てるみち)
筆者(FD研修会にて)国際的なあるいは最先端の研究室の大学生は研究の暇を見つけては英語論文を読んでいるのが当たり前で、年に100報くらいは目を通しているもの。こんな常識はいつの頃からか通じなくなってしまいました。学生の語学の実力を冷静に分析してみると、実に多くの人が中学で習ったはずの英語文法の段階でつまづきをみせており、英作はおろか、論理的な記述が中心の研究論文でさえ読みこなせないでいるという現状が見えてきます。こうした現状に際して比較的若い教員の間に「何とかならないか?」という気運が芽生えつつあり、そこに受け入れられつつあるのがeラーニングと呼ばれる手法です。

語学におけるeラーニングは専門科目の場合とは異なり、画像や映像の配信ではなく、かつて紙媒体で広く利用されていた自習型問題集をWeb媒体に載せた形式を採用しています。いわばWeb型問題集と言った感じです。ここ数年間において多くの大学において採用されているのはアルクという会社が作ったNetAcademy2(以下NA2)というソフトです。本学でも比較的早くから語学センターに導入していたそうですが、今回のFD研修会を機に改めて紹介することになりました。NA2でできることは、利用者(学生)に対しての教材の提供、問題の採点、そして管理者(教員)に対する利用者の学習履歴記録の開示です。

FD研修会でのパネルディスカッション本学の場合、全編入学者に対してNA2の利用アカウントを配布しているので、学生は望みさえすれば学内のWeb環境のいずれからでも利用することが可能になっています。ただし教材環境は整備されていても機会が無いと利用しないのが人の常なので、今回のFD研修会では利用例と効能についての事例紹介を行う運びとなりました。パネラーは機械システム工学系の河村先生、人文・社会工学系の加藤先生、そしてエコロジー工学系の田中(照)です。研究室の学生を対象として自主性に任せた利用例を河村先生が紹介しました。教員は「見守る」立場を徹底し、強制的な負荷はかけずに週に一度励ましのメールを送りつつ、学生の学習状況を把握するという方式はあなたの研究室で明日からでも適応できるやり方ではないでしょうか。本学の語学(英語)教育の総枠とNA2の利用に関しては加藤先生が紹介しました。語学専門系だけあってNA2に関しては授業外学習を前提として学生に利用させているようです。NA2利用と語学力との関係に関してはTOEICの高得点取得者は概してNA2の利用率が高いことを、また、英語力と日本語(母国語)力とは高い相関があるとの印象でした。NA2を主授業として利用できるのか?という事例は田中が紹介しました。エコロジー工学系は1〜3年次に対して別個に英語を必修化しており、その一部をNA2化した事例です。授業に組み込むことで強制的にNA2を体験することになりますが、その効果をきちんと評価できるのはこれからのことになるでしょう。

総じた印象としては教材と機会を与えることで評価できる効果を現すのは対象学生の1〜3割程度に過ぎないということです。また英語での事例は表面化された一例に過ぎず、同じ根を持つ問題が他の専門分野においても生じていることを忘れてはならないでしょう。

NA2、使ってみると結構よいですよ。何もしないよりはマシ。せっかくあるのだから。そんな気持ちで始めてみませんか?まずは英語から。
この記事に対してレビューを書く
ページトップへ戻る
line