豊橋技術科学大学五十年史

治体が連携して、この地域が持つ「知」や「技」を広く地域の人材育成に生かし、この地域全体の活性化に貢献するこ とを目的とした「社会人キャリアアップ連携協議会」が設立された。また、豊橋市は令和 6 年度から未来産業人材育成 支援事業を立ち上げ、地域事業者の生産性向上に向け、新たな学びの仕組みを構築することで交流と学びの好循環を生 み出し、社会経済環境の変化に対応できる産業人材の育成を支援している。本学は知を提供する立場としてどちらにも 参画し、地域の重要な課題である産業人材の育成に深く関わっている。 3.次代を担う世代に向けた人材育成 東三河地域を中心に、高等学校との連携を様々な形で行ってきた。時習館高校とのSSH事業は令和7年度から第4 期に入り、初期に比べると内容も大きく変化したが、連携協議会を通じて意見交換を重ね、教員や学生TAによる支 援を継続している。また、元々SSH事業の一部であった地域高校生向けの実験実習講座が、本学独自の「Summer TECH-CAMP」へと発展し、愛知県全域及び静岡県西部地区から毎年多くの高校生が参加している。湖西市と本学と の協定締結を機に、新居高校への講演講師の派遣等が始まり、また、文部科学省の DX ハイスクール事業が始まったこ ともあり、探究活動への支援を希望する高校からの打診も増えている。 高大連携事業を通じて本学への進学可能性を期待するところでもあるが、そもそも理系を選択する子どもたちが増え ないことには、その先につながらない。本学の教育や研究を活かした実験や体験を通じて、小中学生のうちから科学に 触れる機会を提供すべく、「子どものための科学展」や「青少年のための科学の祭典」といったイベントへのブース出 展を継続している。また、本学独自のイベントとして、オープンキャンパスで行っていた子ども向け講座を独立させた 「技科大TECHフェスティバル 小中学生向け体験学習教室」を開催するようになった。この地域に科学に関心を持つ 子どもが増え、次代を担う人材となっていくことを期待している。 4.コロナがもたらしたもの 社会連携事業は、ほとんどが対面で行われており、令和 2 年から令和 5 年にかけてのコロナ禍では常に開催の可否を 問われた。ここで新たな方法として「オンライン」での実施が確立していく。正課の授業や諸会議にオンラインが積極 的に導入されたこともあり、聴講タイプの講座については、加速的にオンライン化が進んでいった。しかし、実験・実 習の類いは対面でしか実施できない。活動制限中は中止とせざるを得なかったが、少しずつ活動が許されるようになっ てくると健康調査表による体調確認を行いつつ、徐々に活動を始めていった。 今では、講座での対面・オンラインのハイブリッド開催は珍しくなく、受講者も大学の雰囲気を味わいたいのであれ ば対面で、自宅でくつろぎなから聴講したいのではればオンラインで、と受講方法を選択できるようになっている。コ ロナは私たちの活動を制限したが、新たな講座の開催方法を確立するきっかけにもなった。 5.社会連携の今後 社会連携や社会貢献はもはや大学の役目として当然のものと位置づけられ、地域においても様々な方面から期待され ている。地域の課題解決のための研究や大学の知に基づく各種講座の提供はもとより、次代を担う子ども達に対して科 学の芽を育てる活動を行うことも大切な使命と言えよう。18歳人口の減少については、大学の直面する問題としてか なり以前から取り上げられているが、この地域(全国の大多数の地域)では、若い世代の人口流出問題への対応が重要 69 II 転換の10年

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