3.2.3 研究戦略 本学は、平成16年度の法人化以降、国立大学運営費交付金の継続的削減という厳しい財政環境のなか、外部資金の 積極的獲得によって教育研究環境を維持・強化してきた。21世紀COEやGCOEの採択を契機に、研究力と知名度を 高め、平成 22 年度にエレクトロニクス先端融合研究所(EIIRIS)を設立するとともに、テニュアトラック制度など人 材育成策を展開した。 また、平成 25 年度には、文部科学省の「研究大学強化促進事業」(詳細は 3.4.3 で説明)への採択を契機に、研究戦 略室や産学連携推進本部を発展させ、研究推進アドミニストレーションセンター(RAC:詳細は 3.4.5.8 で説明)を整 備することで、競争的資金獲得支援、知的財産管理、研究設備の有効活用などを組織的に推進し、異分野融合を軸に「課 題解決型工学」から「価値創造型工学」への進化を掲げ、人材登用、国際化、研究分野、研究推進体制の改革を一体的 に進めてきた。 平成28年度以降、研究力の強化と社会実装を重視した戦略的な研究展開を推進している。同年度には「技術科学イ ノベーション研究機構(RITI)」を設置し、産学連携や融合研究、先端プロジェクトの推進を通じてイノベーションを 創出する体制を整備した。 さらなる中長期的な展開として、2032年を見据えた「将来ビジョン」を策定した。社会ニーズに即した優先研究領 域の設定や、学内外の連携による競争力強化を打ち出している。具体的には、半導体・センシング分野における世界的 な拠点化、地域産業との共同研究を通じた社会実装に加え、若手研究者や大学院生の活躍を支える研究環境の整備を加 速させている。 併せて、デジタルトランスフォーメーション(DX)やSociety 5.0に対応する研究基盤の拡充、およびSDGs達成に 寄与する地域共創型の実証フィールド構築にも取り組んでいる。 今後当面は将来ビジョンも踏まえながら、以下の戦略を推進していく。 ・技術科学を基盤とした研究力の強化 「技術科学」の理念に立脚し、基礎から応用、社会実装までをシームレスに捉えた研究を推進し、実社会の課題解決 に直結する成果を継続的に創出し、知の拠点としての存在感を高める。 ・社会課題起点型研究への転換と深化 少子高齢化、環境・エネルギー問題、産業構造の変化などの社会的要請を捉えた研究テーマ設定を推進し、個別技術 の高度化にとどまらず、社会システム全体の変革(システム・チェンジ)を志向した研究を展開する。 ・異分野融合・分野横断型研究の推進 工学の枠を超え、情報・データ科学、生命科学、人文社会科学との融合を加速させる。また、分野の壁を越えた協働 を前提とする柔軟な研究組織・プロジェクト形成を戦略的に支援する。 ・重点分野の明確化と集中支援 半導体、ロボティクス、AI、先端材料、グリーンエネルギー等、国家戦略と連動した重点領域を特定し、限られた 資源を戦略的に投入し、国際競争力を備えた世界トップレベルの研究拠点形成を目指す。 66 豊橋技術科学大学五十年史
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