豊橋技術科学大学五十年史

3.4.6 研究に関するその他のプロジェクト 本項では、研究に関するその他のプロジェクトについて挙げていく。 (1)産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA:平成 30 年度~令和 5 年度) 本プログラムは国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が平成 28 年度に開始し、本学は平成 30 年度に採択された。 本学のプログラムでは本学が世界で初めて開発した「イオンイメージセンサ」の技術をベースとして、様々な物理現象 や化学現象をリアルタイムで可視化する革新的な「マルチモーダルセンサ」の実現のため、次のことを目標にし、半導体 センサ技術を、農業や医療といった異分野と融合させ、実用的なデジタルツインの基盤を作った点で高い功績を挙げた。 ①ミクロンレベルの分解能を可能とするマイクロチップ設計製造技術 ②複数の物理・化学現象を同時に観測するマルチモーダルセンシング技術 ③様々な事象の変化をリアルタイムに検出する技術を民間企業とのコンソーシアムにより創出し、IoT、AI時代を 支えるデータの価値を飛躍的に高めるセンサの実現と、医療・バイオ・化学分野等の高度情報化に向けた基幹産業 の創出につなげる (2)半導体基盤プラットフォーム(ARIM-SETI:令和 7 年度~ 12 年度) 本プロジェクトは文部科学省「半導体基盤プラットフォーム(ARIM-SETI)」事業であり、国内の先端研究基盤を相 互に連携させ、半導体分野の研究開発と人材育成を強化する国の大規模ネットワークプロジェクトである。 本学は、次世代半導体・センサ科学研究所(IRES²)による「設計・試作・評価」の一貫した支援体制を持つ機関と して採択され、全国 26 の研究機関とともに最先端設備や専門技術を提供している。 本プラットフォームの目的は、材料・デバイス・集積回路の研究支援を一体的に提供し、国内の幅広いユーザーが先 端的な半導体技術にアクセスできる体制を整備することにある。本学では、4インチウエハ対応の集積回路試作、 MEMS・光デバイス加工、評価機器などの設備を開放し、学内外の研究者や企業のデバイス開発を支援する。 さらに、研究支援に加え、専門技術者の派遣やデータ利活用支援も実施。単なる設備共用にとどまらないデータ駆動 型研究開発の促進や社会実装への貢献を通じて、日本全体の半導体研究開発の加速と人材育成、産学官連携の強化を目 指していく。 (3)地域中核大学イノベーション創出環境強化事業(令和 4 年度~ 5 年度) 本事業は、地域中核大学が独自の強みを活かし、地域ニーズに即した社会貢献や産学官連携を推進することで、財源 の多様化および地域イノベーション・エコシステムの構築を目指したものである。具体的には「地域課題解決の強化」「既 存産業の社会実装支援」「人材育成」を 3 本柱に据え、地域産学官金による協創プラットフォームの形成に取り組んだ。 成果として、自治体拠出を含む総額約 6.73 億円の大型プロジェクトを推進し、地域企業への技術支援、スタートアッ プ支援(9 件)、プロジェクト支援(37 件)、教育コンテンツ開発等を実施した。さらに、一般社団法人「技科大テック ブリッジ(3.2.7.5 で詳述)」を通じて技術相談の効率化や退職教員による有料相談体制を整備し、産学官連携基盤のさ らなる強靭化を図った。 143 II 転換の10年

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