3.4.4 科学技術振興機構・研究成果展開事業 産学共創プラットフォーム共同研究推進 プログラム(OPERA) OPERA は、科学技術振興機構(JST)が公募したオープンイノベーション加速のための支援事業であり、産学連携 において、非競争領域の研究開発を民間資金と国費のマッチングファンドにより推進するプログラムである。大学と民 間企業で構成する共創コンソーシアムが自ら作成した技術・システム革新シナリオに基づいて、産学共同研究や人材育 成を実施する。プログラムには共創プラットフォーム型(4.5 年間)、共創プラットフォーム育成型(5.5 年間)、オープ ンイノベーション機構連携型(4.5 年間)の 3 タイプがあり、全国 14 大学で 19 テーマが採択された。本学は共創プラッ トフォーム育成型を受託し、マルチモーダルセンシング共創コンソーシアムを組織し、研究開発プロジェクトを推進した。 ■研究開発目標 研究開発では、微小なミクロンレベルの空間分解能とミリ秒以下の時間分解能を持つマルチモーダルセンサを実現し、 未だ相関関係が明らかにされていない様々な情報を可視化することで、医療・バイオ・化学分野等の高度情報化に向け た新たな基幹産業を創出することを目指した。ここで、マルチモーダルセンサとは、単一のセンサで温度・湿度などの 複数の物理量を検出させるもので、異種複数のセンサを用いることで多様な情報を取得できる。 ■研究開発体制: 本プロジェクトでは、技術・システム革新のシナリオを設定し、その実現に向けた活動を行った。初期のFSフェー ズ(1.5 年間)は研究開発課題 3 以上を設定し、参画企業 3 社以上、民間資金 2,500 万円以上獲得が要件であり、後半 の本格実施フェーズ(4 年間)は研究開発課題 5 以上、参画企業 10 社以上、民間資金 1 億円以上獲得との要件があった。 このため、本学が幹事機関となり、延べ数で大学等5機関、民間企業28社からなる共創コンソーシアムを運営し、研 究開発課題として 8 テーマを設定した。 FSフェーズではセンサ基本素子、感応膜材料などマルチモーダルセンシングの基盤技術を開発すると共に、応用分 野を農業、環境、医療・創薬、ロボット分野等に定め、新規参画企業を開拓した。 ■研究開発成果 基盤技術として、センサ素子構造、水素イオン感応膜形成、高速・高精細化のための回路・アーキテクチャを開発し た。当時 1 機種が外部に提供可能であり、プロジェクト終了後のチップ提供として新たに 3 機種の試作を終了した。匂 いセンシングでは、導電性高分子膜への添加物を工夫して匂いに対する応答を検討すると共に、参画企業によって匂い センサモジュール及び匂い自動測定器が開発された。圧力センシングでは、µm レベルの微小領域でµNレベルの微小 圧力の検出に成功したほか、剪断変形を利用して nN レベルの剪断力を検出する目途を得た。 応用展開として、環境分野では、匂いセンシング利用技術として、グリッドによる匂い選別機能や機械学習による匂 い判別の有効性を確認した。フィールドテスト機を製作し、植物工場内モニターを実施している。また、植物工場養液 管理においてイオン濃度測定を自動化し、目標精度を達成した。農業分野では、従来にはない、匂いに基づく生育環境 制御、根域計測による生育モニターを検討し、生育環境により発生する匂いの強さを制御できることを見出した。新た 126 豊橋技術科学大学五十年史
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