豊橋技術科学大学 派遣型高度人材育成協同プラン

豊橋技術科学大学
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活動記録


平成21年度MOTコース履修者の声

博士後期課程 電子・情報工学専攻2年 秋月 拓磨

 MOT海外研修では、フランス・リヨン市近郊にある株式会社ジェイテクト ヨーロッパテクニカルセンターにて1週間の企業実習をさせていただきました。実習先では、技術センター内のDirectorおよび各部門/課のManagerクラスの社員5名の方々に対し、技術経営に関するインタビューを実施し、大学の研究成果がJEU−TC内でどのように活かされているか、また企業は大学にどのような成果を期待しているのか、について各人の意見を伺うことができました。そのなかで、品質・コスト・性能に対する要求の高さは、私の想像以上に厳しいものであり、海外企業を含む同業他社との競争の中でとくに信頼性の維持と高品質化に注力されている姿が印象的でした。また、現地・日本間で連携して技術的な課題をクリアしたり、現地の大学との共同研究で開発されたシミュレーション・ソフトウェアを製品設計に積極的に活用するなど、グローバルな製品設計・開発の現場を体験することができました。
 併せて、今回の研修ではフランス・ドイツの6つの大学・研究所を意見交換および施設見学を目的として訪問しました。訪問先では、自身の学位研究の内容を中心に、それぞれの研究テーマについてデモンストレーションなどを交えて紹介し合いました。当初、文化的・言語的にどの程度コミュニケーションが取れるか不安でした。しかし、それは相手も同じで、研究室には様々な国や地方出身の人々が所属しており、文化や言葉も多様です。そのため、異国からの訪問者に対してもオープンな雰囲気で迎え入れてもらい、その一方で、こちらがなかなか理解できない点には、そのことを伝えると時間を割いて丁寧に説明してくれました。そして何よりも、海外の同じ博士課程の学生や若手研究者と出会い、ディスカッションできたことは、とてもよい刺激となりました。今回の研修を通して、企業における大学研究の役割を知るとともに、海外の若手研究者とのつながりを得ることができました。


修士課程 生産システム工学専攻1年 川合 貴大

 製品を作れば売れるという時代は終わり、今後社会のニーズに応えられる様な製品を技術者が考え、開発していかなければなりません。その中でMOT企業実習は自分が現在取り組んでいる研究をテーマとして、経営のビジョンを立てる力を養うのに大いに役立ちました。私はMOT企業実習で理論計算や実験を行ないながら特許調査を行なう事で、新しく開発する材料が社会で貢献できるかを調べてきました。開発する材料や製品の特性を社外製品と差別化する事が困難になってきている中、経済的にも特許による生産技術の差別化が重要となっています。大学での特許調査のデータベースでは限界が有り、企業で特許調査する事でより広い範囲でその研究分野における技術を垣間見る事が出来した。そして学部4年生に行う実務訓練による実習とは異なり、MOT企業実習では自ら実習計画を練り、自分が何をこの実習で学び、どの様な成果を出したいのかを考えながら行動する必要があります。実際の企業の研究開発分野では、研究分野の専門知識に加えて計画性や判断力が特に重要となってくると私はこの実習を通して特に感じました。MOT企業実習は自分が能動的に動く機会が多いので、計画性や判断力を養う面でも良い機会となりました。
 最後に、MOT企業実習を受け入れて頂き、お世話になった企業の方々に、厚く御礼申し上げます。

平成20年度MOTコース履修者の声

博士後期課程 電子・情報工学専攻1年 田崎 良佑

 博士MOT海外研修で,ドイツのクラウスタール工科大学に1週間,ハインリッヒワグナー新東社に2週間の訪問をしました。海外での企業−大学間の共同研究の場に参加し,また,企業の経営者・管理者の方々と技術経営について議論を行うなかで,事業化までのマネージメントの一連を学びました。
 ドイツでは,工学部の学生の多くが経営・技術経営について学んでいます。大学の教養科目として「Unternehmens-forschung:ビジネス研究」「Investition und Finanzierung:投資・資金提供」「Marktforschung:市場調査」「Projektmanagement und planung:プロジェクト管理と計画」などの日本でいう経済・経営学部の授業を採り入れています。これによって,学生は,工学の専門知識を深めるだけでなく,広い視野を持ち,社会で大いに活躍できる自分づくりができるのだろうと思いました。今回の研修では,自分の研究にプライドを持って前進し,また,企業・大学でのリーダー人材になるという意志を持つ博士課程の学生たちと,刺激に満ちた日々を過ごすことができました。
 企業研修では,経営者はもちろん現場作業員までの多くの人が教養的にMOTのツールを知っていることで,各部署での,経営者&管理者層でのコミュニケーションの中から,上手く自社の強みを汲み出し,製品価値を向上させ,事業化を達成させていることを体感しました。また,大勢の人々と出会った体験を通して,私はグローバルコミュニケーションを楽しみ,学びました。単身で訪問したために,人々とのコミュニケーションをちゃんと取るように努める必要がありました。話がわかるまでYESと言わない姿勢は相手に通じるようで,こちらが必死に学びにきていることを知ると,技術経営の話題を越えて「研究者への期待や,人・社会のために役立つためには」のような個人の意見までを交わすようになることを実感しました。


修士課程 生産システム工学専攻1年 熊谷 匡明

 今の社会には多くのものがあり、どんどん便利で豊かになっています。そのなかで新しいニーズを見極め、必要な技術の研究、開発を行うことは難しくなってきているため、高いMOT能力を持つ人材が今後ますます必要となっています。
 MOTコースを受けることで、技術の学習だけでなく、経営についての知識を得ることができました。また実習期間中は他の技術や研究に触れる機会が多くあり、その中で技術者がどれだけニーズを意識して研究しているかを知り、また高いMOTの能力を得るには多くの知識、経験とセンスを必要とすることを知りました。
 この経験によって、今の社会に必要な人材を知ることができました。今後はMOTについて意識し、優れた技術者となれるよう努力していきたいと思います。

平成19年度活動記録

平成19年度活動記録

受講生の声

修士課程 生産システム工学専攻1年 岡田 洋平

 MOTの実習を通して、製造業を営んでいる会社がこれから生き残るためには、
技術者が懸命に良い製品を造るだけではなく、どのような製品が世の中に求められているのかといった経営についても勉強しなければならないことを実感しました。
 高度成長期の間、日本では製品を製造すれば売れるといった時代が続いていました。世の中のニーズが耐えなく存在し、会社の工場では、製造ラインをどのように組んだら効率良く大量生産できるのかといった製造方式であるプロセスイノベーションの改良を行ってきました。しかしながら、製品が世の中に行き渡った現在、製品は余り顧客のニーズが狭くなってきています。
 また、近年、技術の移り変わりやニーズの移り変わりが激しいため、常に製品の進化が問われています。そのため、企業は常に顧客のニーズに応じて製品を創造するプロダクトイノベーションへと推移しなければならないということを学習しました。会社は過去の栄光だけでなく、現在の実力を問われる時代になってきています。
 これらの背景を基に、技術の漏洩を守る特許戦略の方法や共同研究・事業委託の必要性について、また研究から産業化までの技術者参入の必要性について学習し、普段大学にいるだけでは学習することのできない内容について触れることができました。
 今回学習した内容は、これから社会に出てどのように生かされるか定かではありませんが、現在のさまざまな会社の現状を知ることができ、私にとって大きな経験になったと思います。



平成18年度活動記録

平成18年度活動記録

受講生の声

修士課程 生産システム工学専攻1年 田崎 良佑

 理系大学院生の多くが、研究者・技術者を目指し、日々、学業・研究に励んでいますが、自分の生み出す技術やそれに繋がる技術要素に対する価値評価は行っていないのが現状です。研修では、一連のものつくりプロセスについて考えるなかで、「技術」が「商品」になることを体感しました。製品化までの研究・開発ステージにおける技術価値の創出を主に考えるなかで、社会ニーズの認識や、新技術と従来シーズ技術の結びつけも重要な課題となります。

 これらの学習は、大学院で行う研究についても、将来ビジョンを見据え、社会貢献性や技術価値の向上へ取組むことができ、意義のある研究成果を生み出すことに繋がります。また、いざ社会(会社)へ出たときにも、自分がどういった社会のどこにいるのか、なにをするべきかを把握することができ、実力を十分に発揮できる人材になると思います。

 いいねMOT!!

修士課程 生産システム工学専攻1年 寺田 鉱樹

 今回のMOTでは、企業の中での技術者の立場が転換の時期にきていることが、実感できました。これまでのただ物を作る・設計するだけではなく、市場の調査によってニーズやシーズの認識を行う必要があることも理解できました。

 また、最終的に開発計画書というものを実習の成果としてまとめました。その中でまず、如何に顧客の価値のあるものを探し出せるかという作業が重要であると感じました。

 ただ価値のあるものを探し出せたとしても、その顧客(マーケット)が狭かったり、将来成長が見込めなければ、参入の可能性は見えてきません。

 この2つの項目を同時に満たすものを、見つけることは容易ではありませんが、重要なことは情報収集と研究・開発者も経営者の支店を持つことだと思います。情報を得るためにはコミュニケーション能力が必須であり、話せる技術者の重要性を感じました。


  

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