創立50周年を迎えた豊橋技術科学 大学と未来を創る 独立行政法人 国立高等専門学校機構 特別顧問(前理事長) 谷 口 功 豊橋技術科学大学は、1976 年に創設され 2026 年に創立 50 周年を迎えられました。誠におめでとうござい ます。貴校は、長岡技術科学大学とともに、全国の高専生の能力を一層高めるため、多くの高専卒業生を受け 入れ、創設以来今日まで、高専生の特徴である実践性(現場力・実務力)と創造性を飛躍的に伸長させる人財 育成に全力で取り組んでこられました。高専を経て(あるいは、直接)技科大で学びを深め、社会の様々な課 題に挑戦する実力を大きく伸ばした貴校の卒業生は、現在、社会の中核的かつ先端的な高度技術人財(社会の 財産の意味)として企業の最前線で働く技術者はもとより、企業経営者、教員、最先端の研究者、さらには、 行政や芸術・文化を含めた様々な分野で活躍しておられます。また、新たな挑戦に取り組むアントレプレナー としても多様な分野で活躍しておられます。 技科大設立の 10 数年前に設立された高等専門学校(高専:KOSEN)は、1962 年の高専制度創設以来今日 まで、社会からその存在価値を高く評価いただいています。特に、高専の教育は、技科大とも連携させていた だく中で、従来からの教育プログラムに今日の課題への取り組みを加えた教育プログラムの改善を不断に進め ていること、例えば、我が国の将来を左右する半導体関連産業の人財育成、エネルギーやカーボンニュートラ ルへの課題を踏まえた高度な DX や GX 人財育成などへの精力的な取り組み、さらには、工業はもとより、医 療、農業、水産業などをも含め、あらゆる産業の発展に向けた先進的な取り組みなどが評価されています。今 日の社会の大きな変革の中で活躍できる人財の育成にスピード感を持って対応し、未来社会の創出に向けた新 しい教育プログラムの構築を進めています。 技科大と連携して、高専では、学生諸君が、科学や技術は社会に役立って(社会実装できて)こそ、その真 価が示されるとの認識を持って、互いに協力し高い志と粘り強さで切磋琢磨し、難しい・できないではなく、 どうすればできるかの視点(チャレンジ精神)から物事に取り組む人財が育っています。実践力を重視した高 等教育として、基礎から応用に繋がり、さらに修得した専門的な知識や技術を社会実装へと進めることを目指 した教育は、人や社会に幸せと発展をもたらす高度な「社会のお医者さん:Social Doctor」の育成を目指した 人財育成として、我が国から世界へと広がっています。 一方で、この30年間、科学技術の発展と社会のグローバル化や産業構造の変化に加えて、アジア諸国の目 覚ましい発展などで、我が国の国際社会での相対的な地位や存在感に陰りも見えています。我が国は、近年、 新生児の数が70万人を割り込んだと報告され、今後、急速な人口減少が進みます。この現実の中で我が国の 輝く未来を創出できる人財の育成が急務です。従来の人財育成の単なる延長上ではなく、一歩進んだ人財育成 に舵を切りながら、新しい教育内容や教育方法へとしっかりと進化させる必要があります。輝く未来を創り出 すために、時代の先を見据えて社会のニーズや新規な産業の創出要請に応え、「変化する社会(特に地域社会) を活性化して発展させる力」を持った人財の育成が必要です。そのためには、高専も技科大も教育現場として の学校だけで完結するのではなく、大学や企業、行政機関、地域の人々、国内外の仲間などとの多面的な連携 を基盤として、一人ひとりを大事に育てることが必要になります。創立50周年を迎えられる技科大と高専と の連携は益々重要になります。 結びに、重ねて、豊橋技術科学大学の益々の発展を心よりご祈念申し上げますとともに、「チャレンジ精神」 を大事にしながら、全国の高専・高専機構と技科大がお互いに連携協力して、未来に向けて、在学生や卒業生 が誇れる高等教育機関として、飛躍・発展したいと思います。創立 50 周年、誠におめでとうございます。
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