若原学長は、任期が寺嶋学長の残任期間であることを踏まえつつ、将来ビジョンの実現に向けた以下の経営戦略を推 進してきた。 • 財政基盤の構造転換:光熱費や人件費の高騰に対応するため、大学事業の取捨選択によるコスト圧縮を図るとともに、 学生宿舎や次世代半導体・センサ科学研究所(IRES²)への独立採算制導入による維持管理費の適正化を推進した。 また、戦略的な補助金や受託研究、大型共同研究の獲得を強化した。 • 教育組織の抜本的再編: 高専教育の高度化や社会的ニーズに対応するため、令和 9(2027)年度から現在の 5 課程 5 専攻を「1学部1課程(学際共創課程)・1研究科1専攻(学際共創専攻)」へと統合・再編する構想を策定した。こ れにより、学生が主体的に学修計画を設計するオーダーメイド型教育を実現し、新たな価値を創造する人材を社会に 輩出することを目指している。 • 研究の強化と社会実装:次世代半導体・センサ科学研究所(IRES²)を核とし、本学の研究のフラグシップである半 導体・センサと AI、ロボットなど、社会応用分野との融合研究を強力に推進を図った。2025 年 5 月には、豊橋市と「半 導体を核とした次世代産業振興のための連携・協力に関する覚書」を締結した。 • 管理運営の効率化(運営 DX):情報の学内公開と直接的な意見聴取の仕組みを導入し、委員会等に費やされるエフォー トの3割削減を目指し推進してきた。業務のデジタル化やAI活用を徹底し、教職員が教育研究に専念できる身軽な 運営体制の構築を図っている。 若原学長体制下において、2025 年 5 月には文部科学省の「半導体基盤プラットフォーム」に採択された。同年 6 月 には、IRES² の新たな研究施設である「LSI 棟(IRES²-4)」及び「オープンラボ棟(IRES²-5)」が竣工・開所し、世界トッ プレベルの研究・教育拠点の機能が大幅に拡充された。さらに、科学技術振興機構(JST)の共創の場形成支援プログ ラム(COI-NEXT)「未来共創分野(フェーズ 1)」に採択されたことを受け、2026 年 1 月 1 日付で「人間中心アグリテッ ク共創センター(HAC³)」を設立し、東三河地域の課題解決に向けた次世代アグリテックの展開を開始した。 3.次期学長候補者への選出(2026.4.1 ~) 現任期の満了を前に、学長選考・監察会議は慎重な審議の結果、若原学長が本学の現状・課題を的確に分析し、優れ たマネジメント能力と力強いリーダーシップを発揮していることを高く評価し、2025 年 12 月 24 日、若原昭浩氏を次 期学長候補者として決定し、公表した。選考過程では、学内教職員への推薦募集、一次面接、公開質問への回答、公開 所信表明、そして所信に対する教職員からの意見集約を経て、最終的な二次面接と審議が行われた。 若原氏は、本学の現状と課題を的確に分析し、教育・研究・社会貢献・国際連携・法人経営の各面で地域や関係機関 との連携を強化しながら、更なる発展に熱意を持って取り組む姿勢が高く評価された。次期学長としての任期は、2026 年 4 月 1 日から 2030 年 3 月 31 日までの 4 年間となる。 第 5 期中期目標・中期計画に向けた経営戦略とビジョン 若原学長は、産学共創教育を基盤として、分野の枠を超えた「共創」を柱とする「イノベーションを牽引するオープ ンな研究大学」を目指すべき将来像として掲げている。学生が主体的に学び研究開発に挑戦する校風を醸成し、新たな 価値を創造する人材を社会に輩出することをビジョンとしている。 第 5 期中期目標期間に向けた具体的なアクションは以下のとおり。 57 II 転換の10年
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