豊橋技術科学大学五十年史

以下、代表的な研究事例を紹介する。 3.1 データ情報学分野(西村良太研究室) 西村研究室では、人と機械が自然に対話できる社会の実現を目指し、音声対話システム、音声認識、音声合成に関す る研究を推進している。特に、人間同士の会話に見られる「あいづち」「オーバーラップ」「話者交替」などの現象を計 算モデルに組み込み、対話の自然性を高める研究に注力している。 リアルタイム音声対話システムでは、音響特徴量と言語情報を深層学習モデルで解析し、発話途中であっても応答タ イミングを判定することで、円滑なインタラクションを実現している。さらに、超高齢者音声コーパス(EARS)の構築、 感情表現を含む音声合成、低リソース言語の音声技術など、社会課題に対応した研究を幅広く展開している。 3.2 ヒューマン・ブレイン情報学分野(上原一将研究室) 上原研究室(脳神経情報動態研究室)は 2023 年 4 月に設立され、人間情報学を軸に、脳と身体がどのように情報を 統合し、適応的な行動を生み出すかを研究している。心理物理実験、脳波(EEG)・機能的MRI(fMRI)計測、非侵 襲脳刺激を組み合わせ、脳活動・行動・主観体験の関係を多角的に解析している。 近年は、人工知能と数理モデルを活用した神経活動ダイナミクスの解析、仮想現実・複合現実を用いた知覚・運動研 究にも展開している。基礎神経科学の深化に加えて、リハビリテーション支援、教育支援、ヒューマンインタフェース 設計などへの応用を見据えた取り組みを進めている。 図1 リアルタイム相槌・話者交替予測を行う音声対話システムの構成図 160 豊橋技術科学大学五十年史

RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=