3.5 各系・院における教育と研究 3.5.1 機械工学系における教育と研究 機械工学系の紹介 1.はじめに 現在の機械工学系(1 系)とは、今から 16 年前にあたる平成 22(2010)年度の大学全体にわたる学科再編に伴い、 機械システム工学系(いわゆる旧 1 系)と生産システム工学系(いわゆる旧 2 系)が発展統合することで産声を上げた。 学内ではこの経緯があったため、16年たった今でも機械工学系を「新1系」と呼ぶ人も多い。本統合により教員構成 人数も増員した 4 コース制となり、教育プログラムも機械システム工学系の主流であった機械設計や熱流体に加え、生 産システム工学系の主流である生産加工および材料に関する知識を網羅するものに改編された。おりしも、当時、我々 は東北地方太平洋沖地震という歴史的な災害を経験しており、役に立つべき工学における安全性に特に注目された時代 であった。そのような中で行われた本学科再編は、機械工学をより広い枠組みでの統合システムとして扱うべきである との時代の要請に応えたものと考えることができる。もちろん、40周年の際の記事にもあるように、本統合により統 合前の旧 1・2 系の持つ特色も混ざり合い、基礎から応用までの研究教育が行われるようになるなど、今でいうダイバー シティ(多様性)を構成教員が持つことが求められ、大きな意識改革をもたらす変化でもあった。なお、そこから16 年を経た現在、本学ではさらに大きな枠組みへ改変することを目的とした「学科全体の統合」を予定しており、より横 断的な工学知識を持つ学生を育成すべく、2027 年度より「1 学科 5 コース制」に向けた準備が着々となされている。そ の意味では、この記事は「機械工学系」として果たすべき役割を16年の間にどのようにしてきたのかをまとめる役目 を担っていると位置づけられよう。筆者は 2014 年に着任したため、機械工学系が産声を上げた後の最初の(混沌とした) 4年は体験していないものの、学科統合により教育カリキュラムなどが一本化された後の状態を振り返りながら紹介し てみたいと思う。 2.機械工学系の要素と変遷 2.1 機械工学系の理念と構成 機械工学系では、機械工学のメカニクスなどを含めた基礎理論、及び機械やシステムデザイン技術を教育するととも に、21世紀の人間社会を見据えた環境・エネルギー工学技術や人や環境に優しい高機能化材料、先端加工技術、マイ クロ・ナノ技術の生産技術に加え、しなやかな生産システム、計測・制御、システム工学などの知能メカトロニクス技 術を教育することで幅広い機械工学に関わり知識を学ぶプログラムとなっている。特色として、学部課程の学部 1 年か ら3年までの学生は一つの枠組の中で機械工学の全般を学んだ後、学部4年から大学院においては、「機械・システム デザイン」「材料・生産加工」「システム制御・ロボット」「環境・エネルギー」という社会が求める重要分野である 4 コー ス(15研究室)が設けられ、選んだコースを軸に高度な専門の学びへと接続している。これにより、機械工学とその 応用分野をより広く・深く学べるような教育設計をしている。コースは学生の専門を「縛る」ものとならないよう履修 に対する選択自由度は高く設定しており、学生の適性・志向に応じて個々に設計可能な教育を実現することにしている。 このように、機械工学では機械工学全般と 4 つのコースを自由に選択することにより、「機械工学を幅広く学ぶ」「機械 145 II 転換の10年
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