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Chapter01

「海外教育拠点『ペナン校』設置」〜グローバル社会で活躍し、イノベーションを起こす実践的技術者の育成〜/国際教育センター長 松田厚範(まつだ あつのり)

【世界に羽ばたけ技科大生!】
本学は、経済成長著しいアセアン地域でも特に重要なマレーシア・ペナンにマレーシア科学大学(USM)と共同で海外教育拠点「ペナン校」を設置しました。これを拠点として、本学の学生の皆さんを「留学生」として現地企業に送り出し、一定期間教育を実施する事業(海外実務訓練)を強力に推進し、世界的な視野を持つグローバル技術者を育成する事業を展開します。ペナン校での活動を通じて、(1)企業と連携した世界の中でのものづくりを学び、(2)日本文化の再認識と多様な文化の吸収を行います。さらに、(3)現地の活動からエネルギーを吸収し、現地学生とも共学して友好を深め「未来志向」の意識改革を目指します。さあ、世界へ羽ばたけ技科大生!

 マレーシア・ペナン州(左)とペナン校の外観(右)

 【国内外の注目を集めたオープニングセレモニーとシンポジウム!】
平成25年12月4日から5日にかけて、ペナン校オープニングセレモニーとシンポジウム「IGNITE2013」を開催しました。マレーシア日本国大使 中村滋氏、文部科学省 金子実視学官、USM 副学長 シーチンメイ氏、ペナン州のミニサーキッツテクノロジーズ会長 ケルビン氏、国立高等専門学校機構 小畑秀文理事長、長岡技術科学大学 三上喜貴副学長らが榊学長と共にテープカットを行いました。

 ペナン校オープニングセレモニー(左)とお祝いのライオンダンス(右)

 シンポジウムには、USM関係者とマレーシアの多くの企業、さらにニューヨーク市立大学クイーンズ校、モナシュ大学、ハサヌディン大学、シャクアラ大学、パダン工科大学、ベトナム国家大学ハノイ校工科大学、ダナン大学工科大学などから代表が参加しました。オープニングセレモニーとシンポジウムの様子は、中日新聞、光華日報、光明日報など国内外の新聞に取り上げられ、注目を集めました。これから全学をあげて、その期待に確りと応えていきます。みなさん応援よろしくお願いします。

IGNITE2013シンポジウム(左)とレセプション(右)の様子

【ペナン校を拠点として海外実務訓練を強力に展開!】
平成26年1月から2ヵ月間本学の4年生21人がペナン校を拠点として海外実務訓練を行います。USMでのオリエンテーションと英語研修の後、実務訓練を開始します。派遣先企業は、東レ、パナソニック、クラリオン、日鉄住金、フェアチャイルドセミコンダクター、ミニサーキットテクノロジー、キュードスフレックスサーキッツなど日系・多国籍・地元企業とさまざまです。期間中に、ペナン校での講演会・集合研修・中間報告会も計画されていて、多くの指導教員が視察をします。帰国後は、ペナン実務訓練報告会が英語で行われます。海外での貴重な実務経験を通じて、一層大きく、逞しく成長した技科大生に会えるのが本当に楽しみです。新学部4年次のみなさんは、先輩に続いて海外実務訓練に是非挑戦してください。

ペナン島を中心とした多様な企業からなる工業地帯

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Chapter02

回診支援ロボットTerapio―医療従事者や患者を支援するシステム開発―/人間・ロボット共生リサーチセンター長 寺嶋一彦(てらしま かずひこ)

平成25年3月に回診支援ロボットの試作機を完成させました。名前は、Terapio(テラピオ)です。テラピオの名前の由来は、治療を意味する「セラピー」、また、 ピオは、イタリア語で、男の子を表すなどから出てきた造語です。

回診支援ロボット Terapio(テラピオ)

今回発表した回診支援ロボットは、福島県立医科大学(FMU)が「医師や看護師など医療従事者を手助けし、患者に安心感を与えるロボットを作れないか」という依頼に対して、本学(TUT)人間・ロボット共生リサーチセンター(CHRSR)のセンター長である著者をリーダーとする「回診ロボット開発チーム」(三浦純、北崎充晃、田崎良佑、三枝亮、内山直樹、佐野滋則、三好孝典、大村廉の先生)により、CHRSRの保有するシーズ技術を集積し、また豊橋、福島の地元のモノづくりに優れた企業(豊橋側:潟Pー・イー・アール、シンフォニアテクノロジー梶A福島側:朝日システム梶ANTT東日本梶jの協力を得て、回診支援ロボットのプロトタイプの設計と試作を行ったもので、FMU医療工学寄付講座(潟Aドテックス寄附講座)の支援により、テラピオが誕生しました。

開発したロボットは、緑と白のツートンカラーで、丸みを帯びた樽のような形です。高さ1.5m、胴回り2m、重さ70Kgで、顔になっている上部画面に触れて操作します。瞬時に360度好きな方向に移動できる全方向移動機構を有し、また障害物を回避し、特定の人に自動追従する機能や、振動を抑制した快適な走行制御、ベッドへの幅寄せが、ほんの小指で押す程度の小さな力で正確にできるパワーアシスト制御機能等を有します。また診察では、画面操作で、内服薬などの履歴と共に、患者毎に図表やグラフで表示が可能です。付属のライトで傷口を照らしたり、診察時の医者と患者の様子や会話を撮影、音声収録できます。胴体には、ピンセットやガーゼなど医療器具を収納し、自動管理ができます。また、顔の部分の目で、微笑みや、医者を見失うと泣くような表情を表出し、病院内の雰囲気や患者さんに親しみを持ってもらえるような工夫をしています。このように、搬送作業では、自動追尾制御モード、パワーアシスト制御モード、ロボットの顔の表情のフェイスモード、また、回診作業では、回診モードがあり、それらのモード切替を画面タッチでスムーズにできます。病院内での医療器具の搬送と、病室内での診察業務を一つのロボットで支援する 「医師や看護師等の医療従事者の代役をできる」ロボットは、世界初です。

今回の連携は、地域だけでなく、福島と豊橋という広域連携での共同研究を実施しました。著者がFMU寄付講座の特任教授を併任し、1カ月に1度から2度福島に出向き、顔を合わせて打ち合わせを行いました。また、FMUにも、毎月豊橋に来て頂きました。企業も含めて、TUTでは、毎週、進捗上の報告や議論をしました。この成果を将来、地元に還元、展開、発展できるようになればと思います。今後ですが、「医師と看護師の負担軽減が期待できるために、安全性、安心性、信頼性を高めるとともに、コミュニケーション機能を高め、患者さんの癒しにつなげたい」と考えています。今後は、2号機、3号機と発展させ、事業化、実用化を目指しています。なお、本学学生も研究開発戦力として大活躍してくれました。上野祐樹君、國廣和樹君、間宮祥太朗君、Igi Ardiyanto君、室伏裕太君、小出健司君、磯部夏美君に協力をいただきました。関係各位に深く感謝いたします。

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Chapter03

まちなか再生プロジェクト:花園ベース/HANACOYA/建築・都市システム学系 助手 渋谷達郎(しぶや たつろう)

まちなか再生プロジェクト:花園ベース/HANACOYA

建築・都市システム学系 助手 渋谷達郎

花園ベース/HANACOYA(豊橋市花園町65−1)は、豊橋市の中心市街地で進めている空き店舗の改修プロジェクトです。豊橋在住の商店街マネージャー、花園商店街の方々とご縁があり、1年ほど前から「まちなか再生プロジェクト」として、本学建築・都市システム学系の学生を中心とした有志団体、建築サークルの学生と共に取組んでいます。

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指導している建築サークルでは、自分の手足を使って実際に建築をつくること、新しい建築の可能性を身近なところから発想し実際に形にすることを目的にしています。1/1スケールのリアルなものづくりを通じ、地元の建築家の皆さんや職人さんとの協働を含め、地域に根差した様々な活動を行っています。これまでに、設計コンペティションや子ども達のための防災ワークショップ、建築に関する座談会・ケンチクカフェ、大学祭での仮設建築物のセルフビルドなどに取組んでおり、新城市で取組んでいる「古民家再生・黒谷プロジェクト(http://kuroya.jp/)」では、グッドデザイン賞ならびにグッドデザイン・ベスト100を受賞しています。

豊橋市の中心部に位置する花園商店街は、周辺に寺院が多いことから寺町として市民に親しまれている歴史あるエリアです。今回の空き店舗改修では、商店街にある築30年以上の2階建て家屋をまちの縁側のような地域コミュニティの場へとリノベーションしています。1階は、15坪ほどのスペースを間仕切のないワンルームとし、用途に応じて多目的に使うことのできる空間としています。改修にあたり、明るく開放的な空間にするため、天井を解体し、自分たちで塗装作業などを行いました。

天井解体

塗装作業

日中は市民活動グループが運営を行っており、夜間は学習スペース(コラーニング)に活用されています。2階は事務・ミーティングスペースに加えて、さまざまな工作機械を備えた工房スペースとしています。人の手が触れる場所は、できるだけ木や自然素材を多用することで温かみのある空間としました。家具などの什器類や看板・サインの制作も手掛けました。

家具製作

改修にあたり、あいちモリコロ基金の助成を受けたほか、豊橋市からの助成金も活用し、設計や工事だけでなく、この場所の運営についても地域の方々と協働で取組んでいます。建築は、完成したら終わりではなく、いかに地域の人々に必要とされるかも大切な要素です。関わった建築が地域の人々に愛されるような場にできるかということを、常に考えながら現場での活動に取組んでいます。そんな建築のリアルな現場を体験できることは学生にとっても、在学中になかなか経験することのできない貴重な機会だと考えています。

夏にはオープニングイベントの一環で、商店街で毎月行っているまちなかマルシェに模擬店を出店しました。往時の賑わいを知る地元の方が「こんなに大勢の人が商店街に来たのは、本当に久しぶり」と話すほど、大変な盛況でした。休憩スペースとして施設を開放し、当日は大勢の方に活用していただくことができました。

イベント風景

休憩スペース

新しい取り組みとして、本学の教育研究活性化経費の助成を頂き、パーソナル3Dプリンターを用いたものづくり教育の研究に取組んでいます。先日行ったワークショップでは、タブレット端末を用いて子ども達と学生とが協働して3次元造形に挑戦しました。

ワークショップ風景@

ワークショップ風景A

まちなかの歴史的なエリアに先端的な技術があること、誰でも気軽に3次元造形に触れる機会があるということが、新しい人の賑わいを生み出し、商店街だけでなくまちなかの再生につながることを期待しています。ものづくりだけでなく、建築という分野の敷居が低くなることで、これまでとは違った新しい発想の建築のあり方が提案できたら面白いと考えています。今後も、建築を通じた地域との協働のあり方を模索していきたいと思います。

有志学生たち

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Chapter04

害虫から新薬?魅惑的な「共生」の研究と応用展開/エレクトロニクス先端融合研究所 准教授 中鉢淳(なかばち あつし)

 皆さんは「共生」という言葉を聞いて、何を連想されますか?アニメーション映画の題材にもなった海の人気者「クマノミ」とイソギンチャクの、持ちつ持たれつの関係を思い出す方も多いかも知れません。クマノミは、毒をもつイソギンチャクを利用して外敵から身を守る一方、イソギンチャクにエサのおこぼれを与えることで、お互いに助け合って生きています。また、私たちの細胞の中にあり、酸素呼吸に欠かせない「ミトコンドリア」が、遠い昔、私たちの祖先に取込まれた共生バクテリアの末裔であることをご存知の方もいらっしゃるかも知れません。このように、共生は生物の進化においてとても大切な役割を果たしてきました。また共生は、複数の生物の間の緊密な関わり合いを意味し、私たち自身や農作物、多くの病原体が、生物に他ならず、様々な共生関係を結んでいることから、農業や医療といった応用分野においても、重要な研究対象となっています。私たちの研究室は、この「共生」という現象に注目し、1) 複数生物の融合メカニズムの解明、2) 安全な害虫防除法の開発、3) 有用遺伝子資源の探索などを目標に研究を進めています。

今回私たちは、「ミカンキジラミ」という、カンキツ類の世界的な重要害虫が、毒を作るバクテリアと融合して自らの一部とし、これを武器に天敵から身を守っているらしいことを、明らかにしました。すなわち、このバクテリアは、世界各地のミカンキジラミに普遍的に存在し、共生専用の器官「バクテリオーム」に収納され、虫の親から子へと代々受継がれ、ゲノム(ある生物のもつ遺伝情報のひと揃い)が極端に縮小しているなど、宿主生物と一体化した特徴を示すものの、強い毒性・薬理活性をもつ物質を合成して宿主を防衛するという、これまで知られていたどんな生物にも無い、ユニークな特性をもつことを解明しました。これは、ミトコンドリアのように宿主生物と一体化しながら、クマノミにとってのイソギンチャクのように防衛機能を果たす、全く新しい共生の形を示すものであり、これまでの常識を覆す世界初の発見で、生物学全般に大きなインパクトを与える成果と言えます。また、本研究により得られた新規防衛物質「ディアフォリン」は、強い薬理活性を示すばかりでなく、その類縁物質はほぼ例外無く抗がん活性を持ち、がんやアルツハイマー病の臨床試験に供されているものも含まれるため、ディアフォリンを創薬シード化合物とした医薬開発への応用展開が期待されます。さらに、今回解明した特性から、この共生バクテリアは、ミカンキジラミが生きていくうえで欠かせない存在であると見られる一方、周辺環境中の他の生物には存在しないため、選択性が高く、環境負荷の低い、安全で効果的な新規害虫防除法開発の標的として有望であることも示されました。

私たちは、複数の研究材料を用い、様々な共生現象に注目して研究プロジェクトを進めていますが、本ミカンキジラミの共生系についても上記3つの目標を追求して参ります。

ミカンキジラミ成虫

ミカンキジラミ幼虫のバクテリオーム

ディアフォリンの添加により死滅するがん細胞

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Chapter05

「日本音響学会秋季研究発表会」開催報告/情報・知能工学系 教授 (実行委員長) 中川聖一(なかがわ せいいち)

2013年度日本音響学会秋季研究発表会が9月25日から27日の3日間の会期で、本学で開催されました。本学の日本音響学会会員を中心に15人で実行委員会を組織し、日本音響学会東海支部と御相談し、東海支部40周年事業と一体行事にすることにし、1年前から準備を進めてきました。豊橋市近辺では、これといった観光地や楽しみな料理もなく、どうやって学会参加者に満足していただけるかに腐心しました。そこで、東海支部40周年記念行事として「記念講演・記念コンサート」(於:穂の国とよはし芸術劇場「プラット」)、学会特別イベントとして豊橋の吉田神社が発祥の地と言われる「手筒花火」、特別講演はこの「手筒花火」に関連する話題、懇親会では奥三河を練習拠点とする和太鼓プロ集団「志多ら」の演奏、最終日には地元の本多電子(株)の「超音波科学館」の見学会、を柱にすることを初回の実行委員会で決めました。主な役割分担は、総務(秋葉友良先生、桂田浩一先生)、会計・庶務(杉本俊二先生)、特別講演・懇親会(堀川順生先生)、見学会(穂積直裕先生)、会場関係(山本一公先生、土屋雅稔先生)、ホームページ関係(入部百合絵先生)とした体制で実行しました。以下に、本学で参加者1,000人規模の学会開催の参考になる情報も併せて報告します。

(発表会場等)

口頭発表会場
口頭発表会場10室、ポスター60件の会場(3室)、本部控室(アルバイタ控室、クローク兼用)、休憩室(2室)、会議室(5室)、ミーティング室(3室)を確保するため、A棟、A1棟、A2棟全部を使用しました。今回、学会で初めて、クロークを設け、手荷物の保管を行い、利用者は予想以上で、最終日は60人が利用しました。休憩室でのサービスは、ホットコーヒーが1,100杯、冷たい御茶が400杯でした。無線LANのゲストアカウント発行数は、予想よりも少なく340名でした。アルバイト学生は、実行委員の先生方の研究室学生を中心に17人を雇用し、運営に協力していただきました。

(研究発表会・特別講演)
発表件数は576件、参加者は1,102名と、いずれも、この10年間の秋季研究会では4番目の多さでした。内訳は、口頭発表が339件、ポスター発表が237件でした。特別講演は、愛知大学の渡辺和敏先生に「東三河の手筒花火の由来」と題して、江戸時代の社会史の御専門の立場から、講演していただきました。そのあと、吉田神社の祇園祭奉賛会会長の稲垣昭八氏より、実物持参で手筒花火の作り方・打ち上げ方などの解説をしていただき、夜の特別イベントへの期待を膨らませる役割を担っていただきました。

(特別イベント)

天伯山神社境内での手筒花火

特別イベント「手筒花火」に関しては、地元の天伯山神社関係者の全面的な協力が得られ、豊橋市観光コンベンション協会からはプロモーションの一貫として支援をいただき、学会関係者からは奉納金を賜り、天伯山神社境内で盛大に開催でき、アンケート結果では「迫力があった」「素晴らしい」と多くの感想が得られました。(参加者数は約460名)

(懇親会・見学会)
懇親会は豊橋駅前のホテルアークリッシュ豊橋で、来賓として本学の榊佳之学長を迎えて行いました。参加者は予想より多く171名で、この8年間では3番目の多さで、「志多ら」の迫力ある演奏もあり、盛会でした。最終日の「超音波科学館」への参加者は、初日と2日目の見学も含めて55名と、これも盛況でした。

懇親会

(その他)
開催に当たり、一番予想しにくかったのは、臨時バス増便数と昼食人数でした。臨時バスは、豊橋駅発8時台に3台、9時台に2台お願いしましたが、初日の8時台は特に混んでしまい、予測の困難さを感じました。昼食は、食堂の利用者が330人、喫茶店が40人前後、売店(弁当)が100人で、なんとか予想範囲内に収まりました。最後になりましたが、会場の無料提供をはじめ本学には多大なご支援を戴きました。改めて御礼申し上げます。

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Chapter06

第30回オープンキャンパスを振り返って/広報部会

本部受付の様子

平成25年度オープンキャンパスを、8月31日(土)に開催しました。当日は天候にも恵まれ、東海地方を中心に過去最多の2,490名もの参加がありました。夏休みのイベントとして、定着してきたように思います。

本学のオープンキャンパスは、高校生・高専生に入試、教育、研究情報を知っていただくとともに、大人から子どもまで一般の皆様に広く大学を公開して、本学の役割や地域・社会活動を知っていただくためのイベントです。



橋正実氏デザインのエコバッグ

第30回目となる今回は、主に受験生を対象とした入試案内、各種相談コーナーや、数多くの研究室公開、研究施設・図書館等の施設公開、体験学習等を開催しました。また、特別企画として、毎年好評をいただいている小学生向け体験学習教室を開催するなど、本年度も盛りだくさんな内容のオープンキャンパスとなりました。

毎年、本学オープンキャンパス来場者へエコバッグを配布していますが、本年度は昨年度に引き続いて、あの東京スカイツリーのエレベータ内装デザインや、スガキヤラーメンフォークのデザインで有名な、マサミデザインの橋正実さんに本学のエコバッグのデザインをお願いしました。エコバッグを目当てに来場される方もいるほど、本年度も大好評でした。


それでは、本年度のオープンキャンパスをイベントごとに振り返ってみましょう。

(入試案内プログラム等)

榊学長による入試説明

研究室公開の様子

見学ツアーの様子


受験生や保護者の方に入試概要等を説明する「入試案内」では、榊佳之学長が、次代を担う高校生・高専生に対してメッセージを送るとともに、らせん型教育やテーラーメイド・バトンゾーン教育プログラムなどの本学の特色ある教育システムや、エレクトロニクス先端融合研究所などの充実した研究施設を紹介しました。また、教員や担当職員に各課程・専攻の内容や入試・修学・学生生活等に関する質問ができる相談コーナーを設け、高校生・高専生や保護者の方の疑問にお答えしました。さらに、技科大生自身が質問に答えるブース「技科大生による何でも相談コーナー」を併設し、受験勉強のアドバイスや大学での生活などについて「生の声」をお届けできるよう、対応させていただきました。本学の入試制度や各課程・専攻の特色、キャンパスライフ等、ご理解いただけたでしょうか。本学では受験生や保護者の方からの質問にいつでもお答えしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

(研究室公開、体験学習、施設の開放・公開)
本年度は84の「研究室&研究所公開」、11の「施設公開」、8の「体験学習」を開催しました。普段なかなか目にする機会のない研究室や研究・教育施設を見学したり、最先端の研究・技術に触れたりしていただきました。 中でも「体験学習」では、液体窒素で凍らせたバナナによる釘打ちを体験したり、本学で試作した小型電気自動車に試乗したりすることで、本学で行われている様々な研究に触れることができ、大人気でした。また、附属図書館では科学に関するDVDを上映したり、絵本の読み聞かせ会を開催したりと、年齢の低いお子さんでも楽しめる企画を行い、大勢の家族連れが集まっていました。

(見学ツアー)
公開している研究室等を、技科大生がガイドとなって案内する「見学ツアー」を実施しました。広いキャンパス内を効率良く見学することができる、毎年人気のイベントです。こちらは整理券配布対象のイベントとして1回あたりの参加者数が決められたものとなっておりますが、その分、参加された方は、じっくりと見学いただけたのではないでしょうか。また、その他にも学生宿舎を見学できるツアーも実施しました。

(小学生向け体験学習教室)

小学生向け体験学習教室の様子

豊田高専のロボット実演

植物工場見学の様子

課外活動団体紹介の様子
(ダンスサークル)


スライム作り、磁石の力を利用した工作、ステンドグラス製作等、7つのテーマに分かれた体験・実習形式の催しを開催しました。この企画は本年度で6年目を迎えましたが、毎年多くの参加希望者にお越しいただいています。リピーターの方も多く、今回も好評で、ほぼすべてのテーマが定員に達していました。参加した子どもたちのキラキラとした笑顔が大変印象的でした。ものづくりの楽しさを実感してくれたことでしょう。これをきっかけに、理科・科学に興味を持ってもらえると嬉しいです。

(豊田高専ロボコンマシンの実演等)
高専連携室の企画として、同じ愛知県にある豊田工業高等専門学校の教員・学生の皆さんが、高専ロボコン大会出場マシンの実演を行いました。ロボットに興味のある多くの高専生・高校生や一般の方で大盛況でした。また、パネルや資料を展示し、近隣高専各校の紹介を行いました。学生の約8割が高専出身である本学ならではのユニークな企画と言えるでしょう。

(公開シンポジウム)
先端農業・バイオリサーチセンターの企画として、植物工場に関する公開シンポジウムを行いました。約100名もの方に参加いただき、植物工場とは何か、どんな研究をしているのか等について、わかりやすく説明しました。また、シンポジウム終了後、本学にある実際の植物工場を見学いただく企画もあり、多くの方に、本学の研究の一つである植物工場を知っていただくことが出来たのではないかと思います。

(課外活動団体紹介)
ロボコン同好会、技科大祭実行委員会、アニメーション&コミック研究会、おちゃのかい、吹奏楽団、ダンスサークルgille workersの6団体の学生たちが、それぞれの部・サークルの魅力や活動内容を紹介・発表しました。ロボコン同好会は、NHK大学ロボコン大会に出場したマシンの実演・展示を行いました。テレビで見たことのあるロボットを間近で見ることができ、子どもたちの興奮しながら見つめている姿が見られました。また、実際に参加者が操作出来るロボットもあり、多くの子どもたちが操作を体験していました。技科大祭実行委員会による企画では、参加者に風の谷のナウシカに出てくる「むしぶえ」を製作してもらいました。その原理の説明を受けることで、科学を身近なものとして感じてもらえたのではないかと思います。アニメーション&コミック研究会は、セル画体験教室を実施し、子どもたちの人気を博していました。おちゃのかいの学生は、「茶道とのふれあい」と題して、ぎこちなくお茶を手にする人たちにも、にこやかに作法を教えていました。吹奏楽団は残暑厳しい中、汗を流しながら屋外で演奏を披露しました。今回のオープンキャンパスで初めての参加となったダンスサークルは、B棟前でストリートダンスパフォーマンスを行いました。学生たちの息のあったパフォーマンスに、多くの方が足を止めて見ていました。どの課外活動団体のイベントも大盛況でした。

(参加者の声:アンケートより)
・ 相談できたことで今後の見通しを考えることもできましたし、やるべきことも明確になりました。生活してみたらどうなのかというのもイメージしやすく良かったです。
・ とてもこの大学に入学したいと思える内容ばかりでした。今後のモチベーションもすごく上がります。
・ 説明してくれた研究室は、どこも丁寧に対応してくださり、わかりやすかったです。
・ 小学生参加のイベントを今後も続けて、ぼくたちの化学や数学へのきょうみをもたせてほしい。もっと勉強したいという気持ちになりました。夏休みのいい思い出になりました。
・ 名古屋市内の小中学校にも案内チラシを送ってほしいです。工学に興味のある子は小・中学生でも十分理解し、楽しめると思いました。

本年度も昨年度に引き続き、2,000名を超える多くの方々に参加いただきました。特に高校生の参加する姿が目立ちましたが、地域に根差す大学として、家族連れの方が多いのも本学のオープンキャンパスの特徴です。アンケート調査では参加者の満足度のポイントが高く、多くの方に楽しんでいただけたのではないかと感じています。まだまだ改善点も多くありますが、本年度の反省を行いつつ、次年度もオープンキャンパス実行部会を中心に大学全体で知恵を絞り、より皆様に満足していただけるオープンキャンパスを開催したいと考えています。

最後になりましたが、お越しいただいたたくさんの皆様、オープンキャンパスを盛り上げてくれた教職員・学生の皆様、本当にありがとうございました。

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